『波伝谷に生きる人びと』を見る前に~134分バージョンへの道のり~
vol. 5 2015-01-30 0
みなさまこんばんは。野村です。
今日は『波伝谷に生きる人びと』が現在の134分バージョンになるまでの歩みについてご紹介したいと思います。
ドキュメンタリー映画『波伝谷に生きる人びと』は、我妻監督が東北学院大学の民俗調査に参加する1学生として宮城県南三陸町波伝谷部落を訪れたことがきっかけで、2008年3月から本格的な撮影をスタートさせたものです。
その東北学院大学民俗学研究室と東北歴史博物館の共同による民俗調査の報告書は、『波伝谷の民俗ー宮城県南三陸沿岸の村落における暮らしの諸相ー』として刊行されていますが、その中には我妻監督が執筆した部分も含まれています。
そうした民俗調査を基礎としながら、監督は卒業後も波伝谷に通って撮影を続け、震災までに240時間もの映像を撮り溜めていました。
そして2011年3月11日、翌日に迫った「春祈祷」の前に行われる部落の総会で、試写会を行うあいさつをするために出かけた監督は、その途中で午後2時46分を迎えます。
車と機材を流されるなどした監督は被災後自宅へ戻り、波伝谷での撮影と並行しながら『波伝谷に生きる人びと』の編集を行います。その年の12月には第1回途中経過版(6時間バージョン)の試写会を波伝谷で開催します。
2012年11月には第2回途中経過版(56分バージョン)の試写会を波伝谷で開催し、その後あきた十文字映画祭で『波伝谷に生きる人びと』のパイロット版として上映されます。
2013年8月15日に『波伝谷に生きる人びと』の完成試写会を波伝谷で開催します。この時はまだ128分でした。同じ年の10月には第13回山形国際ドキュメンタリー映画祭の震災関連映画特集「ともにある Cinema with Us」にて初公開となります。
この128分バージョンに改良を加え、2014年1月13日現在の134分バージョンとして南三陸町での完成披露上映会を開催し、現在に至ります。
こうしてみると、『波伝谷に生きる人びと』が現在の形になるまでには、震災を経たことなどもあって編集に紆余曲折があったことは想像に難くありません。このあたりの思いや葛藤、悩みなどは監督から直接語ってもらうことにしたいと思います。
また、作品のパイロット版である30分バージョンと56分バージョンのDVDは、個人特典⑥以降にお付けしています。また134分バージョンに限定映像を付けたBDは個人特典⑤以降、企業・団体特典B以降にお付けしています。ぜひ興味のある方、お見逃しなく!