113%ファンディング達成のご報告
vol. 10 2015-10-17 0
ありがとうございました
お陰様で、「世界初!シルバーの指輪「ファウンテンリング」で、蝶やクモのかたちの噴水を作ろう。」のキャンペーンはファンディング目標を上回る113%を達成して終了致しました。ご縁が生まれたファウンテンリングのコレクター様、応援して下さった方々、そしてメディア関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。
新しいリングの開発に向けて
当初、私がコレクターとして想定していたのは、男女を問わず、ファウンテンリングの開発経緯を共有し、この指輪を新しい宝物にして下さる方々でした。しかし皆様とメールをやりとりするうちに、男性から女性への贈り物としての需要が多いことがわかりました。婚約指輪に、ご結婚25周年の記念に、そして大切な方のお誕生日やクリスマスギフトにファウンテンリングが選ばれています。将来的には、ゴールドとシルバーのコンビネーションや、プラチナ等の素材を検討し、水を当てる場所にダイヤモンドや誕生石を埋め込んだリングを開発していこうと考えています。トンボ、桜、アルハンブラの星のモデルと同様に、開発が楽しみになりました。
ファウンテンリングをめぐる意見
2015年9月30日、エキサイトやライブドアに 「現代の枯山水!水に当てると蝶とクモの形をした噴水が出現する指輪」の記事が掲載されました。またたく間にシェアが広がり、ツイッターでは「発想がすごい」「面白い」「ほしい」と人気を集めました。一方で、記事のタイトルをめぐり「水を使うなら枯山水ではない」という意見や、「水がもったいない」「他国の水をめぐる状況を思い出す」「周囲がびしゃびしゃ濡れる」というリツイートがありました。ここにまさに、私がファウンテンリングを開発した理由があります。日本人なら誰もが「もったいない」という感覚を持っていると思います。しかし、噴水を目にしない限り、自分が消費する水量を普段は意識しないのではないでしょうか。私はファウンテンリングを通じて、水の持続可能性を考えるきっかけを作りたいと思っています。
以下の記事が出る度に、多くの人がさまざまな感想をつぶやいています。
2015年10月14日、ガジェット通信(Nicheee!、エキサイト、ライブドア等に
斬新な発想!噴水を作る指輪「ファウンテンリング」がとってもユニーク!
http://getnews.jp/archives/1194033
2015年10月13日、Yahoo!掲載(@DIME)
世界初!噴水を作る指輪「ファウンテンリング」登場
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151013-00010007-dime-sci
2015年10月9日、Pouch掲載 (ネタりかやyahooに転載)
【摩訶不思議】個性的なかたちの指輪に水を落とした瞬間…!!
美しい「噴水」が生まれる指輪を発見したなり‐
http://www.atelier-opa.com/fountain-ring/excite.html
ポンプからの解放
従来、噴水制作は容易ではありませんでした。電動ポンプ、噴水のホース、プール、水をあてるパーツを揃える必要があります。噴水を究極まで単純化した時に、ポンプとホースの役目は家庭の水道にまかせ、プールはキッチンのシンクや洗面のボウルで代替し、私自身は水をあてるターゲットだけを用意すれば良いのではないかと思い当たりました。そして噴水を作る指輪を作りました。じょうろやホースを使えば庭先でも水遊びが出来ます。シンクやプールがないと、水はじゃぶじゃぶと飛び散ります。
今まで海外で噴水を展示する際には、重い電圧変換機を持って行き、日本製のポンプを動かしていました。しかしその必要もなくなりました。この一年、私はミラノやパリの友人の家で噴水を作ってみせました。一番大事なパーツを指輪にしたので、キッチンやバスルームなど、いつでもどこでも水さえあれば噴水を披露することができます。
噴水は作っても、作らなくても良い
水遊びを楽しむぶん、私はいつも水の消費に慎重になります。家族が歯磨きをする時には水を止めるように促し、長時間お皿を洗う際には代わりに食洗機を使い、15分シャワーを浴びるのであれば湯船を張ったほうが節水になります。コレクターの皆様は、ファウンテンリングを通じて、きっと水の重要性に向き合う事になると思います。ある時には噴水を作って遊び、ある時はただジュエリーボックスに入れて眺めるでしょう。そこには選択肢があります。噴水は作っても、作らなくても良いのです。噴水を作らない時、それは大ぶりのジュエリーとして存在します。
家庭の水と都市の水
2011年の東日本大震災の後、水の重要性が高まりました。誰もが節水と節電に努める中で、飲用水とお風呂の有り難さを実感し、隣人と協力しあった日々は記憶に新しいと思います。つまり、私たちが各自でコントロールできるのは「家庭用水」です。
一方、「都市活動用水」は都市の管轄下にあります。いくら子供が夏に水遊びを欲し、大人が街中の噴水に癒しを求めても、災害時や緊急時には当然噴水は止まります。そして経済が上向きになれば、誰が望まなくとも、噴水は稼働を始め、夜間にライトアップされます。ラスベガスやドバイの都市では、音楽や映像、レーザーに花火を組み合わせた派手な噴水が観光客の人気を集めています。噴水は都市の豊かさを象徴します。エンターテイメントとして最高に楽しい噴水は、電力と水道を消費する噴水です。そこには「足るを知る」「侘び寂び」「省エネ」といった、日本的な価値観は存在しません。今後新たな都市形成を考えた時に、果たして旧態依然とした西洋型の噴水は私たちに必要でしょうか?
図:国土交通省2010年「水資源の利用状況」より
私が以前手掛けていたウォータードームは、従来の噴水に比べて少量の水を最大のボリュームで循環して空間を作るという特徴がありました。省エネ型の設計と、組み立て効率の良さからアメリカや香港の海のデザイン賞を受賞しました。また、2007年から2009年の夏に茨城のロックフェスティバルで制作したウォータードームには、公園で貯め、浄化した雨水を用いました。それでも今の時代を鑑みると、水の使い方には慎重にならざるを得ません。噴水の制作をめぐり、社会的にも、個人的にも、ターニングポイントを向かえたと感じました。
水に対する好奇心と責任感
実は、インタビューを受ける度に、私は「水の持続可能性」というキーワードを必ず掲げています。私にとって、水の重要性は省くことの出来ない命題です。しかし、誌面の都合上、あるいはラジオやテレビの都合上、取り上げられないことがほとんどです。2015年10月15日に出演したテレビ東京の「WBSワールドビジネスサテライト」の「トレたま」では、「震災以降、水に対する重要性が増し、大型の噴水の需要が減った」と話したところが放送されました。
現在、ファウンテンリングは「見たことのない指輪。面白くて、楽しくて、美しい噴水」として取り上げられています。最初のつかみはそれで良いと思います。でも、「水がもったいない」と思う感覚も重要です。アートは水をめぐる問題を解決することはできません。しかし、水に対する意識を刷新することができます。
日本から提案する未来の噴水
2020年のオリンピックに向けて様々な提案があります。私は、日本中の噴水のリニューアルを提案します。本来、日本庭園には噴水が存在しませんでした。日本人は滝を愛で、ししおどし、つくばい、水琴窟といった落下する水に美学を見出しました。神社では手水を使い、夏にはひしゃくで道に水をまき、心身や環境のけがれを清めてきました。しかし、水のある暮らしは変わりつつあります。
現在、日本人は一日に使う水量のうち、トイレで30%、お風呂で24%の水を使っています。いつもの生活において、水の美しさ、冷たさ、尊さ、楽しさを味わうことが出来たら素敵だと思いませんか。きっとコレクターの皆様はそう思ってファウンテンリングを選んで下さったのだと思います。
ファウンテンリングは現代のラピッドプロトタイピング技術が可能にした3Dデザインと、東京が誇るジュエリー制作の技術の組み合わせから出来ています。そして蝶やクモといった自然界のかたちを水で表現します。メード・イン・ジャパンのファウンテンリングを、海外からの観光客のインバウンド需要に提供する日もそう遠くないと私は確信しています。
ファウンテンリング・オーナーズクラブ発足
ファウンテンリングには、それを誰かに言いたくなる魅力があります。38名のコレクターの皆様には、気軽にジュエリーとして身に付けたり、蝶やクモのかたちの噴水を楽しんだりして頂ければ幸いです。そして、もし良ければ、素敵な噴水の画像や、噴水に関する思いを共有しませんか。
#fountainring #fountainowner #ファウンテンリング#ファウンテンオーナー
インスタグラムやツイッター、facebookにて、上記ハッシュタグを使って皆様と交流することを楽しみにしています。アカウントをお持ちでない方は、杉原あてに画像やメッセージをお送り頂ければ集約いたします。今回のコレクターの皆様と、共に噴水のオーナーになれることを嬉しく思います。12月10日の発送を目指して、鋭意、製作して参りますので、お届けまで少々お待ち下さい。どうもありがとうございました。
2015年10月17日
杉原有紀