【応援メッセージ】湯浅永麻(ダンサー/振付家)
vol. 21 2024-05-27 0
こんにちは!
2019年に京都国際舞台芸術祭KYOTO EXPERIMENTにて世界初演を迎えた『消しゴム山』
3年ぶりの東京公演が2024年6月7日(金)〜9日(日)に世田谷パブリックシアターにて開催されます。
公演にあたってクラウドファンディングを実施中。
クラウドファンディングを通して、より多くの人に作品をひらいていく機会をつくります。
詳細はプロジェクトページをご覧ください。
プロジェクト達成に向け、続々と応援メッセージが到着!
本日はダンサー/振付家の湯浅永麻さんのメッセージをご紹介します。湯浅さんは2022年『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』にて岡田とのコラボレーション経験があります。
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2022年に彩の国さいたま芸術劇場で、振付でコラボレートさせて頂いた「わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド」では、自分では想像し得なかった”他者”や、疑いを持っていた”他者”の視点に、演じることでハマっていく感覚があった。
自分の中で視点やナラティヴが増えて、増えて、翻弄され、混乱する、という”わたし”は、優柔不断な私を岡田さんに改めて気付かされた気がした。
「消しゴム山」は、忍耐が必要な作品だと思う。一体なんなのかを能動的に(ある意味強制的に)考える時間を与えてくれている。
このスピード社会の中で、沢山の情報を得やすくなった今、目に入った情報は忘れることはありつつも自分の中から完全に消える事はなく、*信じたものの評価がひっくり返ることや、*情報の刻一刻アップデートが目まぐるしく、どちら/何につくべきかを決断できないままにいる。(*作中セリフから引用)
素早い決断や反応は大事だけれども、相反する、または複数に存在するものを聞く態度と時間も、同じように大事だと、優柔不断な私は思ってしまう。
消しゴム山を見て、”モノ”の視点を想像してみる。
時間の概念がない”モノ”を主体とした展開は、スピードに慣らされて、皮肉にも思考のチカラを弱めた私の頭に、じわっと間を与えて、思考する事をリアクティベイトしてくれる。
作中では、『人間には時間というのは、大大大問題だったんですよ』と女性が”モノ”に対してゆっくりと語りかける印象的なシーンがあり、すっと自分に入ってきたが、でも優柔不断な私は、そこでTime is your greatest assetとライアン・ガンダーが言っていたことを思い出して、時間という概念を持っている事の大事さにも頷いてしまう、自分の『人間的尺度』にまた気づかされる。
こういう、思考を能動的にしてくれる劇場での体験(「消しゴム」プロジェクトは、美術館、小説、書籍、はたまた日常版などあらゆる場にコンセプトを展開させている)が、これからも在り続ける事、そして同時に、自分が忍耐を持って自分以外の人/モノに興味を持ち続けていらますように。
コロナを乗り越えて今、やっと沢山の方にこの作品が届きますように。。!
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湯浅永麻(ダンサー/振付家)
写真:大洞博靖
ダンサー、振付家。ネザーランドダンスシアターに 11 年間所属。16 年にフリーとな り、サシャ・ワルツ、シディ・ラルビ・シェルカウイ、ピーピング・トム、向井山朋子らの作品に参加する一方、振付家として異ジャンルのアーティストと数々の作品を発表。第 13 回、15 回日本ダンスフォーラム賞受賞。2022年に岡田利規とのコラボレーション作品、『わたしは幾つものナラティブのバトルフィールド』を発表。ダンスをコミュニケーションツールとしてあらゆる人と対話を行うnosmosis researchを企画。近年はダミアン・ジャレ×名和晃平『Planet [Wanderer] 』世界ツアーに参加中。
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引き続き皆様の応援をよろしくお願いします!!
<公演情報>
チェルフィッチュ×金氏徹平『消しゴム山』東京公演(2024)
【スケジュール】
2024年
6月7日(金) 18:30開演
6月8日(土) 13:00開演☆/18:00開演◉
6月9日(日) 13:00開演★
☆上演中ウィスパリング歓迎の回
◉終演後、アフタートーク
★鑑賞マナーハードル低めの回
【会場】世田谷パブリックシアター(〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4丁目1番地1号)