【みやうにさんとの絵本づくり vol.1】
vol. 3 2017-05-31 0
「読んで聞かせる」に「手遊び」を足したら新しい絵本に
日隈さんが絵描きに対して、みやうにさんはデザイナーです。実は、赤ちゃん絵本作家でいうと、『はらぺこあおむし』のエリック・カールや、「ミッフィー」シリーズのディック・ブルーナは、優れたグラフィックデザイナーでもあります。
赤ちゃんにとって最適な情報量は、大人よりもはるかに少ないので、けずってけずって単純化することが得意なデザイナーは、赤ちゃん絵本作家に向いているんですよね。
「親子で一緒に楽しめる」というテーマに対して、みやうにさんが最初に持ってきてくれたアイデアは「なぞって楽しむ絵本」と「パタパタする絵本」のふたつでした。
ページをめくって、パタパタする。またページをめくって、パタパタする。内容だけではなく、本ならではのカタチそのものを楽しもうというアイデアは、今までありそうでなかったものです。なるほど、「読んで聞かせる」に「手遊び」が加わって、全く新しい絵本体験ができると思いました。絶対に電子化できないというのも魅力的です。こっちでやりましょう、と。
最初にいただいたラフには、見開きに大きな「ちょうちょ」が描いてありました。これにどんな仕掛けをすれば、読者が実際に「パタパタする」絵本になるか。
それを実現するのは、簡単なことじゃないですよ。でも、難問に挑むのはキライじゃありません。
▲見開きに大きく描かれたシンプルで美しい「ちょうちょ」
▲最初のラフでは「ちょうちょ」だけで11見開きを貫くアイデアだった