出演者紹介:ニュージーランドの子どもたち
vol. 12 2020-02-17 0
オセアニアを代表してやってくるのは、ニュージーランドの「Sistema Aotearoa」 (システマ・アオテアロア)。「アオテアロア」とは、「白く長い雲のたなびく国」を意味するマオリ族の言葉で、ニュージーランドのことを指します。
ニュージーランドは、先住民族のマオリ族の文化を大切にする一方で、人口の15%にすぎないマオリ系の人たちがホームレスの3分の1を占めているという統計もあります。社会的に弱い立場にあるマオリ系や、太平洋の島国からの移民の子どもたちを中心に設立されたSistema Aotearoa。ニュージーランド文化遺産省とオークランド・フィルハーモニー・オーケストラによるパイロットプログラムから活動が始まり、今では3,000名を超える参加者に対して音楽プログラムを提供しています。
2011年から2016年まで政府の支援でプロジェクトが続いてきましたが、以降は独立した慈善信託機関を設立し、各方面からの支援性の資金を資源に活動を展開。オークランド・フィルハーモニー・オーケストラとも引き続き協力関係にあり、指導面などにおいてプロのアーティストからの応援に支えられています。各地の学校との提携も進み、今では、6歳から16歳までの600名近くの子どもたちが、30を超える小中学校の授業の一環で、あるいは放課後のプログラムとして参加しています。
マオリ文化をはじめ、所属する子どもたちそれぞれが豊かな民族文化を持って集うSistema Aotearoa。共に音楽を奏でることを通じて、お互いの文化を知り、尊重しあう心が育まれています。
こちらの写真は、Sistema Aotearoaに参加している子どもの一人が休憩中に書いたもの。エル・システマが世界各地の様々な場所において子どもたちの居場所になっていることが伺えます。