出演者紹介:ブラジルの子どもたち
vol. 7 2020-02-10 0
今から遡ること4年前の2016年、リオ・デ・ジャネイロオリンピックの熱気に包まれたブラジルから届いた一つの映画が公開されました。
その名も「ストリート・オーケストラ」。スラム街に住む子どもや若者たちをメンバーに1996年に結成された、エリオポリス交響楽団というオーケストラが誕生する時の出来事を映画化したものです。
この映画で描かれるのは、ブラジルが抱える暴力、麻薬、貧困などの問題と、その劣悪な環境の中で育ち、夢を見ることさえ諦めている子どもたちが音楽を通して自らの価値を見出していく姿です。
今回の世界子ども音楽祭で来日するのは、同様にブラジル国内の各地において、貧困地域の社会的に脆弱な子どもたちや若者に音楽を教えている「Ação Social pela Música do Brazil (Social Action for Music of Brazil, ASMB)」です。
リオ・デ・ジャネイロをはじめとした各都市で音楽を学べる12もの施設をもち、さらに公的な幼稚園や学校とのパートナーシップのもと、子どもたちを音楽を通じて社会に巻き込み、市民として育てていくために活動を行なってきました。
創設から約25年が経つ今では、4,000人近くの子どもたちに音楽を届けているほど、ブラジルの社会にとって大切な役割を担っています。
上述の映画「ストリート・オーケストラ」の中で、ひとりの少女が叫ぶ場面があります。「ずっとつらかった。母さんは自分の子どもの数も忘れてる。私なんか無視。でもここに来ると思えるんだ。『自分にも価値があるって』」。
音楽そのものや、音楽を通じた仲間が与えてくれるものは、数え切れないほどたくさんの側面があります。
しかし、最も重要なのは「あなたには価値がある。」
そのシンプルだけれども最も力強いメッセージであるということを改めて思い出させてくれます。
ASMBが生まれ、発展していく過程では、様々な人のドラマがありました。
この奇跡のような人と人の出会いと別れや、ASMBの子どもたちと日本の交流についても、詳しくはブログから!