全校児童5名の小学校
vol. 4 2015-10-09 0
相馬市でのエル・システマの活動には、西の山中に位置する玉野地区から参加している
子どもたちもいます。
限界集落と呼ばれる 玉野地区。小学校は、全校児童あわせて 5人です。
部活動は、卓球部のみで、子どもたちは、色々な活動から好きな部を選ぶのではなく、
卓球をやるか、やらないかという選択に限定されてしまいます。
玉野小学校だけでなく、相馬市内に多くある小規模の学校は、部活動を始め、さまざまな
問題を抱えています。
エル・システマジャパンは、どのような環境の子どもたちにも一流の芸術環境を整えること
を目指し、子どもたち、学校への支援を行っています。
1つは、相馬子どもオーケストラ、コーラスの活動
希望する子どもたちは、自由に参加できます。学校などの垣根を越えて、現在、約150名の
子どもたちが参加しています。
玉野地区からも、瑠奈さん、慎吾さんが活動に参加しています。
ふたりとも、エル・システマで初めて弦楽器に触れましたが、今では、バイオリン、
コントラバス奏者として活躍しています。
2つ目は、鑑賞教室の実施
小規模の学校では、音楽専科の先生がいる学校は非常に限られます。音楽の授業を
どのように組み立てるか、カリキュラム通りに進めるのは非常に困難です。
今年6月、ロサンゼルス・フィルハーモニックのビオラ奏者 Richard Eleginoさん と
フリーのバイオリニストの所素子さんが玉野小学校を訪問し、鑑賞教室が行われました。
全校児童の5人とも、エルガー「愛の挨拶」、サンサーンス「白鳥」など、初めて聴く弦楽器
の生演奏に うっとりしていました。後半には、きらきら星のバイオリン体験演奏も行われ、
ドキドキしながら曲を奏でていました。
演奏のお礼として、最後に5人全員で披露してくれた相馬民謡の「大漁祝歌」には、とても
感動しました。三味線の旨さもですが、4年生の子の掛け声が可愛いこと。
相馬子どもオケに参加している瑠奈さん、慎吾さんも民謡の名手です。
鑑賞教室では、弦楽器だけでなく、雅楽など伝統芸能の演奏なども行っています。
民謡などのその土地に受け継がれる伝統芸能や、音楽と深く関わって来た風土、人々の郷土愛を
大切にしながら、地域とともに育む音楽教育を行っています。