【はじめに】クラウドファンディング開始!
vol. 1 2019-07-01 0
本プロジェクトリーダーの橋本です。
私のことをご存知の方にも、そうでない方向けにも。自己紹介や、プロジェクトの概要についてはひと通り本体ページの方に記載させていただいたのですが、開始にあたってのエピソード的なお話しと、プロジェクトとクラウドファンディングがどのように進んでいくのかをお伝えできればと思います。
アートプロジェクトの動きを伝える本
ひと口にアートプロジェクトと言っても様々なものがあり、一般に流通する本が無いわけではありません。例えば講座やトークの内容を収録し、企画者やアーティストの言葉で事例を知ることができる『 アートプロジェクト - 芸術と共創する社会』(水曜社、2014)、同じく内容そのものだけではなく運営面についての課題などにも切り込んだ『アートプロジェクトの悩み - 現場のプロたちはいつも何に直面しているのか』(フィルムアート社、2016)、ひとつのプロジェクトの立ち上げから、継続していく中での多様な展開が具体的に分かる『BEPPU PROJECT 2005 - 2018』(BEPPU PROJECT、2018)、『釜ヶ崎で表現の場をつくる喫茶店、ココルーム』(フィルムアート社、2016)などがあります。
今回のメンバーの影山が企画・編集に関わったものとしては、アサヒ・アート・フェスティバルの参加プロジェクトから14の事例を紹介した『 地域を変えるソフトパワー - アートプロジェクトがつなぐ人の知恵、まちの経験』(青幻舎、2012)があります。
先の4つも専門的な観点、当事者ならではの言葉が分かるという点では優れた本ですが、「アートプロジェクトって何?」という方にはまずこの「ソフトパワー」をおすすめします。各地・テーマをたてた編集により事例を横断・俯瞰しながら、10年スパンの動きも客観的にわかりますので「アート業界やその地域で何が起きていたのか」だけでなく「日本の社会で何が起きていたのか」を知ることができます。アートにあまり親しみが無い方にも伝わりやすい内容になっていますので、今回もそんな本の最新版(できれば一歩踏み込んだトピックにもふれていけるもの)をつくりたいと思っています。
しかしアサヒ・アート・フェスティバルのような全国を横断したアートプロジェクト(フェスティバル)は現在行われていません。そうなると、各地での取材活動をまとめて本にするということは、非常に時間と労力、コストがかかることになります。これが近年、このような本が登場してこなかった理由です。
「ローカルメディア」「クラウドファンディング」の知見とネットワークを生かす
近年、私はアートプロジェクトの企画運営に関わること、主催者が主導して制作する記録集などの制作物に多く携わってきました。ただ、それだけではこのムーブメントがなかなか社会に広がらない、残っていかないという問題意識も抱えています。
影山は元々、アートやカルチャーを専門とする編集者でしたが、商業出版の企画を様々に手がける中で「ローカルメディア」という切り口に着目し、現在は各地のプレイヤーをつなぎ、知見を共有するウェブマガジン「 EDIT LOCAL」の活動にも力を入れています。
それではこの「EDIT LOCAL」の活動と連携して、この時代ならではの本をつくることができないだろうか。影山から、情報発信だけでなくテーマ型コミュニティをつくっていく「 EDIT LOCAL LABORATORY」立ち上げの構想を個人的に何度か聞く中で、この企画がむくむくと立ち上がりました。
もし本をつくれるとしたら、自分だけでなく、様々な人と関わりながらつくる方が絶対に(プロセスも結果も)面白いでしょうし、それにあたってこのLABORATORYという器はぴったりです。一緒に各地域やプロジェクトへの理解を深めるパートナーも見つけやすくなりそうですし、ラボのメンバーの知見やネットワークを生かすこともできそうです。
そうであれば、いっそ資金の一部も分散型でいいのでは無いか。そう、今の時代であればクラウドファンディングです。そして活動を通してアートプロジェクトの魅力や可能性・課題を分野や地域を越えて広く伝えていくことが本プロジェクトの目的です。
「ローカルメディア」「クラウドファンディング」の知見とネットワークも生かすことができれば、自ずとこれが実現できるかもしれない。しかしクラウドファンディングによるアートプロジェクトや出版の事例もかなり増えてきた中で、どれくらい賛同を得ることができるだろうか。そんな期待と不安を胸に今日まで準備を進めてきました。
思い返せば、私はクラウドファンディングがまだ存在しなかった駆け出しの頃に手がけた展覧会「 都市との対話」(BankART Studio NYK、2007)で、チラシを制作するなどしながら広く資金集めをしたことがあります。この時も、ブログサイトでそのプロセスの共有に力を入れていました。このようなことを本格的に行うのは、この時以来です。
またその後、初めてアートプロジェクトに関して自ら手がけたプロジェクトを例に寄稿した一般書籍『 キュレーターになる! - アートを世に出す表現者』(フィルムアート社、2009)は、影山がフィルムアート社時代に手がけたもので、これが彼との初仕事でした。
世にないものを生み出す。目撃する。そしてそこで得た、必ずしも経済的な価値を伴わない知見を伝えたい。そんな思いがこのプロジェクトにもあります。
プロジェクトとクラウドファンディングの進めかた
アートプロジェクトそのものが、アーティストだけでなく様々な地域や要素と関わりながら行われているように、このプロジェクトもかなり複雑な進め方になるに違いありません。リターンもちょっと分かりにくいものが多いと思います。
そこで、クラウドファンディング中から、このプロジェクトは準備的に活動を開始します!
そしてこのアップデートページでは、クラウドファンディング自体の状況説明はもちろん、以下のようなコンテンツを掲載していきます。
・プロモーションを兼ねたトークイベントなどの告知、レポート
・本格的な取材活動はもちろん、ちょっとしたリサーチやイベントへの参加報告
・編集会議参加や取材同行など、参加型のリターンイベントに関する告知や報告
・これから見ることができるアートプロジェクトの情報(リターンの一部)など
また、ここだけで掲載しても広がりがかたよりますので、一部 noteにも記事をストックしていこうと考えています。EDIT LOCALなどの媒体にも一部取材記事をまとめていくという展開もあるかもしれません。
コレクターの皆様はもちろん、「このプロジェクト、面白いのかな?」と思っていただいた皆様も、まずはこちらの更新をお楽しみいただければ、それだけでも励みになります。
それではまず3ヶ月。そして取材に1年。本が完成するまでもう1年。どうぞよろしくお願いいたします!
EDIT LOCAL LABORATORY 橋本誠
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◯日本各地で行われているアートプロジェクトの10年の動きを伝える本を出版したい! https://motion-gallery.net/projects/editlocal_artbook/collectors
◯EDIT LOCAL LABORATORYについて http://edit-local.jp/labo/
◯EDIT LOCAL LABORATORY(有料会員)への登録はこちらから https://peatix.com/group/6889532
※会員はリターンの「編集に参加する」「リサーチ・取材に同行する」の一部へご参加いただけます
◯アートプロジェクトラボのみへの無料登録(承認制)はこちらから https://www.facebook.com/groups/1039981929545131/
◯アートプロジェクトラボおよび本クラウドファンディングに関するnoteマガジン https://note.mu/hashimon/m/m4921234c8792
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