「Designing Ours『自分たち事』のデザイン」出版イベント開催のご報告
vol. 8 2018-04-09 0
「Designing Ours『自分たち事』のデザイン」にご支援いただいた皆さまへ
2018年3月17日、「Desigining Ours 自分たち事のデザイン」出版記念イベント「渡辺保史と『自分たち事』をめぐって」を開催いたしました。当日は、年度末という時期にありながら、ご支援いただいた皆さまに足をお運びいただき、誠にありがとうございます。あわせて、開催ご報告のご連絡が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
イベントには、生前の渡辺さんのことを知る多様な方々を中心に、書籍のコンセプトに共鳴した若手デザイナーなど多様な人達が集まり、終始穏やかな空気感のなか、それぞれに渡辺さんにまつわる思い出や、情報デザインのこれからについてなど、様々な話題が話されました。
はじめに、出版世話人である上平崇仁から、どのようにこのプロジェクトがはじまったのか、立ち上げのきっかけやクラウドファンディングによる資金に関する報告が行われました。続いて、本書の編集を手掛けた、同じく出版世話人の江口晋太朗から、編集方針についての説明、続いて、デザインを担当した出版世話人の富田誠・真弓夫妻から、ブックデザインについての解説が行われました。
また、出版世話人の一人である永井由美子のファシリテーションにより、会場内にこれまでのインターネットの歴史と、渡辺さんのこれまでの人生と仕事紹介を主軸とした参加型の年表制作が行われ、多くの参加者がら、渡辺さんとの思い出の写真や記録、記事や資料、映像などを持ち寄り、また渡辺さんの出会いや交わした言葉などを年表に記録していくワークショップも実施。どの時期に渡辺さんと知り合ったのか、彼の残した言葉から琴線に触れた言葉などを参加者同士で共有しながら、これまで接点のなかった参加者同士が、渡辺さんをきっかけに出会い、会話する様子も生まれました。
イベント後半では、2つのトークイベントを開催。一本目の、渡辺さんと親交のあった西村佳哲さん(リビングワールド)と加藤文俊さん(慶応義塾大学SFC教授)による対談では、「いま、渡辺さんと話してみたいこと」と題し、西村さんからは中動態における「する」「される」の関係ではない互いののかかわり方について、加藤さんからは空間や時間軸の捉え方や、技術と人間の関係についてなど、多岐にわたる話題が話されました。人の根源的あり方、他者とのかかわり方をもとに、「自分たち事」へとつなげていくためのテーマについて大いに盛り上がりました。
二本目の対談では、矢野英樹さん(多摩美大情報デザイン学科准教授)と中村寛さん(多摩美大/ 文化人類学者)による「新しいデザインの教科書づくり」のプロジェクトの報告を交えながら、デザインが持つべきこれからの「自分たち事」の可能性とあり方について議論。従来の造形言語やメディア、プラットフォームにとどまらず、文化人類学的視点をもとに、人の行動や社会学的視点からデザインを捉え直す試みがなされているとのこと。これからの情報デザインのあり方と関連させながら、社会の変化に呼応しさせたデザインが見据えるべき領域について話がされました。
トークセッション後は、参加者同士による懇親会に。短い時間ながらも、お酒や軽食を交えながら、年表制作ワークショップとともに大いに語らう時間となりました。イベントにご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございます。
改めて、今回のクラウドファンディングのプロジェクトにご支援いただいた皆さま、誠にありがとうございます。御礼申し上げます。
その他、事務連絡
出版記念イベント終了後、製本された書籍を、ご支援いただいた皆さんそれぞれに郵送を行っており、3月末までにはお手元に届いていると思います。もし、まだ受け取られていない方がいらっしゃる場合は、クラウドファンディングのサイト内にご登録されたご住所を改めてご確認の上、事務局にてご連絡をお願いいたします。
また、書籍の感想やコメントなどは、ハッシュタグ[#designingours]をつけて投稿してください。書籍を読んだみなさまの感想やご意見を、この本を手にとった方々や周囲の方々らと「自分たち事」として共有できればと思っております。
書籍を受け取ったみなさんそれぞれが考える「自分たち事」を通して、新たな関係性と思考を紡いでいくこと、受け取った言葉や思考を個々人の現場で実践していくことを期待しています。
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