3/9「過去負う者」の前作「ある職場」上映のお知らせ
vol. 62 2024-03-07 0
同じチーム、同じ台本のないアプローチで挑んだ舩橋監督の前作が文京区で上映されます。
実際に起きたセクシャルハラスメント事件に基づき、その後日談として撮影されたフィクション。
「過去負う者」より辻井拓、平井早紀、伊藤恵、満園雄太、田口善央、藤村修アルーノル、峰あんりが出演しています。
今回は、上映後のディスカッションもしっかり企画したイベント。舩橋監督も参加されます。未見の方はぜひお越しください。
イベント詳細
https://www.bunkyo-danjo.jp/event.aspx?ID=314
●●●●●●●●作品紹介●●●●●●●●●
それぞれの善意、思惑、そして悪意―
ある職場の風景から見えてくる日本社会の歪み
わたしたちはどのように、その加害と向き合えばよいのか? ジェンダーギャップ、ハラスメント問題が日常的に取り沙汰される昨今。本作は、今後の日本社会への大いなる警鐘と言えるだろう。
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コメント
ドキュメンタリーかと思ったほど、迫真のリアリティに戦慄した。
セクハラという言葉の中に、屈辱や孤独や偏見や差別や無知がいっぱい詰まっている。
すべての人が絶対に見るべき映画。
桐野夏生|小説家
やはりモノクロームは落ちつくといった漠たる郷愁を超えたところで、
この黒白画面には映画の現在に触れる迫力が漲っている。必見である。
蓮實重彦|映画評論家
これが日本の共同体の活写なのかもしれない。
仲間が大事だ、信じることだ、僕が、私が守る、と取り憑かれたように繰り返される言葉の上滑りは、目を覆いたくなる。そんな少年漫画的な団結のイデオロギーに飲み込まれて、誰も本音や苦痛を言い出せず、船ごと沈んで行くのは、この国の共同体のお家芸だろう。こんな職場はいやだ。こんな職場がほとんどなのか? 私の職場も? 嘘でしょう? ものすごく嫌な汗が出る。
西川美和|映画監督
ハラスメント事件の多くは、被害者は声も上げられず、事件として扱われることもない。
周囲の「無関心」とともに葬られてしまう。このままでいいのか。
映画は、真正面からこんな疑問をつきつける。
望月衣塑子|ジャーナリスト
セクハラが横行する職場――共同体の文化を変える方法ははっきりしている。意思決定が可能な上層部に女性を増やせばいいだけのことだ。問題は答えが見えているそれがいつまでも実現する気配がないことにある。一体何が「変える」ことを許さないのか。この映画は不可視化され、固着した日本社会の「変わらなさ」の源泉を見事に描き出している。
津田大介|ジャーナリスト/メディア・アクティビスト