HACOを作る狛江という街について
vol. 4 2026-02-07 0
今日は〈HACO〉をオープンする狛江という街を少し紹介します。
東京都狛江市は、自転車で移動するば15分で街の端から端まで移動きてしまうぐらい小さな街です。世田谷区のすぐ隣にありながら、時間の流れが少しだけ緩やかな街です。新宿にも渋谷にも20分足らずで出られるけれど、この街にいると、なぜか急ぐ理由が見当たらなくなる。そんな不思議な余白があります。
東京の輪郭にそっと寄り添いながら、時間だけが少しやわらかく流れている場所かなと感じます。電車の音が遠ざかるにつれて、頭の中のざわめきも静まっていく。そんな感覚を、この街は当たり前のようにくれます。
多摩川へ向かう道には、季節の気配がはっきりと残っています。風の匂い、草の色、夕暮れの温度。土手には、誰かと話す人も、ひとりで空を眺める人もいて、それぞれが同じ時間を、違う仕方で過ごしています。何かをしなければならない空気はなく、ただ「ここにいる」ことが許されている風景です。
そんな街で、自分が代表を務めるcomaecolorでは、多摩川や駅前の由緒あるお寺で、いろんな人たちが交錯するフェスを2017年から開催してきました。そんなことも、この街に暮らす人の中に、静かに根付き始めています。
多摩川リバーサイドフェス「TAMARIBA2025」アフタームービー
狛江には、派手なランドマークはありません。
けれど、心に残る景色はたくさんあります。緑豊かな駅前の風景、行きつけの飲食店やコーヒースタンド、夜になると少し心細くなる駅前の灯り。特別ではないけれど、なぜか忘れられない風景が、暮らしの中に静かに積み重なっていきます。
人と人との距離も、この街はちょうどいい。
深く踏み込みすぎないけれど、確かに気配を感じている。名前を知らなくても、顔を見れば安心する。そんな関係性が、街の温度をつくっていると思います。
少しずつ、本と街の関わりを作り始めて5年。ようやく、この街で、本を並べる場所〈HACO〉というブックスタンドができることになりました。本は、読む人の時間や記憶をそっと受け止めてくれる存在です。声高に主張することなく、必要なときにだけ隣にある。その在り方は、この街の佇まいとよく似ています。
〈HACO〉は、大きなことを成し遂げる場所ではありません。
帰り道に少し寄り道をして、立ち止まって、ぼけっとする。
そんな時間を過ごせる場所にしたいなと思っています。
けれど、誰かが少し立ち止まり、考え、また日常へ戻っていくための小さな拠点。
もし、この街の空気や、そんな場所づくりに共感していただけたら。
〈HACO〉を、遠くからでも、そっと支えてもらえたら嬉しいです。
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