エディブル・スクールヤード堀口博子さん:どんな大人に育ってほしいですか?
vol. 12 2018-05-28 0
東京アーバンパーマカルチャーでツアーに行ったり、仲間たちが個人的に訪問する人の多い、アメリカ西海岸のEdible School Yard。60年代にUCバークレーの学生だったアリス・ウォータースさんがフランスに行き、鮮度の高い素材でシンプルな調理で作られるおいしさい食事に驚き、概念がガラッと変わります。
もともとリベラルな考え方があり、フリー・スピーチ・ムーブメントという活動に関わっていた彼女は、そのバークレーの仲間たちとレストランを開きます。
1970年代から、UCバークレーのすぐそばにあるレストラン「シェ・パニース」。
「イタリア料理、フランス料理というカテゴリーはあれど、アメリカ料理というものはない」と言われていた時代に、オーガニック・地元で育った旬の素材を使い、シンプルに調理し、暖かな雰囲気の中でいただく、というレストランの方針が大人気となり、「全米で最も予約の取れないレストラン」と呼ばれるようになります。
わたしもまだシェ・パニーズの予約を取れたことがなく、カフェでしか食べたことがないのですが、目が見開くほどおいしいです。
今ではシェ・パニースを卒業したたくさんのシェフの名レストランが世界中にあり、「カリフォルニア・キュイジーヌ」というジャンルを定着させました。
アリスは自身の活動を「Delicious Revolution / おいしい革命」と呼び、メディアは彼女を「オーガニックフード革命の母」と呼びます。
そんなアリスがお子さんを持ってから始めた活動が「エディブル・スクールヤード」。
学校の校庭に菜園を作り、教科を菜園の世話をしながら学ぶという新しい手法です。
アリスを応援してミシェル・オバマ大統領夫人がホワイトハウスの中に菜園を作ったくらい、全米の華やかな食育ムーブメントを引っ張っています。
野菜を育てることは、地球の自然の命の循環(サイクル)にのっとった科学であり、不測の事態に対応するレジリエンス(しなやかな強さ)を鍛える作業でもあるため、本来、教育と親和性は高いといえます。
アリスたちが開発した分厚くわかりやすい教材は、子どもたちに学んでほしい教育要項の内容を、より効率的に楽しくチームで、自然や様々な大人を通じて学べるようになっています。
そのため、子どもたちは楽しく、先生たちの負担は減り、学外の大人たちや学生たちがボランティアなどで参加できるチャンスも多く、子どもたちにオープンで多様な価値観をも伝えているようです。
そんな大成功しているエディブル・スクールヤード・ムーブメントを日本でもはじめたい!
と持ってきたのが堀口博子さん。
この大掛かりな作業を、先日動画を公開した小野寺愛ちゃんや鈴木栄里ちゃん、TUPのみんなが大好きなパーマカルチャリスト・フィル・キャッシュマンといった、愛とパッションと聡明さとユーモアあふれるたくさんの仲間たちとおこなっています。
博子さんが、その情熱を絶やさない秘密を知りたくて、どんな思いを子どもたちと未来に持っているのかインタビューしました。
最後の「荒野を歩いていて、道がふたつに分かれている時に・・・」のお話が最高です。
破顔の美しい笑顔や凜とした表情から、人柄が浮かび上がります。
お楽しみください!
フィルのこのトークは、パーマカルチャーを子どもに伝えるベストな動画と言われています。
仲間内では「あの、見た人がみんな泣いちゃうフィルの動画」で伝わります♡
動画の最後のトークから抜粋します。
生きてくために必要なものはなんですか?
We Are Family Forever(と、黒板に書く)。
人間はみんな家族、つながってるから。いつまでも僕らは大家族。
Water, Air, Food and Friend。
水と空気と食べ物と友達、この4つがあったら生きていける。
それをどうやって手に入れるかが、パーマカルチャー
エディブル・スクールヤード・ジャパン
http://www.edibleschoolyard-japan.org/
エディブル・スクールヤードムーブメントについては小野寺愛ちゃんのまとまった生き生きとして写真豊富な一連のレポートが強くおすすめです。
http://www.edibleschoolyard-japan.org/archives/138
(文責:藤井麗美)