最高に楽しい演劇をしよう(熊谷)
vol. 19 2020-05-26 0
こんにちは。熊谷です。
最近はメンバ―による日替わり更新で、自分がここに文章を書くのはちょびっとお久しぶりになります。
まず初めに。
ストレッチゴール
「208万円で関西公演実施」
達成しました!!!
本当に本当に心の底からありがとうございます。
月並みな言葉しか出てきませんが、
こうして皆様にご支援いただけることは喜びであり、自信でもあります。
「支援」という言葉は「支える」と「応援」が合わさっています。
沢山の方に支えられて応援されて、頼もしくて心強くて…!
みなさまの支援は、最強の元気の源です。
そう考えると、わたし達は普段から「支援」されてるんですね。
今回はクラウドファンディングという明確な「目標金額=数字」を打ち立てた支援プロジェクトですが、
いつもの公演だって、お客様の笑顔・笑い声・感想に支えられ、応援をいただいています。
毎回毎回、それらがわたし達の喜びで、自信になっています。
いつもアガリスクに元気をくれて、喜びをくれて、自信をくれて、
ありがとうございます。
***
この自粛期間中に、演劇や映像界は"ZOOM"を使ったコンテンツ作りに勤しんできました。
そしてそれは予想以上の成功を収めているように思えます。
デジタルツールを介したコミュニケーションが必要に迫られた今、言わばデジタル身体とでも言うものの必要性を多少は感じています。
自分たちも『かげきはたちのいるところ』パイロット版で発表したり、
『12人の優しい日本人 を読む会』を観て感激したり、
オンライン演劇の可能性を感じています。
それでもやっぱり。
演劇がしたいです……。
三井寿ばりに気持ちが溢れてしまいそうです。
この期間中、「演劇って何なんだ」という事がずっと問われ続けています。
わたしの思う演劇は、俳優と観客が同じ空間を共有し、そのどちらを欠いても成り立たないものです。
観客がいるから俳優という存在であり、俳優がいるから観客であるという、
相互にその存在を確立しあっている関係性です。
そして二者は絶えず影響し合い、そこに生まれるのが劇空間だと思います。
オンライン演劇は、演じる者と観る者をインターネットで繋いでいる、
非常に現代的なコンテンツだと思います。
そしてそれは、ある意味で先に挙げた演劇の定義に当てはまります。
観客と俳優はインターネットという「仮想空間」を共有して繋がっているからです。
たしかにインターネットは不便なものを省略してくれる。
距離とか、時間とか。
とっても効率的。
でも生きることってすごく面倒で、疲れて、摩耗する、もっと非効率的なものなんです。
演劇だって、おもしろいものを作るためには手間をかけなきゃいけなくて、とっても面倒くさくて非効率的です。
インターネットは便利で楽だからこそ、大切なものが薄まってしまうような気がします。
ZOOMを使って稽古や本番を重ねるこの日々は、これはこれで大変で手間のかかることなのである意味で満ち足りているけど、その分寂しさも募っています。
オンライン演劇はお客さんの笑い声が聞こえない。
息の音が聞こえないし、涙も見えないかもしれない。
人間同士が一緒にいるからこその負荷や興奮を観客のみなさんと一緒に創り上げ、体験する。
そんなアナログで面倒なあの演劇を、やりたい。
***
昨日、緊急事態宣言が解除されました。
スポーツや演劇などのイベントも、無観客だったり人数の制約がある中で開催ができるようです。
それでも開催したりしなかったり、まだまだ苦しい状況は続きます。
とにかく、ちょっとずつ状況がよくなることを祈るばかりです。
そして、劇場に集まる人も増えていって、
いつかは以前のようにパンパンの客席で割れるような笑い声を聞きたいな。
この耳で。
今はまだ堪えるぞという気持ちですが、
『かげきはたちのいるところ』が2021年の春に予定通り公演を行って、
さらに念願の関西公演もできることになって、
これまでアガリスクを応援してくれた人も、新たに出会う人も、みんなみんな、たくさんの人を笑顔にする。
そのビジョンを今、ハッキリと信じています。
驚くほど沢山の方にこれだけ多くのご支援をいただいてるのだから、
弱気な態度でいたくない。
1年間お待たせする分、盛大に楽しんでもらおうじゃないか。
ユメで見たあの場所に立つ日まで 削れて減りながら進む あくまでも
スピッツ「夢追い虫」(詞:草野正宗)
この3ヶ月で崖っぷちに追いやられたけど、演劇は退かない。
最高に楽しい延期&演劇をしよう。
熊谷有芳