わたしたちの今と、クラファンのリターンについて
vol. 11 2024-09-13 0
こんにちは。
暮らしを紡ぐ宿えのん中村龍太郎・千穂です。
たいへんご無沙汰してしまっている方も多いかと思いますが、みなさまお元気でしょうか?
今回はひとつの区切りとして、この文章を書いています。
■この4年半のこと
さて、暮らしを紡ぐ宿えのんは現在無期限休業中とさせていただいております。
2019年9月にオープンしてから約半年後の2020年4月より、新型コロナウイルスが猛威を振るう未曾有の状況があったこと。それと同時に、2020年4月に第1子が生まれ、2022年5月には第2子が生まれたこと。
そんな嬉しい理由と悲しい理由が合わさって、取り急ぎハッピーな方を取って「育児休業」という呼び方で宿を一時休業しようと決めてから、もう4年半近くの歳月が経ってしまいました。
4年半という時間は、「いつ再開するの?」「また遊びに行くよ」と楽しみに待ち望んでくださっていた声も、いつしか「もう再開しないの?」「無理しなくてもいいと思うよ」というなぐさめの声に変わっていくのに十分な長さで、わたしたちとしても頭の片隅ではずっとえのんのことを思い浮かべては日々の忙しさに流されていく毎日でした。
もともとゲストハウスという形態は、旅人や地域の人などさまざまな方が出会い・交流し・再会する中で多様な価値観が行き交う素晴らしい場所だと思っています。そしてもしそんな中で自分のこどもが、親以外の生き方・暮らし方を見ながら育っていったらなんて素敵だろうと、子どもが生まれる前までは考えていました。
でも実際にこどもが生まれ、小さい子を育ててみるとそれは想像を絶する大変さで、地元も離れいつでも頼れる親族も近くにいないわたしたちにとっては、2人のこどもを抱えて宿の運営まで行うのはちょっと難しいということに気づきました。
もちろん世の中には、子育てと宿運営を両立している人がいることも知っています。ヘルパーやアルバイト、スタッフを雇うという方法なり、こどもが一緒に住んでいることを前提にした宿のあり方なり、わたしたちも色々と考えはしました。
ただ、人を雇うにもそこまで売り上げが見込める段階・地域でもないこと。また宿・バーの性質上どうしても夜・週末が中心となる営業時間と、夕方からが1日で最も忙しい子育てでいかにスムーズに食事・風呂・寝かしつけまで持って行って体調を整えるかという親心では、どうしても後者を優先しがちになってしまいました。
現在こどもは4歳と2歳になりました。少しずつ子育てが落ち着いてきたとはいえ、小学校に入るくらいまではまだまだ手がかかるでしょう。だからもし再開するとしてもそのくらい先になるかもしれないし、宿の運営方法も全然変えないといけないかもしれないし、もしかしたら自宅とは別に分けたほうがいいのかもとも考えたり。
そうこうしているうちに時間ばかりが過ぎながら、みなさまに何も発信しないで心配をおかけし続けることも申し訳なく思い、ここで一度ひとつの区切りをつけようと考えました。
えのんはまだまだ休業を続けます。今後どうするかも未定です。
ただ、クラウドファンディングで支援してくださった方にリターンを返せていない(使用するチャンスがない)ことがずっと気がかりでした。
なのでまずは未回収のリターンに対し、別のリターンをお返しさせていただこうと思っております。
■いまの暮らしについて
その前に、「えのんを休業しているのに、どうやって生活しているのだろう?」と心配されることもあるのですが、わたしたちは実はえのんを休業している間に別のことも始めました。「夜・週末」の宿・バー営業に変わり、「昼・平日」にできる仕事を作ろうと考えました。それならこどもを保育園に預けている間にできますからね。
それが夫婦デザインユニット「nating DESIGN」と、「暮らしの荒物屋めぐる」の2つです。
○「nating DESIGN」は、千穂がイラストを描き、龍太郎がデザイン全般を行う仕事をしています。今はこれが主な収入源となっています。
https://natingdesign.myportfolio.com/
○「暮らしの荒物屋めぐる」は、龍太郎が阿武町の竹細工に出会ったことをきっかけに、竹細工の制作・販売・体験をしたり、他にも自然素材からつくられた手仕事の暮らしの道具を集めたセレクトショップのようなお店です。
子育ての都合もあり、毎週月曜日しか開けていない(開けられない)というお店なのですが、オープンして1年が過ぎ、少しずつ広がりを見せて楽しい活動になってきました。
https://aramonya-meguru.studio.site/
また千穂はもともとやっていた看護師に加え、保健師という資格も持っていました。まちの健康を守ることが保健師さんの仕事ですが、第1子を授かった際に町の保健師さんと出会ったことをきっかけにその仕事の魅力に触れ、いまでは自分も母子保健担当の保健師としても働いています。
いろいろ新しいことをはじめたり、いきあたりばったりに見えることもあるかもしれませんが、わたしたちとしてはえのんを作るときに決めた「縁が繋がり、恩が循環する」という軸はブレずに共通しているつもりです。
お世話になった町の人たちや友人が、何かを企画したりつくったりするときに具現化するお手伝いとしてデザインをする。竹細工を教えてくれる先生・一緒にやっている仲間たちの、作品や活動の素晴らしさを微力ながら伝えるためにお店をはじめる。保健師さんに出会って助けられたありがたみを胸に、赤ちゃんを出産・育児するお母さんやこどもたちの健やかさを見守る。
すべては同じ想い、恩返し・恩送りなのです。
そんなこんなで、こどもたちの成長にあわせて、その都度暮らしの形を変えながら、なんとか楽しく生きている状況です。
■リターンについて
近況報告が長くなり過ぎましたが、えのんのクラファンに支援してくださった方々に、この「めぐる」の活動を通して別のリターンをお返ししようと考えております。
まだリターンを全く未使用の方や一部のみ使用された方については、こちらで記録しておりますので、その金額や内容に応じてささやかに別リターンを送付させていただきます。
またステッカーやTシャツなどすでにお返ししている方々、宿泊券やドリンク券などすでに使用いただいた方に対してもお礼のお手紙などはあらためて送付させていただこうと思います。
内容としましては、今めぐるで制作を検討しているオリジナル手ぬぐいや、龍太郎が製作する竹の鍋敷き、人気商品である作家さんの型染ふろしきなどを考えています。
こちらについてはまた内容が決まり次第お知らせしたいと思います。
できれば2024年中に送付できればと考えていますので、クラファンを行った2019年6月以降に住所が変わられた方は、別途お送りするメールにて新住所を教えていただけますと幸いです。
メール自体が届いているかも確認したいので、可能であれば住所が変わっていない方も「住所変わってないよ!」だけでもよいので返信をいただけますと大変ありがたいです。
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たいへん長文となりましたが、また何かの機会にみなさまにお会いできることを願っています。あのときクラウドファンディングでみなさんに支援いただいたからこそ、いまのわたしたちの暮らしがあります。本当にありがとうございました。
今後ともお付き合いいただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
中村龍太郎・千穂・こどもたちより
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