「生々流転」に描かなかったもの
vol. 8 2025-06-30 0
こちらはリトアニアの個展にも持っていく着物作品「生々流転」の下絵です。
下絵では、中央の人物が飛んできたミサイルを捕まえている様に描きましたが、着物にする時にはそうしませんでした。
「暴力の否定」というこの作品のテーマを表すために、武器をモチーフとして描くことは、相対的に「弱い」人を作品から遠ざけてしまうように思ったからです。
生まれながらの特性、または生きていく上で培った特性から、暴力を含んだ出来事にできるだけ関心を払わず、今は日々を精一杯懸命に回すしかない人のことを、「弱い」人と仮定してみます。それに対して、暴力に立ち向かったり、意見することができる相対的に「強い」人がいると思います。
この作品は、日常を維持することに懸命な「弱い」人々にも届けたいと思いながら、何を描き、何を描かないかを決めていきました。
なお、クラウドファンディングは本日6/30で受付終了となりました。ご支援、本当にありがとうございました。次回はリトアニアからお届けいたします。
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