ニューヨークで見た作品
vol. 4 2025-06-11 0
大学院1年生だった2014年の夏休み、『ニューヨークアートツアー』なる旅に参加しました。
ニューヨーク在住の日本人アーティストが案内役となり、私を含む美大生8人で美術館やギャラリー、アーティストのスタジオを巡る6日間。
先日、その旅のスクラップブックをめくっていて、NEW MUSEUMという美術館を訪れた時の写真を見つけました。
ミニチュア模型のような「カランディア 2087」(作:Wafa Hourani)という作品。作品の背景やテーマは当時理解していませんでしたが、何か強いメッセージがあることは感じて、シャッターを切ったのだと思います。
”カランディア”という名称は、作者が住むパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区にあるチェックポイント(検問所)に由来するそうです。
2008〜2009年にかけて作られたこの作品は、1987年の第一次インティファーダ(投石などを主体とした民衆の抵抗によるパレスチナ解放運動)から100年後のカランディアを表しています。
ミニチュアの風景にどことなく可愛らしさと温かみを感じる一方、屋根と壁と簡素な窓だけで出来た家が隣接する風景は、人間的に生きるためのギリギリの暮らしにも見えます。
ほとんど忘れてしまっていても、何年も後に思い出す作品があります。
リトアニアの滞在を通して、またそうした作品に出会えることを願っています。
↓おまけ(ニューヨークアートツアー3日目の日記から)