短編映画の始まりと終わり。
vol. 31 2020-11-28 0
映画に限らず、物語全般は、一つの物事が始まって、終わります。
当たり前の事を書いてしまいました。
男女が出会って、恋をして、喧嘩もしたけど結婚しましたとか、
ゾンビが出ました、全部のゾンビを倒しましたとか、
部活でなかなか勝てなかったけど、大会で優勝しましたとか。
分かりやすく書くとこんな感じでしょうか。
どこを始まりとして、どこを終わりとするかによりますが、私はどうも、登場人物たちがそれまでの生きてきた時間があって、そしてこれからどう生きていくかを選択する瞬間、というものに惹かれるようです。
なので、登場人物が何かを選択したら終わります。
その一歩を踏み出す瞬間が尊いと感じます。
この映画でも、その瞬間を収めようと努力しました。
それまで経てきた時間、これからどうなっていくのか、というのは、短編なので全部は描けないので所々にちりばめてはいますが、そこを想像するのも短編映画の楽しみかと思います。
また、これは僕の考えなのですが、描かれていないものを想像する時に、人は自分の経験に添った想像をするのではないかと思います。
すると、その物語がスクリーンの中の出来事でしかなかったものが、自分のもののように感じる瞬間があると、一気に感情が押し寄せ、作品に引き込まれる…のではと。
「短編映画というのは、省略の美学」という言葉を人生で初めてグランプリをいただいた映画祭で、尊敬する映画監督の方からいただきました。
その省略した部分を、観て下さった皆さまがそれぞれご自身の中で補完してくださって、この映画は完成するのではないかと思います。
どうか、この映画の完成にお力添えをお願い致します。