「巨大な理不尽と、さらにそれが隠される二重の理不尽について」
vol. 1 2023-10-07 0
こんにちはburidii50 production committee代表の猪股東吾です。
クラウドファンディング開始から一週間、すでに80名にご支援いただきました。
心からお礼を申し上げます。おかげさまで急上昇プロジェクトとしてこのプラットフォームのトップに掲載されました。
ただ、データ的に見るとそれでもまだ目標達成への合格ラインには達していないそうで、戦々恐々とする日々です。(一般的に成功するCFは最初の一週で30%に到達すると言われていますが、こちらはまだ25%)まるで選挙に出ているような気分です。
クラウドファンディングを開始してすぐに、西村ひろゆき氏が辺野古を訪れて1年の日があり、
そして、デニー県知事の辺野古「承認」の勧告期限が来てしまいました。
デニー県知事や県庁職員個人に数百億円の損害賠償を匂わせて「承認」を迫る政府の異常な圧力が明るみに出たと思います。
ただ、民主主義国家の根幹を覆すようなこんな事実も、私や沖縄県内2紙が報じただけで、
「本土」メディアではまだほとんど取り上げられていません。巨大な理不尽があり、さらにそれが隠されてしまうという二重の理不尽を感じました。
そして、この二重の理不尽こそが私がこの映画を作らなければならない理由だとあらためて考えています。今回の「承認」にまつわる国からの圧力についても、深く取材してこの映画のなかで掘り下げていこうと決めました。
また、重要な話ですが「承認」に対するデニー知事の回答は、実は「承認」でも「不承認」でもありませんでした。
「期限内に回答することが困難。国への対話を求める」という会見内容で、これは記者からもわかりづらいなどと言われていましたが、実はものすごく高度な回答だと思います。
承認を拒否すれば、デニー知事や県職員個人が数百億円の損害賠償を背負わされる恐れがあったのです。ですから、承認も拒否もしないことで、デニー知事は沖縄県民の民意を通しながら、同時に損害賠償のリスクも回避したのです。絶妙なバランス感覚です。
これはとても高度な政治判断で私は驚きました。
デニー知事の会見は、巨大な国家権力に対して、小さな自治体ができる、非常に賢い身のこなしであると思いました。
あえて答えを出さないことで衝突や対立に回避する。それは1972年、日中国交正常化の際に、尖閣諸島について棚上げ合意をした政治家たちのしたたかさを思わせました。
両国間の対立の火種にあえて触れないという合意形成を作る。この姿勢こそ、今の日本の政治家にも周辺諸国の政治家にも必要な、戦争を回避するための外交力であるはずなのです。
ただ一方で、沖縄県知事にだけこんなに高度な判断を背負わせている現状に途方もない申し訳なさも感じました。堪えきれず、涙が出ました。
(まして辺野古賛成の自民党沖縄県連の議員たちについても、われわれ「本土」の無理解が賛成を背負わせてると言えるのです。)
デニー知事の背負っているもの、沖縄県民が背負ってきたものを少しでも自分も背負いたいと思います。今回のような複雑な現実をひとつひとつ紐解きながら解説し、感情的にも制度的にも、沖縄の負担を軽減していくこと、そのきっかけを作ることもこの映画の重要なテーマだと考えています。
引き続き協力をよろしくお願いします。
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