北米パーマカルチャーツアー レポート~前篇~
vol. 11 2014-09-24 0
こんにちは!今回の本「都会からはじまる新しい生き方のデザイン/URBAN PERMACULTURE GUIDE」の編集をしている近藤ヒデノリといいます。先日、東京アーバンパーマカルチャー(TUP)主催の北米パーマカルチャーツアーから帰ってきたので、早速、ツアーレポートを本の内容とあわせて紹介します!
僕自身、去年の今頃までは「パーマカルチャーって?聞いたことはあるけど…」という程度だったのですが、ワークショップでソーヤー海くんに出会ってから、パーマカルチャーをより深く知りたくなって今年から本の編集に参加。ぐんぐんとその魅力に惹かれ、今回のツアーは本で紹介している内容を実際に体験するのが目的でした。
<今回のツア—に参加した7歳から67歳までのバックグラウンドも多様で愉快なメンバーたち。パーマカルチャーファームを始めたブロックス兄弟とゆりこさんたちと一緒に>
ブロックスパーマカルチャーファーム
まずは、ツアー前半の目的地であるシアトルの北にあるオーカス島、パーマカルチャーファームへ。30年ほど前にブロックス三兄弟が始めたこのファームには、毎年様々な国から研修生が滞在しており、ソーヤー海くんもパーマカルチャーを学んだ場所。今回の本では「EDIBLE(食べられるもの)」の章で紹介してますが、ここはまさに自然の楽園。至るところにプラムやラズベリー、リンゴ、イチジクなどが実り、散歩しながら食べ放題。そして、果樹の下を見れば、アヒルやニワトリが畑を耕している。手作りのサウナの温風が温室内をあたため、屋根から落ちる雨水の下には果樹が……自然の摂理をベースに様々な関係をデザインするパーマカルチャーを思いきり体感しました。
<ブロックスパーマカルチャーファームでの昼食は自然の恵みをみんなで調理>
ここではすべてがDIY。ソーラーオーディオからはiphoneの音楽がガンガン流れ、夕日を見ながら絶景ソーラーシャワー、鹿の解体も自分たちで。家も工夫を自然の力を上手く生かしたDIY。この本も、背景にある重要なテーマは受けとるだけの「消費者」から、自分の生活をつくる「創造者」へシフトすること。「DIY」の章ではその実践アイデアを紹介しています。
ブロックスで感じたもう一つの大きなことは、自然からの「GIFT 」の偉大さ。人間が自然に内包される存在であるということ。効率性や合理性、分業を重視する資本主義社会で自然から切り離され、忘れられてきた生活の原点がここにあるという気がしました。日々、自然から大きなギフトを感じているから、そこにいる人にも自然とギフトの心が生まれる。だから、みんなとても優しい。今回の本でも「GIFT」の章で、ギフト精神をベースにしたギフトエコノミーを紹介しています。
~後編はポートランドからのレポートです~
近藤ヒデノリ
1971年東京生まれ。1994年博報堂入社後、ニューヨーク大学大学院/国際写真センター(ICP)を経て9.11直前に帰国。近年はクリエイティブディレクターとして「いろはす」「ヤフオク」「TOKYO ART MONTH」などソーシャル・カルチャー系の広告を制作するほか、個人として「東京発、未来を面白くする100人」を掲げたWebマガジン「TOKYO SOURCE」編集長、アーティストとめぐる体験ツア—企画「cultra」、湯を通じた対話をテーマとした「湯道」他、雑誌や書籍の編集、イベントなど草の根でカルチャーを盛り上げる活動を行っている。この冬に引っ越し予定の「アートと環境」をテーマにしたシェアハウス/秘密基地のKYODO HOUSEにワクワク中。旅ととサッカーとハンモック好き。