映画「少女邂逅」ができるまで⑥〜ちょっと見せちゃうsp〜
vol. 9 2017-06-15 0
こんばんは 監督の枝です。
みなさん、突然ですが
「邂逅(かいこう)」の意味、ご存知ですか?
「偶然にして巡り会う」という意味です。
枝組ではよく「このメンバーで邂逅できてよかったよね」なんて言いますが
本当に私もそう思います。
現場を通して大変辛い時間をスタッフキャストは過ごしているのですが
こんな言葉を聞けて心から嬉しいと思っていますが
最近スタッフキャストから頻繁にラインがきます。
「枝さん!!今から邂逅しよ!邂逅!!!(※訳:飲もう)」
使い方違うし。
なんで今から偶然にして巡り会うんだし。
やめて。なんかいい感じに飲みの材料にするの、やめて。
・・・そんな感じで皆仲良くやっております。
私が編集で行き詰っていると飲みに連れて行ってくれるので皆本当に優しいです。
今は皆で今後どうやってこの映画を知ってもらおうかと考えています。
なんか面白いこと、できたらいいな。
クラファンしてくださってる皆さん、ほとんどお会いしたことがないですが
勝手に一緒に映画を作ってるスタッフのような気持ちで
ここでお話しちゃってる自分がいます。(笑)
皆で作っていけたらいいな。色々企画考えてます。
さて、今日は「少女邂逅」をちょっと見せちゃおうと思います。
・・というのもこの映画について宣伝しながら、
スタッフキャスト皆思ってると思いますが
「本編について全然触れてない」
いや、実は公開してる情報
本編の20パーセントにも満たない情報なんです。
「百合ものですか?」
って質問受けるんですが、全然違います。
いじめをきっかけに声が出なくなった小原ミユリ(17)
自己主張もできず、リストカットをする勇気もない。そんなミユリの唯一の友達は、山の中で拾った蚕(かいこ)。ミユリは蚕に「紬(ツ ムギ)」と名付け、こっそり大切に飼っていた。
ー「君は、私が困っていたら助けてくれるよね、ツムギ」
いつだって願っていた。いつか誰かがやってきて、この窮屈で息が詰まるような現実から救い出してくれる、と。しかしある日、いじめっ子の清水に蚕の存在がバレ、捨てられてしまう。ミユリは生きる希望を失ってしまう。
そんなときに少女が転校してくる。彼女の名前は「富田紬(とみたつむぎ)」 ひょっとしたら彼女は…ミユリは淡い期待を抱くのだったが…。
というあらすじ。
まあポップではないんですよね。
そんな感じで現場写真を今日から少しずつ公開していっちゃおうと思います。
初日の保紫萌香
撮影 秋山大峰
これ、大切なシーンの一つで。
なぜ、彼女がこんなにボロボロなのか。
それは本編を見てから。。
次は映画のキーになってくる
「蚕」というワード。
撮影 秋山大峰
これが一体どうなって行くのか。
はっきりいうと
「少女邂逅」は決してのほほん可愛い女の子がふわふわ映画ではないです。
生きていく価値を見出せなかった女の子が
一人の少女と出会い
自分という存在について初めて見つめだす
そんな映画です。
これは、私自身の実体験に基づいて作った映画であり
現場は、私も自分自身と向き合う大変な時間でした。
自分をえぐって考えないといけないことが多く
言葉にするとそれが実感を持って襲ってきたり
その当時の感覚を相手に伝えることに大変な労力を使っていたような記憶があります。
俳優たちを演出していると、目の前にいるのは俳優部なのに
それが当時のどうしようもなく孤独で助けのいなかった幼い自分に見えて
どんどん辛くなってきて、モニターを直視するのもしんどい
自分を必要以上に追い込みすぎたこともあった気がします。
そういう時に、スタッフや俳優部にとても支えられました。
ありがとう。
何度か言っていますが、言葉にできない10代の理由なき衝動があると思います。
それを言葉にして、意味を求め、形にしようとすると
その瞬間、そこに存在していた感覚は死んでいく 気がします。
現場中なんども、言葉にして死んだ感覚があって
これはうまくやらないと全て死んでしまうなと焦ったことがありました。
鮮度を保ちながら役者にバトンを渡すことの難しさ。
10代の頃は、全部がガラスのように透けていて、それでいて脆い。
触れたら怪我をしそうで、冷たい
あの頃の一瞬の迷いとか悩みとか怒りとか
そういうのを皆でわあわあ悩みながら作った映画です。
ー 君と私 これからもずっと 一番の友達。
撮影 枝優花
さ、どんな映画になるんでしょうか。
これからどんどん情報公開していきますね。
お楽しみに。