120年前の創業者からのメッセージ
vol. 7 2026-05-05 0
こんにちは、側島製罐の石川です。
ゴールデンウィークの時期ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。毎回同じことを言っていて恐縮ですが本当のことなので、みなさまにいただいたシェアやおすすめ、本当に大きな励みになっております!応援のお陰で本プロジェクトは186人の方にご参加いただいて、進捗は94%に到達しました!本当にありがとうございます。
今回は、社史の制作にあたって会社の歴史を調べ続けて、創業者の言葉に辿り着いた時のことをお話させてください。
側島製罐では、元々は創業者の顔写真すら残されていませんでした。昔の資料は第二次世界大戦の空襲で焼失してしまったらしく、長年下請けのビジネスモデルであったこともあり、自社で作った成果物や製品すらも残されていることもありませんでした。そのため、僕が親から事業を承継した時は、ただ「缶を作っている現場」があるだけで、家業についても「100年以上缶を作り続けてきた会社」という程度の認識しかありませんでした。
でも、缶を作り続け、戦火や災害、不況を耐え抜いて100年以上生き残ってくることができたのは、その時代ごとに会社を必死に支えてくれた先人たちの努力があったからこそです。なぜ、そこまでしてこの事業を残そうとしてきたのか。そうした先人たちの恩恵に預かっているにも関わらず、会社の歴史を何も知らないまま事業を承継して経営していくことに対して、僕自身どうしても納得感がありませんでした。
そんな中で、120周年という機会がやってきたので、その歴史を探究するために国会図書館に籠って資料を漁ったり、昔製品を納めていた場所に赴いて話を聞きにいったり、明治大正時代の営業の葉書やカタログを発掘したり、この数年は自社の歴史を紐解くことに執心していました。全国あちこち聞いて回ったりした成果もあって、断片的ながら昔の人たちが残してくれたものに触れることができたのですが、何よりも嬉しかったのは創業者の言葉が一言だけ見つかったことでした。
「商人は信用が財産」
誰もがごく当たり前と感じるような、普遍的な一言かもしれません。けれど、世界中でただ僕にとっては、これ以上なく意味のあるものでした。120年前に創業者が確かに存在したんです。その人が残してくれた想いが事業の礎となって今も繋がっていたんです。そう思うと、まるで120年前の創業者に一瞬だけ会って一言交わしたような気分でした。創業者の言葉などは全くない中で僕らが改めて掲げた言葉は「宝物を託される人になろう」というものだったのですが、一切の手がかりなくその言葉に辿り着けたことの背景には、人が変わっても事業が変遷しても120年間変わらず大事にして受け継がれ続けてきたことがあるからなのだと、感謝の念に堪えきれませんでした。
日本に300万社以上ある中小企業のうちの、たった一社が歴史を振り返ったところで何が面白いのか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。けど、そんなことは全然なくて、まずは僕らのようなアトツギ自身が自社の歴史の重さや意味を知りそこに敬意を払うこと、すべてはそこから始まるのだと、僕は強く思っています。目先の出来事ばかりに視線を向けるのではなく、蓄積された膨大な歴史の上に自分が立っていることを知る。そうすることで初めて、僕らは遠い歴史の背後から、さらにその先の未来をしっかりと見通すことができるのではないでしょうか。今回の社史制作を通じて、そんなメッセージも世の中に伝えられたらと思っています。
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側島製罐120周年社史書籍プロジェクト。
缶を愛する人に届ける、120年つくってきた缶のこと。
https://motion-gallery.net/projects/SOBAJIMAcanCOMPANY-120th
側島製罐株式会社
代表取締役 石川貴也
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