【アンチ感動ポルノ】障害と健常のあいだを描く
ドキュメンタリー『ラプソディオブ colors』完成・公開をご支援ください。

この映画をご支援していただいている皆様。

こんにちは、監督の佐藤です。
私の仕事場兼住居のある東京吉祥寺も冷たい雨が降り、明け方など掃き出し窓から冷気が入り込み思わずガスストーブを点けたくなります。
しかし忘れてならないのは先般の洪水被害で未だに落ち着けずにいる人たちのことでしょう。もしかすると、この映画をご支援頂いている方のなかにも被災された方がいらっしゃるかもしれません。１日も早い安定と安寧を心よりお祈り申し上げます。

さて、クラウドファンディングを終えて1ヶ月。
最初のリターン配信の日となりました。その内容といえば時々更新する「アップデート」と大差ないことをご了承ください。

●編集作業の進捗状況について
６月に取りかかりました素材整理と粗編集はようやく６割がた、というところでしょうか。どこまでが粗編集でどこからが本編集とは分かちがたいのですが、一応最後まで繋げてみたところで粗編集終了としてもそこからまたシーンカット、入れ替え、再構成、尺調整などの作業があります。
このところ編集作業が少しずつ加速しているとは言え、全体としてはやはり少し遅れ気味で年内の完成は難しいかもしれないなぁ、という感じです。
しかし、その手応えは日々増してきています。
先日も二日間かけて、ある登場人物の長いインタビューを編集していました。テレビ的に割り切るならばもっと短くできるし簡単でもあるのですが、そうはしたくない。映画には無意味な部分・余白のようなものが必要だと私は考えるからです。結果、当初思ったよりもわかりやすくも複雑で、そのひとの「人となり」が出た面白いシーンになったと思っています。
また、映画の中でかなり大きなウェイトを占めるはずのオープンマイクのライブシーン。計5回のライブを撮影していますが、この編集はやっていてとても楽しい。プロ/アマ、上手/下手に関わらず、また観ている人々も含めて総てが魅力的で、どこをどう選ぶのかが悩みどころ。プレビューしていて思わず涙が零れてしまうという、【アンチ感動ポルノ】に反した事態（笑）も起きています。

ここ数日で映画のラストとなるシークエンス（いくつかのシーンがまとまった「章」のようなもの）が少し具体的に見えてきました。当然ながら、最初から着地点を探ってはいます。しかしそれはとても漠然としていて、また候補範囲もかなり広い。北の森林から南の海辺まで。それを絞り込むにはやはり距離と時間が必要だったようです。これには私のベスト５に入るあるヨーロッパ映画のイメージが参考になりましたが、まだまだ試行錯誤が続くことでしょう。
いずれにせよ、編集作業は映画づくりの肝。撮った素材を活かすも殺すも編集次第です。苦しいけれども、作家にとっては愉楽の時間でもあります。

さて、どういう映画になるのかは完成してからのお楽しみ。どうかご期待ください！

●配給について
基本的に、配給業者さんに作品を選ぶ権利があって、完成した作品しか観てくれません。
ですので、まだ配給については手付かずです。前作でのお付き合いから「次のも上映しますよ！」と言って下さっている劇場や上映団体さんもありますが、結局は作品の【出来】次第でしょう。
ちなみに作品の尺（長さ）は、漠然とですが2時間を切れるかどうかという気がしています。
配給さんからも一部の観客の方からも「2時間を切ってなるべく短く！」とはよく言われるのですが、作品にはその内容に見合った尺があるので無闇に短くする事には僕は反対です。
退屈な映画は70分でも耐えられないし、2時間がアッという間、というものもあります。
要は（観る人にとって）、それが面白いかどうかでしょう。

●関係者暫定試写会について
完成版となる前に、つまり粗編集が終わった段階で、出演者の皆さんを対象とした試写会開催を考えております。
ドキュメンタリーである以上、撮影されたものがどんな風に使われるかは私の一存だけで決められるものではなく、写っている人の了承が必要だと思うからです。
見て頂いて、納得していただき、出演承諾書を頂いた上で完成版にする予定でおります。
詳しくはまた追ってご連絡しますが、時期はおそらく年末か年明けくらいではないかと思います。

最近、ある映画祭である作品の、主催者による上映自粛や中止のニュースが流れました。それには当然、製作者が反発の声を上げました。「作り手は誰でも偉い」などとは思いませんが、映画は本来自由なものです。様々な表現があって良い。
映画は生活必需品ではありません。ある映画がなくとも（製作者は別にして）誰も生活には困らない。でも、だからこそ尊重されるべきだと思います。
映画は作られていく過程で、あるときから社会的なものになります。
この映画も、そうなることを願って。

さて、本日皆様のご支援金がプロダクションの口座に振り込まれているはずです。
その大切なお金を飲み代などには１円たりとも使わないことをここに宣言いたします！
（アタリマエのことですが、かつて某監督が某映画のためにクラウドファンディングで集めた資金を使い込んでしまい、リターンも滞って大問題になったことがありました。自分への戒めです）

○スチール写真
本来はスチールマンが現場で撮ったスチール写真を使うのですが、我が現場にはスチールマンは存在せず、本編から切り出した画像を使います。
その本編もまだ編集途中。
そこで今回はいくつかの撮影風景と編集作業の遍歴とも言える机上の写真を送らせていただきます。どうか、ご容赦ください！