特典の発送について
vol. 17 2017-12-07 0
こんにちは。先月末に冊子『pukapukaな時間』が完成し、予定にはなかったのですが、みなさまへのお礼に特典といっしょに送ろうと、いろいろ準備をしていて時間がかかってしまいました。明日あたりから順次発送できそうなので、どうぞ楽しみにしていてください。『pukapukaな時間』は、こんな感じです。
冊子『pukapukaな時間』ができあがりました。
ぷかぷかが創り出したほっこりあたたかで、豊かな時間がぎっしり詰まっています。障がいのある人といっしょに生きる中で生まれた時間です。私たちだけでは絶対に作り出せなかった時間です。ここにこそ、彼らといっしょに生きる理由があります。彼らといっしょに生きることの意味がこの小さな冊子から見えてきます。
何かにつけ息苦しい今の社会にあっては、こんな時間こそ必要だと思います。こんな時間は、社会を豊かにします。
私たちの社会は、あのおぞましい相模原障害者殺傷事件を引き起こしました。「pukapukaな時間」は事件に対してどういう意味を持つのかを少し考えてみます。
事件の犯人は「障害者はいない方がいい」「障害者は不幸しか生まない」などといいました。これは犯人の特異性から生まれた言葉なのでしょうか。「障害者はなんとなくいや」「障害者とはおつきあいしたくない」「障害者は社会のお荷物」「社会の負担」「効率が落ちる」「何考えているのかわからない」「怖い」といった言葉は社会全般を覆っています。障害者を見る目線の根っこでは、ですから犯人とつながっているのだと思います。一線を越えるかどうかの差だけです。だとすれば、あの忌まわしい事件は私たちみんなが自分の問題として引き受ける必要があります。私たちの社会が引き起こした事件として。
様々な角度から事件は語られました。でも、社会は何も変わりません。いくら立派なことを語っても、言葉だけでは社会は変わらないのです。
ではどうしたらいいのか。ぷかぷかがやってきたのは、否定的に見られている障がいのある人たちと、肯定的な関係を作ることでした。そしてその関係からたくさんの新しいものを生み出してきました。
たとえば、
・いない方がいいと言われた障害者と、いた方がいいと思える関係を作る。
・不幸しか生まないと言われた障害者と、幸福感を共有できる関係を作る。
・なんとなくいやと思われている障害者のことを、好きといえる関係を作る。
・おつきあいしたくないと思われている障害者と、おつきあいしたくなるような関係を作る。
・お荷物と言われている障害者と、お荷物どころか、いないと困る関係を作る。
・社会の負担と思われている障害者と、負担どころか社会を豊かにする関係を作る。
・効率が落ちると思われている障害者と、彼らがいることでみんなが生き生きとして、場が活性化するような関係を作る。
・何考えているかわからないのなら、お互いわかり合える関係を作る。
・なんとなく怖いのではなく、ちゃんと相手のことがよくわかる関係を作る。
そういった関係をぷかぷかは事件のはるか前から丁寧に作ってきました。お店、パン教室、演劇ワークショップ、アートワークショップなど、様々な機会で障がいのある人たちに向かって「あなたが必要」「あなたにいて欲しい」と思える関係を作ってきました。その関係が豊かな世界を生み出しました。
『pukapukaな時間』はそれをビジュアルに表現したものです。ぷかぷかがやろうとしてきたこと、やってきたことが、この小さな冊子に詰め込まれています。
こういう豊かな時間を作り続けること。それが相模原障害者殺傷事件を超える社会を作っていくのだと思います。
「pukapukaな時間」は、その気になれば「ぷかぷか」に限らず、どこでも創り出すことができます。そういう思いを込めて、この冊子には外部の方の作品も入れました。日本のあちこちで「pukapukaな時間」がぽこぽこ生まれてくれば、社会は変わります。