HIRON様 (ex. AMADEUS)より応援メッセージを頂きました!
vol. 5 2015-01-12 0
Lacroix Despheres「オーケストラとコラボ!」プロジェクトに寄せて
HIRON (ex. AMADEUS)
Lacroix Despheresはクラシックを基調として、プログレ、ハードロック、ミュージカル、ポップス、あらゆる音楽性を融合させた奥行きの深い楽曲に、中世の戯曲を彷彿とさせる歌詞、さらには歌劇を意識した装いを伴って、独特の総合表現空間を作り出してきました。
これを担う各メンバーの技量の高さ、実験的な試みをしていく姿勢が非常に魅力なグループです。
彼らの企画力、行動力、チャレンジ精神にはいつも感嘆させられます。
今までも様々な企画をおこなってきた彼らですが、今回はなんとオーケストラとのコラボレーションを企画しているということで、本当に驚きました。
その資金調達法もクラウドファンディングという、初めて耳にする斬新な手法。
そのような試みに挑戦するグループが出てきたことは本当にすばらしいことで、心からのエールを送ります!
オーケストラの収録現場は秒刻みと言えるほど過酷な現場。限られた時間のなかで成功させるには、パート譜の見やすさ、的確な指示、コミュニケーション能力、ロスを徹底的に排除する合理性、修正部分を聴き分ける耳、果ては瞬時に取捨選択する妥結能力など、総合的な対応能力が問われます。これらはリーダー翔さんの仕事になるのですが、まさに神経をすり減らす仕事なのです。
最もおそろしいのがトラブルによる時間延長。オーケストラ収録は規模が大きい為、ちょっとした時間延長でも、スタジオ使用料や大勢のプレイヤーのギャランティ増加による大変な損失を被るという現実があります。
私自身、20年前にフルオケ現場で、極度のストレスで吐きそうになりながら作業した悪夢のような思い出があります。映像と同期するタイム情報をプログラミングしたMacintosh LC575が不調で動作せず、途方に暮れてしまったことがあったのです。
必死の対応でなんとか遅れを取り戻し、無事に終了したときの喜びは昨日のことのように忘れられません。
このときの喜びは達成感より何よりも、当時1時間あたり400万円と言われていた損失を出さずに済んだ喜びでした。
このようにオーケストラはたくさんの人が関わる為に莫大な費用がかかる反面、できあがってくるものは素晴らしく、通常のバンドサウンドとはスケール感が圧倒的に違います。
Lacroix Despheresはフルオケとのコラボにより確実に別次元のものに昇華されます。
リーダーの翔さんがイメージしている本当の音楽が現出されるということです。
ぜひともフルオケのLacroix Despheresを聴いてみたいものです。それが可能になるのは600万円ということで大変なことなのですが、彼らはここに自分たちの目指すところを高らかに宣言し、音楽界のあり方そのものを問う姿勢を打ち出しました。
大いなる目標に向かって確実に一歩を踏み出した彼らを心から応援します!
HIRON (ex. AMADEUS)
1990年代ビジュアルシーンで、After Image、AMADEUSのキーボーディストとして活動。
故篠原敬介氏のもとで劇伴音楽などの作編曲業務に携わる。