梅雨明け
vol. 302 2021-07-16 0
アップデート全員公開の日。
関東地方もようやく梅雨明けだそうだ。
多忙のトオルさんと昼過ぎに電話で話をする。
音楽制作日程が固まらないとポストプロダクションのスケジュールが固まらない。
編集が終わった映像にそのまま音楽をあてるだけなら色はもう可能なのだけれど。
やはり音楽をあててから更にもう一度、音のタイミングに合わせたり微調整をしたい。
映画における音楽の持つ力を僕は嫌という程思い知っている。
それを思えば、まかせっきりのような無責任なことはしたくない。
舞台の時もセブンの時もそうだけれど。
僕は劇伴が届いたら必ず感想を送るようにしている。
曲を創るのも孤独な作業だと思う。
その曲が届いてなんのリアクションもなければ自分に置き換えたら悲しくなる。
たった一言でも感じたことを必ず送るべきだと思っている。
今回は特に僕の監督作品なのだからより強くそう感じている。
そして感想だけではなくて、更にその楽曲からイメージを膨らませることまでしたい。
それを思えば音楽製作の納品日からその後の調整日まで確定しないとスケジュールを決められなかった。
〆切ありきで進めることだって出来ないわけじゃないだろうけどそれだけは避けたかった。
〆切はあるけれど、やはり作品至上主義で進めるべきだと思っていた。
楽曲製作のスケジュールが見えてきた事でポスプロのスケジューリングが可能になった。
カラーグレーディング、MA、字幕製作と連絡をしていく。
それぞれのスケジュールの調整が出来て初めて完成日が見えてくる。
それが見えてから初号試写について考えることになるだろう。
国内外映画祭へのエントリーもそこからになる。
ポスプロのスケジュールが確定していくと良いのだけれど。
各連絡をして少し晴れ晴れとした気分になる。
何よりもスケジュールが霧の中であることがずっとつらかった。
暫定でスケジュールを組みそうに何度もなったけど思いとどまった。
〆切優先になってしまうことだけは避けたかったから。
ようやくその先が見えてきたのだ。
霧が晴れてきた。
もちろんまだスケジュールは未定のままだ。
グレーディングだってMAだって埋まっているかもしれない。
それによっては出したくても出せない映画祭も出てくるかもしれない。
試写会だって大幅に遅れる可能性はある。
映画自体は何一つ変わっていない。
それでも一歩は一歩だ。
まぎれもなく前進してる。
出先でも映像を確認できる準備をした。
これでいつでも映像の確認ができる。
スマートフォンでもタブレットでも可能になる。
梅雨明けの日。
今年も暑い夏になりそうだ。
小野寺隆一