一つ目のロケ候補地
vol. 155 2021-02-19 0
週に一度の全員公開の日に進展がないのも厳しいなぁと思っていた。
夕方に一本の電話。
一つ目のロケ候補地についての連絡がギリギリで飛び込んできた。
希望しているスケジュールに空いていて、予算内でなんとかいけそうな場所。
もちろん、決定ではない。
予定していたシーンでここだと出来ないシーンもある。
もちろん脚本は修正が出来るのだから問題ないのだけれど。
それにしても、下見がまず必要になることは間違いない。
明日にも下見が出来ないか直接の連絡をする。
二つ目のロケ候補地も当たってくれているし、あまり固い頭ではいけないだろう。
まず自分の目で確かめることが何よりも大事だ。
まだ未定とはいえ大きな進展だ。
昭和とは言え、時代劇とも言えるから細かい部分で予算がかかる。
ロケ地をまず確保しないと色々と決められないことが多い。
どうしても気が逸ってしまう。
セブンガールズではロケ地探しが一番苦労した。
なにせ、登場人物が多いから地方に移動となると予算の確保が難しく感じていた。
移動費、宿泊費を考えれば、人数が多いということ自体が足枷になる。
今回、有利だなと思うのはスタッフさんとキャストだけで宿泊も出来ることだ。
ロケ候補地の第一弾は、なんと古民家でそのままそこに宿泊も可能だという。
だとすれば移動の時間がかからないことになるから色々と有利になってくる。
食事も自炊が可能だということだ。
ある意味、合宿のような撮影になるということだ。
前回だってそれをしたかったのだけれど、人数的に厳しかった。
都心部で通える場所で格安でバラックを建てられる場所を探すという難題だった。
でも今回は宿泊にしてしまえばいい。
メインとなるキャストとスタッフさんが泊まりで人によっては来てもらえる絶妙な場所。
ロケ予算で美術予算なども決まってくる。
それを思えば、どうしても確定したくなる。
時々、プロデューサー兼監督というケースがあるけれどどうしているだろう。
撮影したいものを何よりも優先させるべきだと思う。
妥協はせず、工夫が出来るかどうかだ。
逆を言えば脚本に工夫をこらすことが出来るだけ自由度が高いとも言える。
なるべく早い段階で下見に行けたらなと思うけれど。
このコロナ禍でどういう状況だろうなぁというのは懸念材料。
とりあえず今は、下見も控えて欲しいという可能性もあるだろう。
十分に注意をすれば問題ないという可能性もあるだろう。
お話を聞いていただけるのだから、充分に気を付けなくちゃいけない。
ロケ第二候補地もあるのだと頭に入れつつ。
前向きに下見に行かないとだ。
お世話になった土地土地に映画は恩返しできるだろうか。
聖地巡礼なんて言って、映画を好きになってくれた人が立ち寄ってくれたりする。
そう思えば、完成させるだけではなくて良い作品として展開することを目指さないといかん。
そういう形でたくさんの映画が観光地を紹介してきた。
決定したその瞬間から慌ただしくなるだろう。
どんどん動き始めるだろう。
脚本の第四稿にも手を付け始めることになる。
ワクワクしてきた。
クリエイティブな時間はもう近い。
小野寺隆一