『サンデーちゃんの夢』(一二三日本語教室)
vol. 5 2014-02-04 0
この連載では、2013年7月に行ったカンボジアでの上映会の様子を、ツアーに参加したメンバーの上村が綴っていきます。
この写真、どこだと思いますか?
男心を素直に出して言うなら、「ダンジョン」です。
宝箱とか置いてありそうな・・・
門番なんかもいて・・・
でもここ、実は、
日本語教室なんです。
日本人の鬼一二三先生が運営する「一二三日本語教室」。
これはツアーガイド育成講座の様子。
修了生から、次回この講座を取ろうか考えている学生さんに対して、学びの成果を披露するプレゼンテーションが行われていました。
ガルーダの物語、
地雷の話、
カンボジアの伝統療法・・・
様々なトピックを修了生たちは各々日本語で一生懸命発表していました。
本当にガイドさんみたい!
2013年7月の移動映画館ツアーの1校目は、この一二三日本語教室さんでした。
まずはスクリーンの設置。
(落っこちないように・・・)
そしてプロジェクターのセッティング。
この旅一回目の上映ということで、苦戦して準備に1時間ほどかかってしまいました・・・
汗だくです。
そしていよいよ、『ハルのふえ(クメール語吹き替えver.)』の上映が始まります。
お茶目なキャラクター達を観て、笑顔がはじけます。
一二三日本語教室さんでの上映会で、とても印象深いワンシーンがあります。
上映開始前から機材を触ろうとしたり歩き回ったり・・・
ちょっとワンパクな少年がいました。
主人公のパルが笛を吹くシーンを観て、彼・・・
子どもの素直な感性に感動しました。
「本物の笛を吹いてみたい!」
そんな風に思っていてくれてたらいいな〜と・・・
子ども達がどっぷり映画の世界に入り込む姿を、代表の教来石はじっと見つめていました。
彼女は、この絵を観たくていつも奮闘しているのでしょう。
その想いについては、僕らのプロジェクトページの一番下に綴られているので、ぜひ読んでみてください。
ここで、この学校に通う一人の女の子のお話をさせてください。
サンデーちゃんです。
日本語はかなり上手。
上映会後、彼女の夢をインタビューさせていただきました。
まっすぐな瞳で彼女が語る夢・・・
「勉強して、自分が経験してきたことを、貧しい人たちに分けたいのです。」
「国際協力」は大切ですが、その国を良くしていくのは、究極的にはやはりその国の人たちだと思っています。
僕はアフリカの学校給食支援の活動も続けてきた身ですが、その現地で感じたのも同じことでした。
給食を食べて、学校に通って、立派になった彼らこそが、あの大地に渦巻いていた様々な問題を解消していくのだと・・・
「人々を成功させるために、先生になりたい!」
「病気の人を助けるために、お医者さんになりたい!」
「僕は大統領になりたい!」
こんなに素敵な想いを持って、可能性に満ち溢れている人たちが現地にいます。
彼女ら・彼らこそが、自分の国の道を切り開いていくのだと。
だからこそ、その人たちの可能性を切り開くお手伝いが、映画の力でできたら・・・
それは素敵なことだと思うのです。
上映会後、サンデーちゃんはfacebookにこんな投稿をしていました。
私は今日、「ハルのふえ」という日本のアニメを観ました。とても面白い映画でした。私自身、私が「やりたい」と思うことを、生きているうちに実現したい。その想いを、この映画はとても強くしてくれました。
私達が暮らしているこの世界はとても大きく、私の夢も大きくなっていく。人生はとても素晴らしい。
『ハルのふえ』がサンデーちゃんの素敵な夢の後押しになれたことを、天国のやなせたかしさんも喜んでいてくれますように。
・・・
ここでこの記事を締めたらかっこいいのでしょうが、最後にどうしても載せたい写真があります。
代表に怒られるかもしれませんが・・・どん!
上映会終了後、教来石代表&石川共同創設者共倒れの図。
一度の上映会に、これくらいパワーを使うのです(笑)
それでも、サンデーちゃんのような素敵なストーリーがもっとたくさん生まれるために、私達は次の上映地に向かいます。
次回、『出稼ぎの村、少年の涙』(はちどり小学校)〈前編〉をお送りします。
過去の記事
■第一回:『サンデーちゃんの夢』(一二三日本語教室)
■第二回:『出稼ぎの村、少年の涙』(はちどり小学校)〈前編〉
■第三回:『出稼ぎの村、少年の涙』(はちどり小学校)〈後編〉
■第四回:『子どもの夢は、親の夢』(イキイキスクール)
■最終回:『夢は「仕事」、職業は「知らない」』(スロラニュ小学校)