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沖縄で闘牛に挑む少女達と、それを導く女性のドキュメンタリー「角に咲く花」の応援をクラウドファンディングで実現!
沖縄・石垣島。男の儀式とされた闘牛の世界で、日本初の女性組合長・上地かおりさんは、二人の姉妹に牛の育て方と闘い方を教えている。少女達は自ら育てた牛で大人の男性に挑む。女性の手で切り拓く、新たな闘牛の世界がそこにあった。
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Kowatanda films(コワタンダ・フィルムズ)は2016年にアンシュル・チョウハンと茂木美那によって設立される。これまでに長編映画3作を完成させ、国内外様々な映画祭にて受賞、劇場公開を果たしている。4作目となる最新作となるLGBTQ+をテーマにした映画『Tiger』は、2026年劇場公開予定。 Kowatanda Films is a multiple award-winning film production house based in Tokyo. Kowatanda インIn: https://www.instagram.com/kowatanda.films
沖縄・石垣島。男の儀式とされた闘牛の世界で、日本初の女性組合長・上地かおりさんは、二人の姉妹に牛の育て方と闘い方を教えている。少女達は自ら育てた牛で大人の男性に挑む。女性の手で切り拓く、新たな闘牛の世界がそこにあった。
iPhone13で撮影したデモ動画
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二人の少女が牛にまたがり、旧盆の夜に照明を浴びながら闘牛の訓練をしている姿を想像してみてください。まるで夢物語のようですが、実際にある姿なのです。
都会では、便利さと快適さを追い求めた生活が当たり前になっています。街はコンクリートで覆われ、スマホに釘付けの人たちや、ゲームに熱中する子供たち。それとは対照的に、石垣島では今も違うリズムが息づいています。黒島牧場では、生活自体はとてもシンプル。すべては泥にまみれたり、牛や闘牛場、そして年に一度の旧盆の夜に行われる闘牛大会へ向けた、静かで長い準備の時間で成り立っています。
離島の石垣島で行われる「 八重山闘牛」は、単なるスポーツではありません。それは、誇りと規律、そして地域の絆に根ざした神聖な伝統なのです。西洋の闘牛が人間と牛の対決であるのに対し、八重山の闘牛にはこの要素が一切ありません。二頭の牛が、意志と力を試し合う、儀式的で穏やかな戦いです。剣も、血も、マタドールの赤いマントも存在しない。この文化は「牛相撲(うしずもう)」とも呼ばれ、牛同士が対峙する形式で、「勢子(せこ)」と呼ばれる調教師がリングの外から声をかけてサポートします。牛の角はあらかじめ削られ、安全のため一方が優勢になり過ぎるとすぐに試合は止められます。
今では他の地域にも広まりましたが、石垣島は特に「夜の闘牛」で知られています。照明に照らされた日本一小さい八重山闘牛場の中で、牛たちは角を交えるのです。そこで繰り広げられるのは、力と精神の粘り強い試練。数分で終わる試合もあれば、1時間以上に及ぶこともあります。勝者は傷つけた者ではなく、「踏みとどまった者」です。
牛には一頭につき一人の勢子が付き添い、常にそばで見守って声をかけながら支えます。静かに、しかし確かに牛を導くその姿は、戦いのもう一人の主役です。
この厳しくも美しい伝統は、半世紀以上にわたって、伝説的な黒島家のような家系によって受け継がれてきました。その中心にいたのが、八重山闘牛界のカリスマ的存在、故 黒島 孫全(くろしま そんぜん)さん。彼の情熱は、この闘牛文化の核を形作ったと言っても過言ではありません。その遺志を継いだのが、彼の末娘である、上地かおり(うえち かおり)さんです。2017年、かおりさんは日本で初めて女性として闘牛組合の組合長に就任。八重山闘牛組合の歴史に、そして日本の闘牛界に新たなページを刻みました。
故 黒島 孫全氏 と 沖縄全島一横綱 八重山酋長(やえやましゅうちょう)
かおりさんが闘牛の道に入ったのは2010年、父親である孫全さんが亡くなった年のこと。当時は日本トランスオーシャン航空でグランドスタッフとして働いていましたが、その仕事を辞め、牛と牧場の生活にすべてを捧げる決意をしました。それ以来、黒島牧場を切り盛りして闘牛を育て、日々の訓練に励んでいます。その姿は、静かで力強く、揺るぎないもの。
そして2023年3月、彼女の物語は思いがけない展開を迎えます。島に新たな駐屯地が開設され、かおりさんの牧場のすぐ隣に會田(あいた)一家が引っ越してきたのです。宮城県から派遣された父親の 巧(たくみ)さん、母親の沙梨(さり)さん、そして娘で12歳の陽咲(ひなた)ちゃんと8歳の悠埜(はるの)ちゃん。何気ないご近所付き合いから始まった関係は、やがて少女たちが牛に魅了されるのとともに、特別なものへと変化していきました。
毎日、学校が終わると陽咲ちゃんと悠埜ちゃんは牧場へ走って向かい、自分たちの牛「 ラッキーパンダ四男坊」と「はるモジ」の世話をします。体を洗って餌をあげ、小屋の掃除をして訓練する。すべて、かおりさんが見守る中で行われます。二人の母親 沙梨さんも一緒に手伝い、父親の巧さんも仕事から帰ると牛の散歩に同行し、家族全員で闘牛に向き合っています。
少女たちにとって、牛は家族そのもの。週に何度も訓練を行い、食事管理にも気を配り、試合に向けて精神面も体力面も準備をします。かおりさんは、そんな陽咲ちゃんと悠埜ちゃんの中に、闘牛の未来を見据えているのです。
ここでは、近隣の島々から引き取った高齢の引退牛たちにも、尊厳ある最期の居場所を提供しており、先週亡くなった「ダルメシアン」という名の牛も、この静かで平和な環境で息を引き取ったうちの一頭です。
(左)試合前の真剣な様子の陽咲ちゃんと悠埜ちゃん(右)闘牛場に入る前に清めの塩をまく陽咲ちゃん
私は、2016年から日本で映画を作り続けていますが、気づけばもう9年が経とうとしています。もともとはCGアニメーターとして来日し、2019年まではCG業界で働いていました。『 ファイナルファンタジーXIV』に携わっていた頃、自分自身の物語を映画として語りたいという強い思いが芽生えたのです。2016年から2019年の間、普段はアニメーターとして働きながら、2本の長編映画を完成させました。そしてコロナが到来し、私はアニメーターの仕事を辞め、映画監督として生きていく決心をしたのです。
アンシュル監督と映画『赦し』
これまでに私が手がけた作品は『 東京不穏詩(とうきょうふおんし)』、『コントラ』、『赦し』、そして最新作『TIGER』の4作です。これまではすべてフィクション映画でしたが、いつも題材選びに強いこだわりを持っています。日本の主流映画ではあまり描かれない、人や場所、物語に強く惹かれるのです。外国人として日本に暮らし、映画を撮る中で、常に「外側」にいる存在だと感じています。ただ、その距離感があるからこそ、見えるものがあるのだと思います。
たとえば『 コントラ』では、第二次世界大戦の傷跡を、父と娘の超現実的な絆を通して描きました。最新作のLGBTQ+をテーマにした映画『TIGER』では、年を重ねていくゲイ男性たちの心の深い部分に迫っています。常に周縁にある声を拾い上げ、そこにスポットライトをあてることを目指してきました。
ドキュメンタリーという形式には以前から強い敬意を持っていたため、単なる挑戦するだけの目的では手を出す気になりませんでした。求めていたのは、稀で生々しく、そしてリアルな物語だったからです。正直、ホストクラブや引きこもり、ヤクザといった表面的な日本っぽさを繰り返す外国人監督にはなりたくなかったというのもあります。ドキュメンタリーという形式は、AIやアルゴリズムでは置き換えることのできない、最後の人間らしい映画表現の一つだと信じています。合成された物語が溢れる未来の中で、ドキュメンタリーは真実と感情を映す、かけがえのない形式であり続けるはずです。
今回の物語に出会えたのは偶然の出来事からでした。3年ほど前から、日本と台湾の共同製作映画を企画していた関係で、石垣島を何度も訪れていたのですが、2023年に石垣駐屯地が開設した直後、再び現地を訪れました。その時にちょうど、闘牛の伝統について調べ始めていたこともあり、黒島牧場を訪問したのですが、そこで二人の少女が牛の世話をしながら訓練するという、信じられない光景を目にしたのです。
その瞬間、その場に立ち尽くしました。 これは絶対に追わなければならない物語だと直感したのです。さらに心を打たれたのは、個人的な共鳴でした。陽咲ちゃんと悠埜ちゃん姉妹は、新しく建てられた自衛隊員用の官舎に家族で住んでおり、父親は現役の自衛官です。実は私の父親も軍隊に従事してたので牧場の近くに住んでいたことがあり、7歳の時に牛と一緒に過ごした日々を今でも鮮明に覚えています。この少女たちの姿の中に、かつての自分を重ねました。牛や土地との距離感、リズムや集中力、そのすべてが私の心の奥深くに響いたのです。
その後、私は上地かおりさんと少女たち、そして母親の沙梨さんとLINEや電話で連絡を取り合い、少しずつ信頼関係を築いていきました。2025年6月に再び島を訪れた際に、3日間だけiPhoneでテスト撮影も行いました。子どもたちや地域の人が、カメラにどう反応するかを確かめたかったのです。短い滞在ではありましたが、これは本物の物語になると確信しました。そこで、本格的にドキュメンタリー制作へと踏み出すことを決めたのです。2026年春まで、上地さんと少女たちの日常を追い続けます。今では私たちは家族のような関係になっていて、こんな風に私を信じてくれたこと、生活の中に迎え入れてくれたこと、そしてカメラを向けることを許してくれたことに深く感謝しています。
黒島牧場の皆さんと橋本靖子さん、アンシュル監督
2026年3月まで、長期に渡り彼女たちを追うことになるので、この撮影は一筋縄ではいかないと思います。お姉ちゃんの陽咲ちゃんは、小学校の卒業式の日に、自分の牛「ラッキーパンダ四男坊」に乗って登校すると宣言してくれました。その瞬間までが、この物語のゴールです。 牛たちだけでなく、少女たちの学校生活、家庭、地域社会、そして他の牧場との関係や地域の政治的背景まで、すべてを見つめていくつもりです。
一般的なドキュメンタリー映画の制作では、長い開発期間を経て企画書を書き、フィルムマーケットや助成金への応募を行うのが一般的です。この過程を踏むと2〜3年かかるのが通常ですが、私たちにはその時間がありません。旧盆の闘牛大会は数ヶ月後に迫っており、それは少女たちの物語の中でも最も重要な瞬間の一つです。 今この時を逃せば、彼女たちのかけがえのない成長の記録が失われてしまいます。
この理由から、2025年8月より撮影を開始します。本作では、牧場での日常生活、少女たちの学校生活、上地かおりさんの闘牛および組合での活動、そしてラッキーパンダ四男坊を大会に向けて育てていく過程を丁寧に追っていきます。9月5日に予定されている大会までは、牛の清めの儀式や塩や泡盛で体をこする伝統的なお清め、供物や地域の夕食会や島の音楽演奏、そして試合当日の入場儀式など、すべての過程を記録します。当日の夜、陽咲ちゃんの牛は開始戦に登場し、8試合のうち最年少の出場者として土俵に上がる予定です。
(左)写真左に映るのがラッキーパンダ四男坊(右)試合に負けて涙を流しながら退場する姉の陽咲ちゃん
(左)闘牛場の掃除をする妹の悠埜ちゃん(右)はるモジの訓練をする悠埜ちゃん
また、石垣島の他の牧場も取材対象とし、日々の取り組みや競争関係、そして地域全体に根ざした競い合いの精神も描いていきます。同時に、少女たちの家族、特に自衛官として新たに設置された基地に勤務する父親の生活にも焦点を当てます。自衛隊官舎での家庭内の様子や、世代・文化の違いから生まれる静かな緊張感を見つめながら、家族全体の背景にも光を当てていきたいと思っています。
たとえ、彼女たちが旧盆の大会で負けたとしても、物語はそこで終わりません。撮影はその後も続き、冬から2026年の春にかけて、彼女たちの心の動きや訓練、そして再挑戦への道のりを見届けます。この物語の結末は、2026年3月、陽咲ちゃんが小学校を卒業するその日に訪れます。その日、彼女は「 自分の牛に乗って登校する」と約束してくれました。その瞬間こそが、この映画のすべてを象徴する出来事となるでしょう。
2026年3月の最終撮影が終わった後、私たちはすべての映像を確認し、必要であれば追加の撮影を行います。もし物語が十分に描かれていると判断できれば、編集とポストプロダクションに移ります。この編集作業には、6〜8ヶ月、あるいはそれ以上の時間がかかると見込まれます。本作は約1年間にわたる観察型ドキュメンタリーであるため、編集には高い集中力と、感情の流れを丁寧に紡ぐ繊細な作業が求められます。人物を軸にしたこの作品には、敬意と慎重なアプローチが欠かせないため、現状2027年春の完成を目標としています。
長期的な目標として、コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭、Hot Docsカナディアン国際ドキュメンタリー映画祭、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭やベルリン国際映画祭、サンダンス映画祭など、主要な国際ドキュメンタリー映画祭でのプレミア上映を目指しています。これは非常に高い目標ですが、その舞台にふさわしい、感情の深み・誠実さ・アーティスト性をもって、丁寧に臨むつもりです。最終的には、日本全国の劇場でも公開し、石垣島の風景とこの小さな家族が体現する「強さ・絆・動物への愛情」に触れてもらいたいと考えています。
これまで制作した作品の上映&受賞した映画祭での一コマ
私たちの過去の作品は既に世界の主要な映画祭で選ばれ、多くの賞を受賞してきました。今回のプロジェクトも賞や評価のためではなく、この小さくも力強い物語を、世界へ届けるために挑戦していきます。このドキュメンタリーは、単に闘牛という伝統を映すだけではありません。それは、日本の地方に息づく思いやりや自然とのつながり、静かな持久力といった価値観を描く、文化的に意義ある作品になると信じています。
そして このプロジェクトは、ただの映画ではないのです。これは一つの覚悟であり、静かに誠実に、そして丁寧に物語が自然と幕を閉じるその日まで、心をこめて制作していきます。
私は元々、日本トランスオーシャン航空(JTA)で17年間働いていました。当時、父はこの牧場を切り盛りしながら牛の訓練もして、大会で何度も優勝をしていたレジェンド的存在でした。それもあって、私は子供たちと一緒にここに訪れるのが日常になっていたのですが、私が37歳のときに父が他界しました。
牧場は末の兄が継ぎましたが、彼は人付き合いが苦手で控えめな性格でした。そんな彼を支えたいと思ったんです。父のようにはなれないかもしれないけれど、少なくとも父が築いたものを守りたいと思い、牛や畜産について何も知らないまま仕事を辞める決意をしました。
それが15年ほど前のことです。それから私は八重山牛の飼育と、闘牛組合と闘牛場の運営にすべてを注いできました。多くの牛が優秀な成績を残してくれましたが、数年前から私の考え方に変化が生まれ、八重山の各地で見捨てられたり年老いた牛たちを引き取り始めました。牧場をただの訓練所ではなく、引退した牛たちが帰ってきて穏やかに暮らせる場所にしたいと思い始めたんです。
その後、兄が脳卒中で倒れて福岡の施設に入ったことで、男性社会の中で、終わりのない仕事を一人でこなす日々が始まりました。大会の企画からポスター作成、牛の世話や訓練まで、すべて自分でこなしていたんです。兄に支えられていた日々を思い出しては、孤独を感じる時もありました。
そんなある日、自衛隊の家族が牧場を訪ねてきました。最初は気軽な見学のつもりだったようですが、やがて深い関係へと変わっていきました。一番最初に見学に来てくれた時、娘さんの一人が「この牛は食べるため?」と聞いてきました。「いいえ、これは闘う牛なんだよ。」と私は説明し、春の大会に招待しました。すると家族で見に来てくれて、目を見張るような体験になったようです。それから毎週牧場に通ってくれるようになり、牛や他の動物たちとも強い絆を築いていきました。やがてご両親も関わるようになり、食事を共にすることも増えました。昨年、その子たちが初めて自分の牛を購入し、本格的に闘牛の世界へと足を踏み入れたんです。
その頃、私の私生活にも大きな出来事がありました。2025年5月、長年一緒に過ごしてきた老牛・ダルメシアンが息を引き取った日の夜、自宅に帰ると、夫からの離婚届が布団の上に置かれていました。悲しみに包まれた一日が、さらに深い痛みに変わりました。
ダルメシアンに最後のお別れをする子供たち
今は、ほとんど一人で暮らしています。夜は兄の家で寝泊まりしていますが、日中のほとんどは牧場で過ごしています。これが、私の第二の人生です。これからも牛たちと共に生き、彼らの世話をし、子どもたちにもその大切さを伝えていきたいと思っています。 牛たちは私の生きがいであり、生活のリズム、そして家族です。私はそのすべてを誇りに思っています。
2025年3月にアンシュル監督が牧場を訪ねてくれた時、この場所の本当の姿を伝えたいと話してくれたことがきっかけで、一緒にこのドキュメンタリーを作ることを決めました。ここでの暮らしと闘牛の現実を、丁寧に伝えていきたいと思っています。アンシュル監督は子どもたちともすぐ打ち解けて、今では家族のような存在です。私たちは、彼をこの小さな世界に迎え入れられて、とても嬉しく思っています。
茂木 美那 / プロデューサー
私たちKowatanda Filmsが、4作目の長編映画を作り終えて強く感じたこと。それは、オリジナリティこそがすべての原点だということです。アイデアというものは、じっと待っていても自然に降ってくるものではありません。常にアンテナを張って、日々の中で拾い集めてしまっておく。それがある瞬間、ふとつながり扉が開く。アンシュル監督が素晴らしいのは、まさにこの物語の種を日常の中に見出し、丁寧に育てていける人であるということ。そして、タイミングが来れば、それらを惜しみなく放ち、形にしていく。彼の創作は、まるで整理された無数の引き出しを次々に開けていくような感覚です。
また Kowatandaは、毎回新しい挑戦に取り組むことを大切にしています。きっと、型にはまらずにいたいという気持ちと、少し飛び抜けた好奇心のせいなのだと思います。でも、だからこそ、どんなに挑戦的な企画でも心が躍るのです。
今回のドキュメンタリー映画は、まさに私たちにとって未開の地でした。いつかは挑戦したいと思っていたジャンル。ただ、海外から注目され始め、数多くの作品が生まれる日本で、まだ誰も見たことのない場所や文化に出会うのは簡単ではありませんでした。そんな時、別作品のロケハン中に八重山闘牛とそれを運営する上地かおりさんや、それに関わる女性たちに出会ったのです。牛と人、伝統と現代、そしてそのすべてを支える女性や少女たち。その姿はあまりにも魅力的で、気づけばこのドキュメンタリー企画が始まっていました。未知の文化やルールばかりで、驚きの連続でしたが、それと同時に強く惹かれていきました。
私たちが伝えたいのは、八重山闘牛という伝統文化そのものだけではありません。その中で力強く生き、活動している女性たちの姿です。変わりゆく時代の中でも、失われずに残っているもの、そして進化しながら受け継がれていくもの。それらが、映像を通じて少しでも皆さんに伝わればと願っています。
Kowatandaはこれからもオリジナリティに溢れた物語を大切にしながら、想像を超える作品づくりを目指していきます。この新たな挑戦を、どうか一緒に見届けていただけたら嬉しいです。
橋本 靖子 / 共同プロデューサー & 石垣島コーディネーター
インド系YouTuberの動画で知って衝撃を受けた。 監督初の長編映画を観た。映像がとにかく美しすぎて、重めの内容とのギャップが、私を更に監督の世界に引き込んだ。その監督が、ここ石垣島で長編映画を撮りたいと来てくれた。ロケハンをしながら、最後に訪れた黒島牧場で、全てが変わった。長編映画を撮る前にドキュメンタリー映画を撮ることになったのだ。
準備をすすめながら、被写体となる牧場主のかおりさんを知っていった。闘牛という男性社会に、組合長として奮闘する女性。闘牛界で伝説的存在の父を持ち、いろいろなしがらみの中、闘牛に打ち込む余り、家庭の悩みを抱えながら、奔走するかおりさん。彼女は、女性の目線から、闘いを終えた牛も余生まで見守りたいと、八重山闘牛を見てハマってしまった會田ファミリーと一緒に日々過ごしながら、若手の育成にも力を入れ、新しい風を闘牛界に吹き込んでいる。
監督は、牛舎で彼女達と過ごしながら語っていた。「僕は、父親の仕事の関係で、2年半牛舎の隣に住んでいたことがあって、ここは幼少期を思い起こさせる。とっても懐かしい場所だ」と。
アンシュル監督が、この石垣島や八重山闘牛、かおりさん、會田ファミリーがどう映り、どう切り取っていき、どんな映像ができあがるのか。いい意味で期待を裏切ってくれると信じている。今回、制作サポートをさせて頂けることになり、私も新しい旅をさせてもらえることに感謝しています。皆さまの応援、よろしくお願いします!
Tyler McBeth と Mora Moth
初めてアンシュル監督に出会ったのは、彼の最新作『 TIGER』の制作に関わった時でした。その作品作りの中で、私たちは彼の作ることへの情熱、そして多くの人が見落とすような所にある珍しい物語を見つける力に、強い刺激を受けました。こうしてまたアンシュルと一緒に、今度は愛情を持って果敢に挑む女性たちの物語を綴れることを、とても嬉しく思っています。
絵画、映画、音楽。それらは時に、私たちの思い込みを揺るがし、世界の見方を変え、人生をも変えてしまう力を持っています。そして、自分とはまったく異なる人生を知ることもまた、同じくらい強い力を持っています。これらは、自身の価値観を問いかけ、人生には正解がないこと、そしてすべてが人間の営みの一部であることを教えてくれます。
それこそが、 芸術の役割であり、「人間」らしさを、残していくことなのです。
石垣島の音や空気を通してこの魅力的な物語を皆さんにお届けできること、今からワクワクしています。また、強さや権力、進化と継承の二面性、そしてアイデンティティといったテーマについても、音楽で表現していけたらと思っています。この人間味あふれる物語がどのように展開していくのか、私たち自身も待ち遠しい気持ちでいっぱいです。
撮影は、2025年8月15日より開始し、2026年3月まで続く予定です。この期間中、東京から石垣へ複数回の撮影に行く予定をしており、それぞれの訪問で、闘牛のトレーニングや季節の行事、学校の節目、徳之島やうるま市への牛の移送、闘牛士たちの年次会議、そして最も重要な旧盆の闘牛大会など、主要な出来事に合わせて行います。
このドキュメンタリーは観察型であるため、現場では予期せぬ出来事も多く発生します。たとえば新しい子牛が生まれたり、牛が病気になったりした場合は、すぐに石垣へ飛んで撮影をする必要があるかもしれません。また、かおりさんが会議などで訪れる那覇や徳之島での撮影も一部予定されています。
撮影は、2026年の旧盆闘牛大会を一区切りとして終了予定です。かおりさんと少女たちを1年間に渡って追い続ける撮影となります。編集やポストプロダクションは、2026年春頃から段階的に始まり、本格的な編集や音響デザイン、音楽制作やカラーグレーディングは、2026年8月以降に集中して行う予定です。
2027年初頭からは、映画の公開準備に移行し、国内外の主要映画祭への出品、そして2027年春または夏の日本劇場公開に向けた計画を進めていきます。
ご支援いただいた資金は、主に第一段階の撮影費用に充てられます。撮影は2025年8月15日から2026年3月までを予定しており、その間に季節ごとの重要なイベントに合わせて、東京から石垣島への撮影を7〜8回行います。
[予算内訳]
私たちは、この作品を誠実に、そして丁寧に完成させる決意でいます。ただ、その道のりには現実的な課題が存在するのも事実。今回ご支援をお願いしている予算は、あくまで第一段階の撮影費用のみをカバーするものです。観察型ドキュメンタリーである本作は、物語の展開に伴い、来年の旧盆闘牛大会まで撮影が続く可能性があります。そのため、編集や音楽、サウンドデザインやカラーグレーディング、公開準備を含む全体の制作費用は、最終的に1,500〜2,000万円以上に達する見込みです。
不足する資金はチームで補填しながらスタートを切りますが、現実はさらなる支援が必要です。今回の目標金額に届かなかった場合、集まった支援金の20%がMotion Galleryの手数料として差し引かれてしまいます。また、目標金額を達成した場合でも、10%は差し引かれます。いずれの場合も、私たちはこれまでの作品と同様に、助成金や別の資金源を探しながら制作を続けていくつもりです。これは、こうした状況を率直に共有させていただき、改めて皆さまにご支援をお願いさせていただくための呼びかけでもあります。
もしこの物語に共感していただき、 プロデューサーやスポンサー、長期的なサポーターなど、より深く関わっていきたいと思ってくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。そういったご提案はいつでも歓迎ですし、一緒にこの大事なドキュメンタリーを実現する方法をご相談させていただければと思っています。
お返しできるのは、私たちの全身全霊のプロジェクトに対する献身です。これまでの作品をご覧いただいた方には、私たちがどれほど真剣に映画作りに向き合っているかご存知いただいていると思います。 私たちは近道を選ばず、物語を軽く扱うことは決してありません。皆さまの応援があれば、誠実で力強く、忘れられない作品を必ず完成させます。そしてそれは、日本の暮らしや伝統、そして変化の核心に触れる映画になると信じています。
当クラウドファンディングの成否に関わらず、来月からの撮影は既に決定しているため、不足分は補いながら第一段階の撮影を実現します。そのため、ご支援いただいた皆さまへのリターンはきちんとお届けしていきますので、ご安心ください。
♢ 感謝のポストカード
牧場からの感謝の気持ちを込めたポストカード型レター(PDF)をメールにてお届けします。會田姉妹、上地かおりさん、監督からのメッセージと、子どもたちによる写真やイラストを添えさせていただきます。
♢ コレクター限定のアップデートを共有
撮影中の舞台裏や出来事、制作過程の裏話などをご報告します。
♢ エンドロールにお名前 掲載
ドキュメンタリーのエンドロール「スペシャルサンクス」欄に、お名前を掲載させていただきます。
♢鑑賞リンク
高画質の完成版ドキュメンタリー視聴リンクをお送りします。リンクの視聴期間は送付後1ヶ月間となります。
♢ Kowatanda過去作 鑑賞リンク
受賞歴もある、Kowatandaのアンシュル・チョウハン監督過去作『コントラ』と『赦し』の視聴リンクをお送りします。リンクの視聴期間は送付後1ヶ月間となります。
♢ プライベート完成披露試写会 + トークイベントへのご招待
東京または石垣島で開催される、プライベート完成披露試写会とトークイベントにご招待いたします。※交通費・宿泊費は含まれておりません。
♢ 八重山闘牛オリジナルタオル
地元ファンに人気の「八重山闘牛オリジナルタオル」をお届けします。
♢ キャストと監督のサイン入りオリジナルパンフレット
劇場公開時に制作するオリジナルパンフレットをお届けします。キャストと監督のサイン入りです。
♢ オープニングクレジットにスペシャルサンクスとしてお名前 掲載
映画冒頭のオープニングクレジット「スペシャルサンクス」欄に、お名前を掲載させていただきます。
♢ 劇場公開の前売り券
劇場公開時にご利用いただける前売り券をお送りします。枚数はコースによって異なります。
♢ 黒島牧場を訪問
石垣島にある黒島牧場を訪れ、かおりさんや闘牛たちと交流できます。※交通費・宿泊費は含まれておりません。
♢ 闘牛の生観戦券
石垣島で開催される闘牛大会の観戦チケットをお送りします。大会は年に3回(正月、春、旧盆)開催されており、お好きな大会をお選びいただけます。詳細は追ってご案内いたします。※交通費・宿泊費は含まれておりません。
♢ 上映権
完成したドキュメンタリーをあなたの住む街やお好きな場所で上映する権利です。上映に必要な素材は全て提供いたします。上映日数はご支援いただくコースによって異なります。
♢ オープニングクレジットにスポンサーとしてクレジット + ロゴ 掲載
映画のオープニングクレジット「スポンサー」欄に、お名前または会社名・ロゴを掲載させていただきます。
アンシュル・チョウハン
インド出身。陸軍士官学校で訓練を受け、大学は芸術学部を卒業後、2006年よりCGアニメーターとしてバンガロールのパプリカスタジオにて働き始める。ニコロデオンの 『 Farm Kids』 や 『Back at the Barnyard』、 国際的な受賞歴もある 『Delhi Safari』などのプロジェクトを担当し、 BBCテレビ『Everything's Rosie』 においては、チームリードを務める。
2011年に東京へ拠点を移し、株式会社ポリゴンピクチャーズでは、エミー賞を獲得したディズニーXD 『 トロン:ライジング』 や 『超ロボット生命体トランスフォーマープライム』などのアニメーションに関わった後、 株式会社オーエルエムにてバンダイナムコ『パックワールド』に携わり、 株式会社スクウェアエニックスでは『ファイナルファンタジー XV』 や 『キングズグレイブ:ファイナルファンタジー XV』、『キングダムハーツ 3』、『ファイナルファンタジーVII リメイク』、そして『GANTZ:O』などの大規模プロジェクトを多岐に渡って担当する。
アニメーターとして働く傍ら、映画制作への情熱を追求し、2016年にインディペンデントスタジオ「Kowatanda Films(コワタンダ・フィルムズ)」を設立。以降、短編3本、長編4本を制作し、国内外の映画祭で高い評価と受賞歴を得る。2020年には権威ある大林賞をはじめとした多数の国際映画祭で高評価と受賞を遂げている。
最新作『 TIGER』は、東京のゲイ・コミュニティから着想を得たLGBTQ+ドラマ。その他にも現在は、ラスベガスとユタ州を舞台にした総合格闘技スポーツドラマで『ブルーバレンタイン』のRadical Mediaがプロデュースの『VELVET PUNCH』、石垣島の米軍基地をテーマにした台湾との国際共同製作、そして本作と三つの新プロジェクトを企画・準備中。
また現在、ハリウッドではCAA(Creative Artist Agency)およびRange Media Partnersに、国内では株式会社gに所属している。
フィルモグラフィー
[長編映画]
[短編映画]
[アニメーション参加作品]
■ 映画
■ ゲーム / ゲーム内映像
■ TVシリーズ
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CONTACT: kowatandafilms@gmail.com
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