FUNDED
滞在アーティスト・原倫太郎さん、松本力さん決定のご紹介。
vol. 25 2022-06-27 0
応援ありがとうございます。HAAYMMです。
今回のアップデートでは、AiRKでの滞在が決定した原倫太郎さんと松本力さんのクリエイションを企画されているKITSUNE Book & Artの安田さんからのメッセージを紹介させて頂きます。
いよいよAiRKとしてアーティストの受け入れがはじまります。滞在が有意義なものになるようにしっかり準備していきたいと思います。
クラウドファンディングもあと４日！AiRKへのご支援、引き続きご協力をどうぞよろしくお願いします！
HAAYMM一同
-------------------------------
「KITANO POP UP THEATER（キタノ・ポップアップ・シアター）」という活動の代表をしている、KITSUNE Book & Artの安田と申します。本業は編集者で、神戸市・北野町に居を構えている事業者です。
昨年からアーティストたちと連携しながら 「KITANO POP UP THEATER」という活動を北野町内で行っているのですが、「街の中のあまり有効に使われていない場所を、街を活性化するための実験的な舞台にする」という主旨で一貫しています。物件を活性化させることによって、近隣の人々のコミュニケーションを活発にし、街に祝祭感をもたらし、それまでこの街に訪れていなかった人たちが立ち寄れたり、気に入って居着いたりする、そういう構造を作り出したいという動機があるからです。また地域のお店も参加できるような形態にもしたいとも思っています。そして、そうした風景を作り出すための最初のトリガーとなるのはアーティストの活動だという信念を持っています。アーティストには思いもよらぬ仕方で場所の磁場を変えてみせる力があると思います。昨年が開始年であったことは、当然ながらコロナ禍で静かになってしまった街に元気をもたらしたいという気持ちも関係しています。
今年も昨年に引き続き、北野町内にある安藤忠雄建築のひとつ、ローズガーデンビルの中庭部分を会場として、今回は、原倫太郎、松本力という2人のアーティストと共に活動を行っていく予定です。場所の使用に関しては建物のオーナー様のご理解をいただいています。
昨年のメインキャストであった映像・アニメーション作家、松本力も引き続き参加してくれます。昨年、松本力と一緒に、４面のスクリーンにアニメーション映像を映し出すことのできる「ANDON」という展示装置を独自に開発しましたが、今回もANDONを用いて松本さんのアニメーション作品上映を行う予定です。
今回新たに参加してくれるアーティスト原倫太郎は、ローズガーデン中庭の空中に、6-7cm大の発泡スチロールのボールが永久機関的に転がるアートを設置する予定です。キネティックアートと呼ばれ、常に運動し続けるタイプのアート作品です。空中を舞う彼のキネティックアート作品はその下の空間を舞台のように演出してくれる力もあるので、その状況下で、庭を使ってライブなどのイベントも行う予定です。
松本力にはワークショップも行ってもらう予定です。具体的には、神戸在住の絵描きの方で、かつアニメーションという表現が未経験の方を対象に、アニメーションづくりのワークショップを行うというものです。ローカルのアーティストに作り方を伝えることで、その先の展開も可能になるというビジョンを持っています。地域の子どもたちとアニメーションを作るときに、ローカルのアーティストたちと連携しながら行うことが出来るようになるといった展開です。
さらに、原倫太郎のボールの作品や、松本力のANDONを使ったシアターと組み合わせる形で、ミュージシャンのライブを企画していたり、作品展示の際に地域のお店が複数出店するミニマルシェなども計画しています。
このプログラム 「KITANO POP UP THEATER」 は、何月何日から何月何日まで、という期間型ではなく、9月、10月、11月に1日ずつ、計3日のイベントを行うスタイルを取ります。毎月１日間でいいから必ず街のなかでイベントが行われる、そういう環境づくりを目指していきたいからです。毎月決まった日に楽しみなイベントが行われているという状況が街の共通認識になれば、北野町に人が訪れるモチベーションになってくれるはずと考えます。もちろん、この環境づくりの上で、アーティストのレジデンス施設であるAiRKや、CAPなどの近隣のアート施設とも積極的に連携させてもらえれば有り難いです。拠点が増えることで、人々が訪れ、交流でき、回遊できる。その流れを促進したいという一念です。
まずは第一ステップとして、原倫太郎が８月上旬にAiRKに滞在させていただきながら、ボールの作品を設置します。ここから始まる2022年の「KITANO POP UP THEATER」 を、どうぞよろしくお願いいたします。
KITSUNE Book & Art オーナー／編集者／KITANO POP UP THEATER制作委員会代表
安田洋平
●アーティスト原倫太郎からメッセージをもらいました！
原倫太郎
様々な芸術表現がある中で、私が重視しているのは場を作ることです。鑑賞にとどまらず作品の中に人々が入ることで、場が変容し多層的になります。美術作品というより、装置に近いです。作品と人々が同じ場に存在すること、これが重要です。「音は存在するのか？」という哲学的な問いがありますが、美術作品にも同じことが言えると思います。神戸は多様な人々と文化が良い感じに混じり合っているので、この土地で作品を発表できること、楽しみです。
●プロフィール
アーティスト・原倫太郎プロフィール
1973年神奈川県生まれ。サンドベルグ・インスティテュート（オランダ・アムステルダム）修了。2004年 第7回岡本太郎記念現代芸術大賞展・特別賞受賞。 2018「第21回文化庁メディア芸術祭」アート部門審査員推薦作品。近年の個展に、府中市美術館（東京）、フォーラム・ボックス・ギャラリー（フィンランド・ヘルシンキ）他。「瀬戸内国際芸術祭2019」、「大地の芸術祭 越後妻有2022」にも参加。 https://hfj-ami.jp/
アーティスト・松本力プロフィール
1967年東京都生まれ。1991年多摩美術大学美術学部デザイン科GD専攻卒業。コマ割りのドローイングによる映像作品を制作。2019年「記しを憶う－東京都写真美術館コレクションを中心に」（東京都美術館）、2021年「第13回恵比寿映像祭」（東京都写真美術館）など。手描きアニメーションをテーマにしたワークショップを国内外で数多く開催。
「KITANO POP UP THEATER」活動代表・安田洋平プロフィール
（株）アンテナ代表取締役・編集者。KITSUNE Book & Artオーナー。2003年、編集者として東京R不動産の立ち上げに参加。『東京R不動産』『団地に住もう！東京R不動産』『全国のR不動産』など関連する書籍の編集も行う。不動産が運営するローカルメディア「real local」制作統括。「神戸移住のための地図」「金沢トライアルステイマップ」など地域を再編集する地図のシリーズも手がける。2014年に神戸・北野に家族で移住。神戸をテーマにした書籍『ローカルエコノミーのつくり方』『北野「雑居地」ものがたり』の編集も担当した。2021年より、アートを取り入れた街のイベント「KITANO POP UP THEATER」を始動。