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『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』日英併記出版をクラウドファンディングで実現!

性暴力によって生まれた子どもたちと、その母。
『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を日英併記で出版したい

写真家 ジョナサン・トーゴヴニクがルワンダのジェノサイドの際に性暴力を受けた女性たちと、それによって生まれた子どもたちを記録したプロジェクト。母と子が暗がりの中で生きてきた日々を初めて語った本書の出版をご支援ください。

FUNDED

このプロジェクトは、目標金額3,000,000円を達成し、2020年2月10日23:59に終了しました。

コレクター
402
現在までに集まった金額
3,486,050
残り日数
0

FUNDED

このプロジェクトは、目標金額3,000,000円を達成し、2020年2月10日23:59に終了しました。

プロジェクトをブログやサイトで紹介

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PRESENTER
AKAAKA

2006年設立のアートブックの出版社。写真集と現代美術の作品集を中心にこれまで約200冊を刊行。新人のデビュー写真集も多く手がけ、木村伊兵衛写真賞の受賞者は7名を数える。常に写真表現の可能性を模索し、写真とは何か、写真を見ることとは何かという本質を探求しつつ、大きな問いの器として写真集を制作している。また設立当初より、海外の作家作品、特に写真と言葉の関係において注目される作家の作品集も継続的に刊行し、国内の写真界に強い刺激を与え続けている。

このプロジェクトについて

写真家 ジョナサン・トーゴヴニクがルワンダのジェノサイドの際に性暴力を受けた女性たちと、それによって生まれた子どもたちを記録したプロジェクト。母と子が暗がりの中で生きてきた日々を初めて語った本書の出版をご支援ください。

はじめに 1994年、ルワンダで起きた悲劇について

1994年4月から6月の間に、中央アフリカの小さな国 ルワンダで、100日間におよそ80万人と推測されるツチの人々が「インテラハムウェ」と呼ばれるフツの民兵によって殺害されました。何十万人もの女性た ちは、フツの民兵たちによって「武器」としての性暴力を受け、それによっておよそ2万人と推測される子どもたちが生まれました。その母親の多くは妊娠を招 いたその恐ろしい出来事の最中にHIV/エイズに感染し、家族やコミュニティから拒絶され、甚大な肉体的・精神的トラウマを抱えることになりました。
この事実は、今なお被害の全容が明らかでなく、日本でもほとんど知られることがありませんでした。

ニューヨークを拠点に活動していた写真家のジョナサン・トーゴヴニクは、取材で訪れたルワンダでこのような現実を初めて知り、大きな衝撃を受けます。そこで自らのプロジェクトとして、3年間をかけてこうした境遇にある女性たちへのインタビューと撮影を行ないました。カメラの前に初めて立った母と子。こちらに向けられた眼差し。沈黙の果てに語られた言葉。そこには事実の途方もなさとともに、人間のもち得る真実の強さが秘められていました。
この取材は、2009年に『Intended Consequences: Rwandan Children Born of Rape』という一冊になり、翌年の2010年に日本語版『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』が小社より刊行されました。お陰様で多くの方に関心をお寄せいただき、重版することができました。日本語版の企画・翻訳者である竹内万里子さんが京都と東京で写真展も実現させ、トーゴヴニクが来日してトークイベントなども開かれたのです。さらに2012年には、この作品でトーゴヴニクはフランスのアルル国際写真賞で「ディスカバリー・アワード」を受賞しています。

アネットと息子ピーター

クレアと娘エリザベス

・前作 『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』

・リレーエッセイ『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』によせて

・竹内万里子ブログ Rwanda Project

・「時代の精神展」ブログ

1. あれから……12年前に会った家族を再訪。成人した子どもたちは初めて、生きてきた日々を語りました

トーゴヴニクは2009年、自らルワンダ財団を設立して、ジェノサイドの際の性暴力から生まれた子どもたちが教育を受けるための支援や、傷ついた母親たちのカウンセリングや 就労支援を積極的に行ってきました。そしてさらにジェノサイドから25年を迎えるにあたり、2018年から2019年にかけて、およそ12年前に会った家族のもとを再び訪れて取材しました。 母親たちは子どもたちに、彼らがどのようにして生まれたのかを既に告げていました。
前回の撮影のときと同じ場所で撮られた母子のポートレート。子どもたちの顔。そして、母と子はそれぞれに「あれから」の時間を語ったのです。

ウィニーと娘アサンス

バーナデットと息子フォースティン

子どもたちの多くは、周囲からさまざまに孤立した状態で「人殺しの子ども」と呼ばれて生きてきました。社会において差別やハラスメントに直面しながら、母親、そして父親との関係にそれぞれに向き合い、手探りで生きてきたのです。
バーナデットの息子フォースティンは語ります。「母がどうやって暴行されたかを語ってくれたとき、自分の心が突き刺されたように感じました。母が暴行された結果自分が生まれたということ、そして父は暴行犯で人殺しだったということを知って、とても苦しみました。」
フォー スティンの母親、バーナデットは言います。「私は息子がこの地域で人殺しの子と呼ばれるという事実に深く傷つき悩んでいました。」「ジェノサイドの間、私 が木に吊り下げられてたくさんの男たちに暴行されたと言われて、私は本当に深く傷つきました。私は自分を暴行した男性、つまり息子の父親が私に行なったことを裁判で証言しました。ある日、彼がうちに来て、私の前でひざまずき、許してほしいと懇願しました。どれだけ多くの女性たちが暴行されたのか、そして暴 行の後どれだけ多くの女性たちが殺されたのか、私は思いを巡らせました。私は暴行されましたが殺されはしなかったわけです。そこで私は彼を許しました。」

母 親たちはその人生を前に進めながらも、ジェノサイドによる深い傷に今も苦悩しつづけています。母親が真実を伝えてくれた勇気を尊敬し、愛がより深まったと 語る子ども。告白を聞いて、瞬間的に失神したようになったと語る子ども。そして、母と子の証言のかすかなズレに気づくとき、そこに孕まれた複雑さ、重さに あらためて立ち止まされます。

2. 本書をひとりひとりに、そして世界に手渡したい。

「あれから」と題されたこのプロジェクトで、トーゴヴニクは武器としての性暴力という十分に報道されていない問題を浮き彫りにし、投げかけています。紛争地帯における性暴力から生まれた子どもたち、そして何世代にも渡って受け継がれる複雑で深いトラウマ。これらの家族を再訪して彼が見出したのは、かすかな希望と許し、壊れやすさ、そして性暴力の深刻なトラウマと影響によって今なおつづく葛藤でした。
現実に、世界各地で大規模にこの問題は発生しつづけています。ニュースで見聞きするそれは、遠い土地の出来事に思えるかもしれません。しかし、私たちの身の回りでも、この問題を巡って女性たちは声を上げ始めています。そして、この本に収められたひとりひとりの生に触れるとき、私たちが受け取っているのは、得がたい、心の軌跡であり、傷みであり、不思議な力でもあります。写真が、時間という目に見えないものを厳然と差し出す前で、同じく生きて在る私たちは、「あれから」について、そして「これから」について思いを巡らすことができると信じています。

前作『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』は英語版、ドイツ語版、スペイン語版、日本語版が各国で刊行されましたが、今回の『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて(原題:Disclosure: Rwandan Children Born of Rape)』は、小社のみの刊行となります。現在の出版を取り巻く状況によるものと言えますが、ここを起点として、広く本書を世界に伝えることを考えたいのです。
そのためには和英併記にすることが必須であり、世界的な流通や展示などの展開を目標としています。制作費を要しますが、なるべく定価を抑えて多くの方に手渡していきます。皆さまのご協力を心よりお願いする次第です。

ページ見本

ひと組の親子の物語は、10ページにわたり綴られます。これは、本を開いたところです。
たとえば、母アネットと息子ピーターのページは、以下のようになります。

・2018年の親子のポートレート
・2007年の親子のポートレート
・息子ピーターのインタビュー
・息子ピーターの2018年の写真、息子ピーターの2007年の写真
・母アネットのインタビュー

写真はつねに、今、そして11年前という順に現れます。
親子のポートレートはいずれも住まいの近くで、母親が選んだ場所で撮影されました。11年前と同じ場所に在って、彼らの写真が伝えてくれるもの。
子どもの顔のアップの写真は、こうして今の写真もあることにより、無限に「あれから」の時間に触れていくようです。

書籍の概要(予定)
発行日  :2020年4月(予定)
仕 様  :A4変型判(220×250ミリ)、144ページ、並製本
      本ページ、および赤々舎の ウェブサイトやSNSにて順次詳細を公開予定
部 数  :4000部
企画・翻訳:竹内万里子
編 集  :姫野希美(赤々舎)
デザイン :大西正一
発 行  :赤々舎
定 価  :3500円+税(予定)
販売方法 :書店やショップでの販売、直接販売、海外への流通

プロフィール

ジョナサン・トーゴヴニク
1969年生まれ。写真家。世界各地を取材した様々なプロジェクト を「ザ・ニューヨーカー」、「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」、「タイム」、「ニューズウィーク」などで幅広く発表し、受賞歴多数。2007年、ルワ ンダのジェノサイドのときの性暴力から生まれた子どもたちの中等教育を支援するための非営利組織「ルワンダ財団」を共同設立( www.foundationrwanda.org ) 。2009年『Intended Consequences: Rwandan Children Born of Rape』(Aperture)を刊行(日本語版『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』)。2012年、同作品によってアルル国際写真賞ディスカバ リー・アワードを受賞。その他の作品集に『Bollywood Dreams』(Phaidon, 2003年)。ニューヨーク国際写真センターで講師を務める。
https://torgovnik.com/

竹内万里子
1972年生まれ。写真批評家。2008年フルブライト奨学金を受け渡米。「パリフォト」日本特集ゲストキュレーター (2008年)、「ドバイフォトエキシビジョン」日本担当キュレーター(2016年)など、数多くの写真展を企画。国内外の雑誌、新聞、作品集、展覧会図 録への寄稿、共著書多数。『Intended Consequences』の日本語版『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を企画翻訳し、国内巡回展を制作。単著『沈黙とイメージ 写真をめぐるエッ セイ』(赤々舎、日英対訳、2018年)は米国の「PHOTO-EYE BEST PHOTOBOOKS 2018」に選出された。京都造形芸術大学准教授。

3. 支援金の使い道:目標金額は300万円

本書を日英併記で、海外への流通分を見越して4000部を制作するための経費として、約550万円を予定しております。目標額からプラットフォーム手数料を引いた金額(約260万円)を、その経費の一部に当てさせていただき、それによって価格を抑えることが実現できます。

4. リターン(お礼の特典)について

● ブック1冊
・完成した『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送り致します。
・巻末に、ご協力者として、お名前を記載させていただきます(英語表記、ご希望者のみとなります)。
・ジョナサン・トーゴヴニクからのサンクスレターを同封致します。

● ブック2冊 A 『あれから』+前作
・完成した『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送り致します。
・巻末に、ご協力者として、お名前を記載させていただきます(英語表記、ご希望者のみとなります)。
・ジョナサン・トーゴヴニクからのサンクスレターを同封致します。
・前作『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を合わせてお送り致します。ここには、12年前に母親たちが語った言葉が記されています。お読みいただくことにより、女性たちが経た傷の深さと、横たわる時間を感じていただけると思います。

・前作 『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』

● ブック2冊 B 『あれから』+『沈黙とイメージ』
・完成した『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送り致します。
・巻末に、ご協力者として、お名前を記載させていただきます(英語表記、ご希望者のみとなります)。
・ジョナサン・トーゴヴニクからのサンクスレターを同封致します。
・竹内万里子の単著『沈黙とイメージ 写真をめぐるエッセイ』(2018年刊)を合わせてお送り致します。写真を見ること、他者の痛みを想像することを問いつづけ紡がれたエッセイです。ここには「ルワンダ・ノート」という長い章が設けられ、前作を刊行するまでの思索や、参照した文献の引用を辿ることができます。

竹内万里子『沈黙とイメージ 写真をめぐるエッセイ』

● ブック2冊 C 『あれから』2冊、そのうち1冊をご希望の図書館に寄贈致します。
・完成した『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送り致します。
・巻末に、ご協力者として、お名前を記載させていただきます(英語表記、ご希望者のみとなります)。
・ジョナサン・トーゴヴニクからのサンクスレターを同封致します。
・もう1冊の『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を、ご希望の図書館に寄贈致します。特定の図書館を希望されない場合は、寄贈先を小社にお任せください。

の定価の50%で仕入れ可能(送料別)*クラウドファンディング限定

完成した本『あれからーールワンダ ジェノサイドから生まれて』を定価の半額でご購入いただける、クラウドファンディングだけの限定特典です。書店さまや個人で本の流通を応援していただける皆さまに向けたリターンです。
・5部以上から1部単位で買い取り可能
・買い取り回数は制限なし
・買い取り総部数は30部まで
・送料はご負担いただきます。

●純粋応援

・完成した『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送り致します。
・巻末に、ご協力者として、お名前を記載させていただきます(英語表記、ご希望者のみとなります)。
・ジョナサン・トーゴヴニク、竹内万里子、赤々舎より、サンクスレターをお送りします。

5. 想定されるリスクとチャレンジ

私たちは、今回の『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』の刊行の機会に、
さらにプロジェクトをさまざまなかたちで展開できればと願っています。
たとえば、写真展の開催、関連イベントの開催です。写真展は、共鳴してくださる方が運営する
スペースで、ジョナサン・トーゴヴニクの素晴らしいプリントを通して、母子たちと向き合う時間を体感していただきたく、会場を探し始めています。テーマゆえに会場を見つけることは容易でありませんが、この本の刊行がそうした道筋を拓いてくれるかもしれません。
ジョナサン・トーゴヴニクは、11月に国連で、この問題についての講演をしました。彼が前作の刊行時に日本で開催したトークイベントは、人間味溢れる真摯な語り口が、たくさんの反応を引き起こしました。
今回もそのような場をつくり、みなさんと共に想い、考えを巡らす機会をもちたいと願っています。

  • 目標金額を満たした場合、以上のようなことにチャレンジし、さらに歳月を超えてこのプロジェクトに携わってゆく礎にしたいと考えています。
  • 目標金額に満たなかった場合、和英併記という趣旨は変えず、部数を減らして、書籍の制作を進めます。

さいごに 遠い地平から聞こえる声に耳を澄ませて

出会ってしまったことを、なかったことにできなかったジョナサン・トーゴヴニクによって、
このプロジェクトは始まりました。海外の書店でたまたま手にした一冊に衝撃を受けた竹内万里子によって、前作『ルワンダジェノサイドから生まれて』の日本語版は生まれました。
ルワンダの母子たちの肖像と言葉は、人々を揺さぶり、問いかけ、時に生きる力すらもたらしてきたと感じます。同じ時代に、同じ地平の上にある私たちは、互いに静かに耳を澄ませ、その存在から多くを汲み上げていきたいと願っています。
何ひとつ終わっていない——その思いを胸に、今回は、ここから世界に向けて発信していきたいのです。
あなたのご参加を心よりお待ちしています。

クラウドファンディング最後の一日に、写真家の志賀理江子さんから寄せられた文章をお送りします。
志賀さんは、前書『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(2010年)の刊行後、リレーエッセイに参加してくださろうとしていましたが、東日本大震災が起こり、歳月が経ちました。数年前、遠くから届けられた手紙のように、その原稿を託してくださいました。
そして今、今回の『あれから—ルワンダ ジェノサイドから生まれて』に掲載される母親と子どもたちの言葉を読み、新たに綴ってくださったのが、こちらの文章です。

「ここからさらに語り合うことは、どのようにして可能だろうか。」

問いをたくさん宿した言葉だからこそ、「ここから」の未来に向けて送ります。

ーーーーーーー

隣人を殺し、残忍な暴力を振るった沢山の人たち。

人は、誰しも条件さえ揃えば、彼らと同じようなことをするのだろうか。

私が、ルワンダ虐殺に関してずっと考えているのは、加害者となった人たちの、犯行に及ぶまでの、心身の経緯だった。

「レイプ」という言葉とその意味を、友人からの噂話で知ったのは、10歳を過ぎた頃、思春期の始まりだったと思う。

お互いを想い合う性行為でも、衝動的に犯されるレイプだとしても、その先には「命」が宿ることがあるという点で同じ・・・この事実は、まだ幼かった私には衝撃的だった。

「赤ちゃん」と「性行為」の「イメージ」は、自分が生まれ育った環境の中においては、少なからずかけ離れたものだった。だから、人間の場合、「命」は、性行為によってしか繋がれない、そんな当たり前のことに、圧倒された記憶が残っている。

本文中に何度も出てくる「愛」という、一言の言葉。この言葉にも混乱していたと思う。もう子供でもない現在でも、どこか生理的に使うことを避けている。

私には5歳の息子がいるが、彼に対しての感情をもし「愛」と呼ぶならば、それは、胸をぎゅっと締め付けられるような強い喜びに似た気持ちだが、それは、時に不安や怒りとして噴出したりもする。彼までの心理的な距離はあまりに近しく、常に彼のことを考えているので、ともすれば苦しいような、そんな感覚だ。

そして、それ以上に、子どもとは、己への関心を親が驚くほどに求めていると感じる。「後追い」という時期には、私が一瞬でも視界からいなくなると息子は激しく泣いたものだった。

子と生きる細やかなひとつひとつ、一分一秒の長い時間。見つめ合い、笑い、泣き、怒り、会話し、寝て、食べて、歩いて、ひたすら一緒にいる。あまりにも多い様々な出来事としての日々を過ごす。

息子に「僕はどこからきたの?」と聞かれたことがある。私は、まだ彼が納得するようには答えられていない。教えることはとてつもなく難しい。

人が成長してゆく過程は実に複雑だと思う。

そして、愛と憎しみのような感情は背中合わせにあると思う。

人間社会は幾度とないジェノサイドを経験しており、だから、ここまでの残忍さをやってのけてしまう人間について考えると、それは裏返っていってしまう。当然じゃないか、人間はそのようなことをする存在だと、当たり前のように思えてきてしまう。それらの歴史について、知れば知るほど、ただ絶望し、麻痺してしまう。

この本の中に、「できるだけシンプルに生きたい」と語られた言葉があった。複雑で困難な状況下において、あらゆる感情を落ち着かせる「理性」が役割を果たすのだとしたら、このような言葉として語られるのだろうか、と思わずにはいられなかった。

そして、さらに、はっきりと、ジェノサイドとは「人間に起きる最悪の事態」であり「だから世界はもう見捨ててはなりません」と語られる。条件さえ揃ってしまえば、誰しもが加害者となるだろうという恐れや傲慢さに対して、このメッセージは重要であると思う。だから、重く受け止めている。ここからさらに語り合うことは、どのようにして可能だろうか。

写真に写る自分の姿は、大体の場合は、自分の想像とは違うものだ。しかし、これらの写真には役割がある。ルワンダ財団の3つのMission(使命)のうちのCreate awareness(認識を深める)のためにある。そういう写真であり、言葉だ。世界の一部からだとしても、彼らの経験への応答だ。

この本に姿を写す誰もが、「一番辛かったことは、本当のことを知らない状態」と語った。

私たちは、何者なのだ。

恐れ多くも、私も、そのことを知りたい。

志賀理江子  

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  • 5000

    ブック

    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送りします。
    • 巻末に協力者としてお名前を記載(英語表記、希望者のみ)。
    • ジョナサン・トーゴヴニクよりサンクスレター。
    • 2020年04月 にお届け予定です。
    • 156人が応援しています。
  • 8000

    ブック2冊 A

    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送りします。
    • 巻末に協力者としてお名前を記載(英語表記、希望者のみ)。
    • 前作『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送りします。
    • ジョナサン・トーゴヴニクよりサンクスレター。
    • 2020年04月 にお届け予定です。
    • 159人が応援しています。
  • 8000

    ブック2冊 B

    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送りします。
    • 巻末に協力者としてお名前を記載(英語表記、希望者のみ)。
    • 竹内万里子『沈黙とイメージ』を1冊お送りします。
    • ジョナサン・トーゴヴニクよりサンクスレター。
    • 2020年04月 にお届け予定です。
    • 38人が応援しています。
  • 8000

    ブック2冊 C

    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊、ご希望の図書館に小社より寄贈します。
    • 巻末に協力者としてお名前を記載(英語表記、希望者のみ)。
    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送りします。
    • ジョナサン・トーゴヴニクよりサンクスレター。
    • 2020年04月 にお届け予定です。
    • 34人が応援しています。
  • 20000

    ● 本の定価の50%で仕入れ可能(送料別)*クラウドファンディング限定

    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を定価の50%で仕入れ可能。
    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送りします。
    • 巻末に協力者としてお名前を記載(英語表記、希望者のみ)。
    • ジョナサン・トーゴヴニクよりサンクスレター。
    • 2020年04月 にお届け予定です。
    • 2人が応援しています。
  • 30000

    純粋応援

    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送りします。
    • 巻末に協力者としてお名前を記載(英語表記、希望者のみ)。
    • ジョナサン・トーゴヴニク、竹内万里子、赤々舎より、サンクスレターをお送りします。
    • 2020年04月 にお届け予定です。
    • 11人が応援しています。
  • 100000

    純粋応援

    • 『あれから——ルワンダ ジェノサイドから生まれて』を1冊お送りします。
    • 巻末に協力者としてお名前を記載(英語表記、希望者のみ)。
    • ジョナサン・トーゴヴニク、竹内万里子、赤々舎より、サンクスレターをお送りします。
    • 2020年04月 にお届け予定です。
    • 2人が応援しています。