クラファンスタッフによる平家物語の解説をお届けします!
vol. 111 2021-09-23 0
これまでのアップデート記事では、船弁慶についての解説を中心に行ってきました。
そろそろ公演が近くなって参りましたので、原作となった作品の一つである「平家物語」について、スタッフから2日間に渡って解説させていただきます!
▼そもそも、平家物語とは?
平安時代末期、平家一門の栄華と衰退を描いた軍記物語です。ある特定の主人公がいるわけではなく、その時々でスポットの当たる人物が変わります。
作者はわかっていません。鎌倉時代前半までに作られたフィクションのお話です。
平家物語の大きな特徴として、琵琶法師が語って聴かせた「語り本系」だったことが挙げられます。つまり、耳で聴く物語だったのです!
主な聴き手は「武士」たち。
武士にとってよき教訓となる物語なのです。
キーワードは「おごり」。
権力を手にした者たちがおごり、没落していく過程が繰り返し描かれています。
(例:貴族のおごり、平家のおごり、木曾義仲のおごり)
また、繰り返し語り聴かせることで鎮魂の意もありました。
▼平家一門とは?
桓武天皇に連なる血筋の一門です。
平安時代は武士階級でした。(この時代、武家は蔑まれていたのです。)
貴族が力を持っていた平安時代に、平家一門は財力をもってのし上がり、天皇家・貴族・寺社との関係を深め、武家としては前代未聞の繫栄を果たしました。
具体的には、清盛の妻・時子の妹を後白河院に入内させたり、清盛の娘たちを次々と貴族に嫁がせていきました。
また、厳島神社や熊野神社などへの寄進によって寺社との関係を深めていったのです。
関係を深めることで、天皇家・貴族・寺社などの勢力のハブ(中心軸)となっていきました。
すべては、平家の圧倒的な財力の成せるワザなのです!
▽豆知識
当時、貴族や天皇家に自分の娘を嫁がせることはとてもお金のかかる行為でした。
平家は日宋貿易などにより圧倒的な経済力を誇っていたために、こうした婚姻関係を可能にしていました。
コレクター記事では、「平家物語」「船弁慶」に関係ある平家一門の家系図をお見せします!
ぜひご覧ください!
==================
<参考資料>
・NHKテキスト 100分de名著
「平家物語 滅びへの耳を澄ます」
・中田敦彦のYoutube大学 - NAKATA UNIVERSITY
【平家物語①】日本人なら知っておくべき平氏と源氏の戦い(The Tale of the Heike)
https://youtu.be/VIr3qEKVYNI
【平家物語②】平清盛の滅亡と源義経の台頭(The Tale of the Heike)
https://youtu.be/BxjQEDk8TUE