みなさまのおかげで当初目標額を達成! 発起人による、基金設立の思い
vol. 1 2020-05-19 0
「山小屋エイド基金」が立ち上げ当初の目標額である300万円を1日で達成しました!このプロジェクトが動き出すまでは「300万円、大丈夫かな~」と不安な気持ちもありましたが、そんな心配は一瞬で吹き飛ぶくらい、たくさんの支援をいただくことができました。本当にありがとうございます!
みなさまの支援が集まるのと並行して、このクラウドファンディングに参画したいという山小屋も増えてきています。山小屋から参画の連絡をいただくたび、「取材の時にお世話になったな~」とか、「いつも登山道の情報を教えてくれるご主人だ」など、その文面から顔が思い浮かびます。登山業界が苦境にある今、こうやって登山者(や一般の人たち)と山小屋を結び付けることができることに、私たちは大きな喜びを感じています。さて、この「山小屋エイド基金」の発起人である山と溪谷社代表の川崎深雪から、「なぜヤマケイがクラウドファンディングに取り組むのか」についてお伝えします。
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「山小屋エイド基金」について
こんにちは。山と溪谷社代表の川崎深雪です。私たちが立ち上げた「山小屋エイド基金」に支援をしてくださったみなさま、また興味をもってくださったみなさま、本当にありがとうございます。今日は、山小屋エイド基金について少しお話をしてみたいと思います。
山や自然に関する書籍などを出して90年が経つ山と溪谷社は、これまで山にまつわるさまざまな取材やイベントを行ってきました。ときには何日間も山に滞在し、あちらこちらの山を歩きながら雑誌をつくったりしてきました。そんな私たちにとって、山小屋はかけがえのない存在であり仲間であり、そして居場所でもあります。山を訪れたことがある方なら、山小屋がどんなに大切な役割を担い、宿泊施設を超える意義を果たしてくれているかわかってくれることでしょう。
ちょうど今日、富士山が今夏登れなくなるというニュースがありました。新型コロナウイルスの影響は、山小屋にとって存続の危機と言っても過言ではないほどの影響をもたらしています。
緊急事態宣言が出されてから、私たちは山小屋のために何ができるかを考えはじめました。そこで生まれたアイディアが、山小屋に資金を分配することを目的にしたクラウドファンディングを行うことでした。
みなさまからは支援を、山と溪谷社が山小屋のかわりにリターンを
集められたみなさまからの支援金は、ステッカーの制作費や決済手数料という最低限の費用を差し引いたすべてを分配金にあてます。私たちと同じ気持ちで応援してくださるみなさまからの支援金ですから、少しでも多く山小屋への分配にあてたいと考えました。
山小屋のなかには、インターネットがつながらないところもあり、いまの状況のなかで、リターンを用意していただくのはあまりにもたいへんなことです。そこで私たちの雑誌の誌面を使ったり、小冊子を制作することをリターンとして提供することにしました。そして、それにかかる費用はすべて私たち山と溪谷社からの提供としました。
全国のどんな山小屋にも平等に分配します
さて、今回応援する山小屋についてです。このプロジェクトの構想が始まった4月の中旬、まず「公営の山小屋は対象外では?」「大きい組織の山小屋とそうではないところをどうバランスとるか?」などさまざまな議題があがり、何時間も議論を重ねました。
ただ、いま山小屋が直面している状況や、これから先の課題は、規模や置かれている環境などによって違いはあるものの、厳しい状況であることには変わりはないと考え、参加の条件は「登山者の安全・安心を支える山小屋」だけにしました。
なので、広く全国の山小屋を平等に応援します。もちろん、参加する山小屋が増えればそれだけ分配額も薄くなるでしょう。だからといって、応援する山小屋を選ぶ理由は見当たりません。そして、集まった支援金の使い途も山小屋のみなさまにお任せすることにしました。また、給付や保険の有無、他の基金への参加の有無も問いません。できるだけ多くの山小屋を応援することが大切だと考えています。
なるべく多くの支援を集め、まとまった分配金をつくるために
クラウドファンディングの期間は88日間としています。この期間については、なるべく多くのお金を集められ、かつ山小屋に分配金をお渡しするのが遅くならないぎりぎりの期間を検討しました。
もちろん、夏山シーズンがスタートするまでに分配金をお渡しできればいいかもしれませんが、おそらく今回のコロナ禍の影響は短期間で終わるものではないでしょう。アフターコロナともwithコロナともいわれる、これからの登山を考えたとき、なるべくまとまった支援を、夏の間にお渡しできるようにと考えました。
若手からベテランまで、メンバー全員が知恵を絞ってがんばっています!
山小屋エイド基金は山と溪谷社で立ち上げたプロジェクトですが、運営メンバーは、入社5年の若手から、その彼らの年齢をはるかに超える社歴を重ねたベテラン社員までさまざまです。普段の業務も、モノづくり側から営業系までと、いろいろなメンバーが集まって毎日知恵を絞ってやっています。
多くのみなさまのご支援により、おかげさまで最初に掲げた目標金額の300万円を公開初日に達成することができました。ありがとうございます。この先、参加される山小屋も増えていきますので、より多くの分配金を山小屋のみなさまにお届けできるよう、さらなるゴールを目指していきます。山小屋を応援したいという同じ思いを持つみなさまとともに、88日間(残り87日間ですね)、このプロジェクトを通して支援の輪を広げていきます。
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