カラー暗室だよりPart.2
vol. 11 2016-11-22 0
★週刊『ワタシ=ハタチ』vol.11
こんにちは!寒河江です!
11月11日にクラウドファンディングが終了しました。ご支援・応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!写真展に向けて、これからが本番です。最高の展示になるよう、全力で(無理せず)頑張ってまいります!!
さて、本日はシノゴカメラで撮影したカラーネガフィルムをどのようにプリントするのかというお話をしようかと思います。
日藝の江古田校舎、地下1階にある「カラー暗室」でフィルムの引き伸ばしプリントを行います。
暗室に入ると、まず目の前に印画紙の現像機がどんとお出迎えです。この写真は明かりがついていますが、作業中は消灯して真っ暗にしなければなりません。印画紙に写真を焼き付ける上で、ネガの情報以外の光が当たっては困るからです。
使用する印画紙は何種類かありますが、デジタルのインクジェットとは違い、その種類は少ないです。これは富士フィルムの光沢紙。Gは光沢を意味する"グロッシー"の頭文字です。
取り出してみると青い色をしていますが、これは光が当たった時に薄い紙の中で屈折してふわっとした写真になってしまうハレーションという現象を抑えるためのものです。現像すると、この青が抜けます。もちろん、この写真のように明るいところで取り出してはダメです。この印画紙はもう使えません(笑)。
暗室の中は全暗黒(一つの明かりもない真っ暗闇)の中で作業をしなくてはならないので、慣れないとなかなか大変です。
こちらが引き伸ばし機です。この間にネガを挟み、カラーフィルターを通して印画紙に焼き付けます。
フィルターは4種類あり、左から濃度調整・イエロー・マゼンタ・シアンです。
このように、色の調整をCMYのフィルターで操作・調整していきます。
ネガをセットしたら、レンズをちょっと絞り、適正露出を得るために3秒ごとで段階露光していきます。露光が終わったら印画紙を現像機に入れ、出てきたら明かりのある部屋に移動して確認します。
例えば、出てきたプリントの色味がイエローっぽかったらYフィルターの数値を上げ、ブルーっぽかったら数値を下げます。
マゼンタっぽかったらMフィルターの数値を上げ、グリーンっぽかったら数値を下げます。
赤かったらYとMフィルター数値を同時にあげ、シアンっぽかったらYとMフィルター数値を同時に下げます。
……というように、フィルターの数値を変えて段階露光して、現像→確認→再度調整…を繰り返して正しい色のプリントを作り上げます。どうでしょう。結構難しいんです。
でも慣れてくれば、「このプリントの色味はこの色に偏っているからこのフィルターをこれだけ動かせばいい!」というのがだんだんわかってきます。デジタルにはない手間ですが、この時間と手間をかけて最高のプリントを仕上げるというのは、やっぱりやっていて楽しいですよ!
最後に、こちらは現像機の上蓋を開けたところ。いくつものローラーが入っていて、右から左にゆっくり印画紙を流していきます。工程として、発色現像→漂白定着→水洗→乾燥という流れです。
『ワタシ=ハタチ』写真展まであと18日ほど…!
1枚1枚、1人1人のハタチと向き合いながら、プリント作業をしていきます。
乞うご期待!!
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開催会場・吉野純粋蜂蜜店のギャラリー写真展情報→http://www007.upp.so-net.ne.jp/disco/menu.k.html