【それでも、映画を観る理由】(汐田海平)
vol. 1 2018-10-19 0
僕たちが普段見ている世界はすごく狭い。
早く歩いていかないと置いていかれるような気がして、辺りを見回す機会もない。
立ち止まる必要がある。立ち止まって拾い集める。
ようやく、どこか遠くにいるかもしれない別の誰かの世界が見えてくる。
別の誰かは、ある日、隣に引っ越してくるかもしれない。
そのとき、別の誰かの世界も自分の世界も地続きだったんだと知ると同時に、摩擦も生まれる。
摩擦が生まれたとき、相互理解を深めることよりも、
自分とは違うという相互不理解を受け入れなきゃならない。
別の誰かの世界があることを知っている人だけが、摩擦を肯定することができる。
別の世界の景色を見るために、僕はその場所にその時間に行き、何度だって巡り会う。
スクリーンを見つめる度、別の世界と自分の世界がひとつの世界だということを確信する。
劇場は、ひとつしかない世界で生きる方法を教えてくれる場所だ。
劇場は、わからない誰かと、わかりあえなくても、一緒にいる方法を探す場所だ。
そんな劇場という場所にふさわしい映画を作りたいと思う。
わかりあえなくても、それでも誰かを想うことができる。
『西北西』は、そんな映画だ。
プロデューサー 汐田海平
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残り1週間となりました。目標金額まで約270,000円。
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