「彼女来来」について
vol. 6 2021-01-22 0
皆様、お世話になっております。
彼女来来 監督・脚本の山西竜矢です。
年始に緊急事態宣言が出てから、予定が前後にふわふわと揺れたり、会えるはずの人に会えなくなったりと大変な日々ですが、自分は元気に、粛々と作業を進めております。
夏に撮ったこの映画も仕上げの段階に入り、もう少しで皆様に見ていただけるところまで来ました。
さて、コレクターの皆様には、何度か既に映画のあれこれについて記事を書いてきましたが、
明日でクラウドファンディング〆切一週間前ということで、全体公開のアップデートを書くことにしました。
キャストやスタッフについてのもろもろは限定公開の記事で既に書いておりますので、
今日はもっと根本的な、この映画についてのことを書こうと思います。
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彼女来来を作るきっかけは、サイトの文章にも書かれてある通り、
昨年の年始にMOOSIC LAB 主宰の直井さんにお声かけいただいたことです。
が、厳密にいうとこの作品の原形はそれよりもさらに前、一昨年の夏頃から存在していました。
それは別企画のために書かれた短編のプロットで、今出来上がっているものとは話も全然違っていましたが、当時、企画が流れて本棚の奥にしまわれたその物語の種を、僕はとても気に入っていました。
その存在をはっと思い出し、大幅に改変して書き直したのが、今の彼女来来です。最初に書いた時には、それが長編映画になるなどとはつゆほども思っていませんでした。本当に何があるか分からないなあ、とつくづく思います。
こういう仕事をしていると、作りかけで消えていく作品というのは本当にたくさんあります。
だらけです。ほぼ全てと言っても良いくらい、空想をそのままの形で作品にできることはありません。企画が流れる、ぽしゃる、通らない。もろもろの都合で変わる、消える、歪む。
それが悪いということではなく、当たり前にそういう状況で作り続けなければならないのがものつくりだと思います。しかし、昨年・今年に関しては、ただでさえ難しいその壁の上に、さらにコロナ禍までもが降りかかってきました。全ての側面において、かなり厳しい状況でした。
そんな中、この作品・彼女来来は、その大きな壁の隙間をすり抜けるように出来上がっていきました。しかも、自分が思い描いたことにかなり近い形で、です。
奇跡という言葉はあまり好きではないですが、それを目の当たりにしたのに近い感動が、「出来たやん」という驚きが、いまだにずっと頭の隅にあります。
キャスト・スタッフとともに、
雨にも風にも負けず、消えず流れず形になってくれたこの作品は
自分にとって大変に大切な作品です。
だからこそ、ここから先のちゃんとお客様の目に届ける段階こそが、
最も大切なフェーズだと思っています。
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長くなってしまいましたが、そんな彼女来来が、来月上映されます。
その後の公開のためのこのクラウドファンディングも、それより少し前、
1月29日いっぱいで終了します。どちらももう目の前です。
あと一週間、しっかりできることをやって走り切ります。
どうかどうか、応援してやってください。
こんなご時世ではありますが、なんとか作品を多くの方に届けさせてください。
言わずもがな、必死にやります。何卒宜しくお願いします。
監督 山西竜矢