映画監督・濱口竜介さんから応援コメントが届きました!
vol. 4 2021-11-15 0
『ハッピーアワー』、『偶然と想像』、『ドライブ・マイ・カー』などの監督、濱口竜介さんから応援コメントをいただきました!
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下北沢に新たにオープンする映画館「K2」、そこで監督作『偶然と想像』が杮落としの作品として選んでいただいたことをとても光栄に感じています。その誕生を高らかに祝福したい気持ちです。その一方で、今この時代に新たに「ミニシアター」と呼ばれるような映画館を誕生させることの課題はあまりに多いとも想像します。特にミニシアターの経済基盤の弱さをどう克服していくか、という問題があることを「ミニシアター・エイド基金」の活動を通して実感しました。
ただ、K2のように「地域文化の結節点」という役割を果たすことを志向しつつ、それをクラウドファンディングという仕組みと組み合わせることは「実際に映画を見に来た観客」以外からの支援を得やすくし、持続可能な映画館経営の形を新たに提示する可能性があると思っています。また、ヴァーチャル・シアターの積極採用など、これまでの「映画館」の概念に収まりのつかない場所が誕生しそうで、これからのミニシアターの在り方の、1つのモデルケースとなることを強く期待しています。
K2が、多様な文化活動を支える実践の場となるよう、私も応援します!
濱口竜介(映画監督)
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濱口竜介 プロフィール
1978年神奈川県生まれ。東京大学文学部卒業後、映画の助監督などを経て、東京藝術大学大学院映像研究科に入学。2008年の修了作品『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も日韓共同制作『THE DEPTHS』や、東日本大震災の被災者へのインタビューからなる『なみのおと』、『なみのこえ』などを監督(共同監督は酒井耕)。2015年、演技未経験の女性4人を主演に起用した『ハッピーアワー』が、各国の映画祭で主要賞を受賞。2020年、脚本を手がけた『スパイの妻〈劇場版〉』がヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞。2021年、自身初となる短編集『偶然と想像』がベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員大賞)受賞。また村上春樹原作の長編映画『ドライブ・マイ・カー』はカンヌ国際映画祭コンペティションにて脚本賞や国際批評家連盟賞を受賞。