新宿WHITEHOUSE
vol. 2 2023-11-05 0
こんばんは。みなさまいかがお過ごしでしょうか? ドイツ・ベルリンはすでに冬到来、毎日10度前後をいったりきたりで冷たい風とグレー色の空が定番の季節になってまいりました。
先日、プロジェクトチームのスタッフが新宿WHITEHOUSEを視察してまいりました。
ここは日本を代表する建築家・磯崎新さんの処女作として建てられた建物であり、赤瀬川原平や篠原有司男らによって結成された前衛芸術グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」の活動拠点として使われていたり、「カフェ アリエ」というカフェとして経営していたり、「Chim↑Pom from Smappa!Group」のスタジオスペースとして使用されていた歴史がありますが、現在はChim↑Pom from Smappa!Groupメンバーの卯城竜太、アーティストの涌井智仁、ノマドギャラリー「ナオ ナカムラ」の中村奈央の3人が運営するアートスペースとして運用されています。
立地は新宿と新大久保の中間にあり、異様な存在感を放っています。一般的にある四角く真っ白なギャラリースペースではなく、改築を繰り返され異様な存在感を放つ一軒家をつかって思考を凝らし空間をつくっていくことがとても楽しみです。
ただいまWHITEHOUSEでは、園藝プロジェクトleggy_と3組のGOODなARTISTたちによる展示/ショップ/飲食の複合型展覧会「光の射す方へ」を開催中とのことなので、会場が気になった方はぜひこの機会に覗いてみてください。
GANRA実行委員会、Ari Matsuoka
ARTISTS:leggy_、石毛健太、橋本若葉、涌井智仁
CURATION:涌井智仁
DATE:11/3 FRI – 11/20 MON
OPEN:15:00 – 22:00 / LAST ORDER 21:30
CLOSE:MON,TUE
FEE:
MEMBER: FREE
NON MEMBER: 1-DRINK
leggy_はChim↑Pom from Smappa!Groupのメンバーである林靖高、稲岡求とアーティストの西村健太の3人で構成され、これまでポップアップという形で、高円寺のプロジェクトスペース・キタコレビルを中心に、多肉植物・塊根植物の販売会を開催してきました。今回のWHITEHOUSEでは、今までの彼らの販売形式を維持した上で、leggy_のコンセプトに共鳴する作家と共に展覧会を作りました。
leggyという言葉には「足が長い」であったり、「すらっとした」のように、主に容姿にまつわるポジティヴな意味と、「徒長」という否定的な意味の2通りがあります。「徒長」とはすなわち、無駄に伸びている様態や、不充分な状態を指し示す言葉であり、こと園芸の世界では栽培の失敗を意味します。しかし、leggy_はその徒長である様にこそ美学的な価値を与えています。不充分であることとは、「人間にとって」という括弧付きの状態であり、人間と伴侶植物の関係における欺瞞性をよく表しています。
植物をある種定量可能なものとして操作してきた人間の長い歴史の中で、素朴に自然な様を見て愛することが最も困難な事になりつつあります。leggy_の収集した植物たちはそのような自然が肯定されているため、一見すると歪なものばかりですが、自然と再び正しい関係を結ぶための第一歩となるはずです。
多肉植物や塊根植物の世界的ブームはコロナ禍でさらに加速し、本来地域局所的な発生をするはずの様々な種が気軽に世界中の自宅の中に登場するようになりました。それらは自然への郷愁感や焦燥から生まれた結果であり、本来的に不自然な状態である多肉植物という身近な自然を通して、その焦燥は日々ドライヴしています。
不自然の中から自然を考えること。
今回の展覧会で展示されている植物やアートワークはほとんどが購入可能です。自然に対するleggy_の素朴な挑戦は各家庭やプライベートの中にleggyな植物が登場する事で初めて真価が発揮されます。店主の西村健太がスペシャルドリンクを考案しましたので、是非飲みながら、ゆっくりとしたleggy_の時間を堪能していただけたら幸いです。
WHITEHOUSE Official Website:https://7768697465686f757365.com/portfolio/wh-027-leggy_/