ファースト・ミッション体験日記『アクション俳優』
vol. 58 2020-11-18 0
映画『ファースト・ミッション』の応援ありがとうございます。
出演者&小説家の大仏見(オオフミ)でございます。
いよいよ年末も近づいてきまして、リハーサルも始まりました!
ここ最近はアクション稽古も自主トレも忙しく、出演者共々汗を流しながら楽しくやっております。
さてさて、「アクション稽古」、「リハーサル」という言葉がでてきましたが・・・
何が違うの?という点や、撮影裏話など、このブログをご覧のクラウドファンディングご支援者、
映画ご協力者、ご興味がある皆々様に
いち出演者で映画撮影初参加でもあります「しろうと」な僕から
お伝えしたいと思っております。
まずは、こちらの図をご確認ください。
大まかに、ファースト・ミッションはこんな予定で進んでおります。
STEP1の「アクション稽古」・・・を説明する前に、さらにSTEP0が存在します。
それはなんと!
そう、オーディションです。
ファースト・ミッションに参加したい!楽しさの輪を広げたい!
という猛者たちが
われよ我よと繰り広げる人生活劇。
それが「オーディション」です!
オーディションの様子は 以前のブログ(アップデート)に掲載されておりますが
この時僕は、「参加したい」側の人間だったのですね。(今もですが)
忘れもしないオーディション当日。
会場に入るとそこには「映画で観た動き」を呼吸のように繰り広げる
スタントマンや出演希望者がいたのでありました。
そりゃもう、縦に横に回転してました。新しい世界に来ちゃった!と思いましたよ。
※およそ現実で見たことない動きを目視
オーディション希望者には事前に「二人一組」のアクション振付がわたされておりました。
オーディション用のアクションというものです。
頭の中は振付の手順を忘れないことでいっぱい。
もう何も入らないよー、という状況。
オーディションが始まる前、
とりあえず身体を慣らすために、二人一組でゆっくり練習となりました。
なんと! オーディションなのに!
現場にいるスタントメンバーの方々から丁寧に「突きや蹴り」の注意点や
今回のアクションのポイントなども教えていただいて、
まるでアクション教室に無料で通っているようなありがたい時間になりました。
教え方も優しく丁寧で、わかりやすく。
「さすが平均的な男性より、地面と床の冷たさを知っているな!」
と思ったものです。
危険な業務と背中合わせの人たちは、心が清らかですね。
もしくは
「虎はなぜ強いと思う?もともと強いからよ!」
とか思ってるかもしれませんね。
油断するな!男は敷居を跨げば七人の敵ありだぞ!
と、そんなことを考えていると急に事件が起きました。
「女優さんのアクションに参加して」
どゆこと!? こっちは自分のアクションで手一杯ですけど!?
急な「女優vs複数男性」のオーディション勃発です。
女優さんとの急なアクション。
これはあれですか? 映画『MIB(メン・イン・ブラック)』であった、
「テストの本質」はペーパーテストではなく、テスト会場での「機転を利かせた対応」が評価される、とか、
そんな曲がった本質を見極めるテストだったりしますか?
こまるわー。それ、こまるわー。
自分の振付も忘れるし、自分がトチッたら女優さん不合格なっちゃうかもじゃん?
ケガさせたら、さらにお互い困るじゃん?
という思いを表情には出さず(さすが役者希望)やっちゃうわけですよ。
アクション、やっちゃうわけですよ。これが背水の陣というやつですよ。
そして案の定失敗しながらも、女優さんとのアクションは進み、無事に終了しました。
オーディション後の初稽古の時に、その時の女優さんがいて安心したものです。
(おめでとう山下あこさん。君を羽交い絞めにしたのは僕だ)
そして無事に(?)オーディションも終わりまして、選抜もあり、
いよいよSTEP1の「アクション稽古」に進んだわけですね。
時は2020年9月。夏真っ盛り。
今年は特に暑く感じる夏。
暑いから蚊もあまり飛び立たない夏。
(気温35度以上だと蚊も身をひそめるらしいです)
「アクション稽古」とは何かといいますと、「撮影前に本番同様の環境で行うリハーサル」ではなく、
僕のように野武士みたいな無秩序野郎を
「きちんと演技ができて、綺麗に見える・見せられるアクション」を身につかせるための稽古です。
もちろんそれは、お互いが節度を持ってケガの無いように撮影できる基本作り、の時間です。
全てが新鮮でした。
スタントチームの方々&ハヤテさん、という一線を行くプロフェッショナルによる稽古。
ハヤテさんにはよく言われたものです。
「アクションはセリフと一緒。きちんと相手に渡してあげて、相手が反応しやすい演技の間合いを提供してあげる」と。
つまり、普通のお芝居における
これが、アクションだと
となるわけですね。
・自分の意思を伝えた攻撃を行う
・相手が受けやすい(避けやすい)力加減とポジションをキープ
・相手のリアクションに、攻撃側も反応する
・攻撃を受けた側も「何が伝えられ、どう行動を取りたいか(とるか)」を見ている人に分からせる
以上を計算。
これ、簡単じゃないです。
すべてが1秒以内、0.5秒よりも少ない時間で判断しなければいけません。
とんでもなく高度なことをパッパとやってしまう。驚異の人々。
それがアクション俳優。
そんな人々と一緒に映画を作れる喜びと楽しみを今後もこのブログでお伝えしていこうと思います。