覚え書き
vol. 16 2022-08-30 0
覚え書き。
始まりは一年以上も前のこと。
去年の5月に、この物語の初稿を書きました。当時のタイトルは『憧れ』だったかと思います。
最初はAFFという文化庁の助成金で映画を制作しようと考えていたのですが、
エントリーをするためには団体である必要があった為、
協力してくれる仲間を集めて任意の新規団体を作り、
定款や議事録、予算計画、銀行口座を開設しました...。そのどれもが私にとっては不慣れで、難解で、骨の折れる工程でした。
そうやって沢山の時間と労力を割いてなんとか申請を完了し、結果が出たらすぐに動けるようにと当時の仲間にも協力いただきながら準備を進めていたのですが、
残念ながら結果は不採択。
とても落ち込みました。少し泣きました。
当然のことながら、資金がなくては、映画を撮ることはできません。
そこで、やむなくチームも解散させることとなりました。
これが一つ目の挫折です。
当時のメンバーには、私の初めての挑戦に真剣に向き合ってくれたこと、本当に感謝しています。
そして、1人になった私は
期限に縛られず、シナリオを練り直し、ゆっくりと確実に計画を再考していこうと考えるようになりました。
まずは本が面白くないことには始まらない!と。
それからは、心理学の本や、hspに関する本、その他専門書などを読み漁り、また時にシナリオに行き詰まると脚本の書き方に関する本などにも手を伸ばし、とにかく沢山の知識をインプットしようと試みました。
それが本を良くするために必要なことだと思ったからです。
しかし、情報が増えれば増えるほど、私の中で思考が絡まり、また新たな迷いや葛藤も生まれました。
不安から、身近な方にシナリオを読んでいただいたり、助言を仰ぎました。
しかし、意見をいただき、修正を重ねるうちに、かつて「面白い」と思えていたこの物語に私自身が何も魅力を感じなくなってしまったのです。
なかなか合格点を得られない自分には才能がないのだと苦悩したこともありました。
今思えば、客観的な「正しさ」を追うあまり、「本来の自分が描きたかったもの」を見失ってしまっていたのだと思います。
それから3ヶ月ほど、私は何も書けないスランプに陥りました。
もう辞めてしまおうか...
そう何度も考えました。
これが、二つ目の挫折です。
ところが長い長いスランプの末、
偶然の出来事や出会いなどにも感化され、
再び物語と向き合うことを決めました。
そして去年のクリスマスイブに、1人、ガストにこもり8時間くらいかけてシナリオを直したのです(ガストさんごめんなさい)
「少し面白さが戻ってきた。この調子」
更にバレンタインデーに、またパソコンを持ってガストに篭りました(なぜカップルが盛り上がる日にばかり私は作業を頑張ろうとするのか、、、笑)
そして2/14 、今のシナリオの形が完成しました!
「できた!」
念のため一晩置いて、読み直しました。
おっと面白いぞ!いいんじゃないだろうか?
さらに念のため、
人にも読んでもらいましたが、概ね「面白い」「良い」と言っていただけるようになりました。
面白い本があればこっちのもんだ!
と、今度は資金集めに動き始めるのですが、
協賛を求めるメールも電話も取り合ってもらえるはずもなく、
いざ話を聞いていただけても「誰か有名な人でるの?え、あなたが主演?だめだょー。〇〇(有名女優)とかじゃないとさぁ」と苦言をいただき、どれも実らず。
スタートアップ向けの映画制作助成金の説明会を受けてみたり、問い合わせてみたりもしましたが、
団体に属さない個人の、しかも完全に初めての(過去に映画制作の実績のない)私のようなケースは、どの助成金の用件も満たせないことが分かりました。
本当の意味でのスタートアップの制作者が得られる支援は現状ほぼ皆無。なるほど、映画を創りたい新米監督には、自己資金という手段しかないのか....
これが三つ目の挫折です。
仲間もまだ、資金もまだ、キャストも決まっていない、、、
そんな中、私にあるのは絶対に曲げられない頑固な意志と、しっかり長編尺に作り上げたシナリオだけでした。
イチカバチカ...もうこれしかない
私が最後に頼ったのが「クラウドファンディング」でした。
それから、メインキャストの俳優さん方にオファーをし、
中根プロデューサーと計画を練り、
諸々の準備を進めてクラウドファンディングを開始したのでした。
改めて、
メインビジュアルの撮影をしてくださった澤田もえ子さん、
特報映像の撮影を担当してくださった村上岳さん、
VFXで完璧なサクラソウを咲かせてくださったひらさわともさん、メインキャストの皆様、中根プロデューサーには感謝の気持ちでいっぱいです。
6/10から始まったクラウドファンディングも、早3ヶ月。
始めるまでは迷いもありましたが、今はやってよかったと心から思います。
なぜなら、このクラウドファンディングを通して「頑張ってね」「とても楽しみにしているよ」と声をかけてくださるご支援者の方に出会えたから。
「映画」というもの、またその体験が、どれだけ多くの人に愛され、求められているのかを知ることができたから。
沢山の皆さまの温かいお気持ちに触れることができたから...。
これまでに100人以上の方がご支援くださいました!
何とありがたいことなのでしょう!
感謝の言葉が見つかりません。
ありがとう、ありがとう、
たくさんのありがとうを胸に、これから必ず良い作品にして参ります!お約束します!
残り2日!最後までどうぞお見守りください。
映画『憧れdoll』みやび