松田晋二さん(THE BACK HORN)からのメッセージ
vol. 29 2018-09-29 0
この度、『ライズ −ダルライザー THE MOVIE−』の主題歌のプロデュースを担当致しました、THE BACK HORNの松田晋二です。
今回の主題歌プロデュースは自分にとってとても貴重な経験になりました。
関わらせて頂き本当にありがとうございました。
プロデューサーの和知君との出会いは、ここ数年毎年白河市で開催されている音楽イベント、風とロック芋煮会での楽屋で、偶然にも同じ白河高校に通っていた事が発覚したり、共通の知り合いがいたり、すぐに意気投合しました。その話の流れで、この映画の話になり、とにかく映画制作にかける熱い思いを聞かせてもらいました。影響を受けた映画の話、地元で働く事について、震災以降の街の在り方について、いわゆるカテゴライズされるヒーロー映画の枠をはみ出し、一市民としての白河愛、人間愛を描く映画を目指しているんだと感じました。この映画を通じて見た人を立ち上がらせたい、それぞれの中にある可能性を奮い立たせたい。真っ直ぐな目で切実に話している姿を今でも忘れません。
そんな映画の話を一通り聞いた後で和知君から、
「ところで松田さん、松田さんにこの映画の主題歌制作をお願いしたいのですがやって頂けますか?」
と唐突なオファーをもらいました。正直、出会って20分も経たないうちに映画の主題歌のオファーを受けたのは20年のミュージシャン歴の中でもちろん始めてです。狙いだったのか、ただ純粋なオファーだったのか、答えは聞いていませんが、既にあの時自分も頭の何処かで、どんな曲調が良いか、メンバーをどう集めようか、この時から引き受ける気満々で主題歌の事を考えていたように思います。
それから、後日改めてやらせて頂く旨をお伝えしました。
今まで、何度かバンドでも映画の主題歌を担当させてもらった経験の中で、特にエンディング曲の場合、その物語をどう終わらせるか、観た人にどういう余韻を感じて欲しいか、映画のストーリーやメッセージに深く関係するのが主題歌の素晴らしさであり難しさでもあると感じていたので、映画のセリフとはまた違う言葉で伝える役割として物凄く重大な責任を感じていました。脚本の紆余曲折がある時から、どう終わらせるか、最後に何を感じてもらいたいかという話は、和知君と徹底的に詰めました。何度も何度もやり取りをして完成したのがArcier(アーシア)です。
約一年以上の期間をかけて完成する事になりますが、その間に作曲してくれた元WHITE ASHの山さん、歌ってくれたSILENT SIRENのすぅさんが参加してくれる事が決まり、福島出身のミュージシャンで音楽を作りたいという最初からの想いも現実となり、同じ福島に愛を抱くミュージシャン達の皆んなの想いが集結した主題歌になったのは本当に僕自身も嬉しく思います。
サウンドは、和知君の要望だった、ヘビーでダークな洋楽テイストの本格的なロックサウンドを追及し、歌詞は、
争う事とは?わかり合うとは?生きる事とは?というこの映画の本質的なメッセージに対し、僕らは本当に、争わずに誰も傷つけずに生きていけるのか?という視点を用いて主題歌として更に深く感じてもらえるようなメッセージを込められたと思っています。すぅさんの、繊細で透明感のある歌声がこのArcier(アーシア)に命を宿してくれました。儚くも力強い曲に仕上がり完成した音を聴いた時には胸に込み上げるものがありました。
長くなってしまいましたが、今回のクラウドファンディングでより沢山の方々にこの映画が届いきますよう心から願っております。そしてそのリターン品としてArcier(アーシア)がCDパッケージ化されますが、そこに新たな一曲が加わります。この曲は、制作時にArcier(アーシア)とはまたテイストの違う曲調で劇中歌みたいなのがあったら、もっと音楽で映画を盛り上げる事が出来るのかなと思い、山さんと一緒に作った曲です。色々と話し合いの中で結果映画の中では登場しませんが、心の奥でそっと寄り添ってくれるしっとりとした幻の曲です。そしてこの曲は作曲者である山さん自身が歌う事になっております。Arcier(アーシア)とまた違った世界観を是非楽しみにしていて欲しいと思います。同じ福島出身として、この映画の制作チームの一因になれた事本当に感謝しております。
皆さまの力でぜひ全国にこの映画を羽ばたかせてあげてください。
そして、このArcier(アーシア)が沢山の劇場で響き渡りますように。
引き続き応援の程よろしくお願い致します。
松田晋二 THE BACK HORN
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