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TIPS - 2020.01.11

【超簡単】クラウドファンディングを成功させるリターン戦略とは?具体的な事例に基づいて徹底解説!

クラウドファンディングの「キモ」と呼べる「リターン」。でも、どう設定すれば良いかなかなか分からないですよね。ここでは、購入型、融資型など各種別におけるリターンのありようや、プロジェクトを成功に導くリターン設計を実例付きで紹介します!

クラウドファンディングの種類別・リターンの内訳

 クラウドファンディングは大きく下記5種類に分けられ、種類によってリターンは異なります。

  • ①融資型:希望融資先が同じ他の資産家と資金を出し合い、大口化してコレクターに融資する仕組みです。いわゆる「ソーシャルレンディング」としても知られています。
    • リターンは「元本+利息」となります。平均利回りは5-10%と、他の投資先に比べて高く設定されています。「元本+利息」が、まとめて支払われる場合もあれば、毎月分割で支払われる場合もあるので、投資前に必ず確認しましょう。
  • ②株式型:(主に)非上場企業株の株式に投資することが可能な種別です。上限は50万円。
    • リターンは、「企業の株」となります。支援した企業が上場した場合、配当金を得られるほか、売却することによって多額の利益を得られる可能性が高いです。ただし上場が果たせなかった場合、リターンはなくなってしまうため文字通り「ハイリスク・ハイリターン」な種別であると言えます。
  • ③ファンド型:プラットフォームが、特定の事業に対して個人投資家から出資者を募る仕組みです。出資者は、売上等の成果や、出資額に応じた金銭的なリターンを受け取る事ができます。
    • 融資型クラウドファンディングと似ていますが、リターンの内容が微妙に異なります。融資型では「元本+利息」という形で利回りが計算されていましたが、ファンド型では、「売上に基づく分配金」で利回りが計算されます。つまり、投資した事業が目標を達成できていれば事前の想定通りの分配金が受け取れるものの、目標が達成できていない場合は分配金が下振れしてしまいます。
  • ④購入型:購入型クラウドファンディングは、コレクターが商品の開発などに必要な資金を提供する代わりに、出来上がった商品等をリターンとして受け取れるという仕組みです。一般的に「クラウドファンディング」と言ったらこちらの種別を想像される方が多いかと存じます。
    • 次の項で詳しく説明しますが、購入型のリターンは「モノ・サービス」になります。単純な投資ではなく、「経験」や「プレミア感のあるモノ」に投資できることが購入型の最大の魅力です。
  • ⑤寄附型:クラウドファンディングの仕組みを利用した寄附です。認定NPO法人や自治体など、公益的な活動を行う団体に対する出資となります。
    • 全額寄附に使われるため、基本的にリターンはありません。

 それではMOTIONGALLERYが担当する種別であり、リターン設計が最も難しい「購入型クラウドファンディング」における戦略について解説していきます。

より多くの支援を得られるようなリターンとは?

 プロジェクトを成功させる、理想のリターン戦略とはどのようなものか?これは、購入型クラウドファンディングの最大の命題と言えます。

 リターンの設計においては、「①価格帯」「②種類」「③ユニークさ」がキーワードになります。

 「価格帯」の設定はクラウドファンディングの成否を決定付ける要素と言っても過言ではありません。極端な例ですが、100,000円のリターンと500,000円のリターンしかない場合、どれだけそのプロジェクトやリターンが面白いものでも成功するのは厳しいでしょう。あくまでも「クラウド=群衆」から支援を得られるものでなくてはなりません。

 「種類」については、多い方が良いのか少ない方が良いのか見解が分かれるところです。「ジャムの法則」(ジャム売り場に、24種類のジャムと6種類のジャムを並べた場合、顧客は6種類のジャムを買ってしまう現象)を使って「リターンを多くしすぎる必要はない」と解説されているサイトもありますが、MOTIONGALLERYではむしろリターンが少なすぎる方が問題だと考えております。実際に、MOTIONGALLERYで大きな成功を収めたプロジェクトにおいては7-10種類のリターンが用意されていることが大多数です。

 特に平均支援額単価の高いコアファンは、リターンの種類が多くても必ずその中で自分が欲しいものを見つけ出すか、あるいは複数のリターンに応募します。少なくとも10種類前後はリターン案を用意しておくのが良いでしょう。

 上記2点の「基本」を押さえた上で重要になるのが「ユニークさ」となります。成功したプロジェクトをある程度見ていくと、リターンのある種の「型」は見えてくるかと存じます。「型」を踏まえた上でどれだけ「ユニーク」なリターンを用意できるか、ということを考えていくことが目標金額到達へのカギとなります。「ユニークさ」とは、そのプロジェクトのオリジナリティを表現するものです。プロジェクトの制作過程や完成品の面白さを、コレクターに対してプロジェクト実施以前に示せるものであり、プロジェクト自体をよりクリエイティブに見せることもできます。ここは、次項で実例を交えながら詳しく紹介していきます。

(小見出し:MOTIONGALLERYにおける成功事例)

 MOTIONGALLERYにおいてリターン戦略の妙により成功したプロジェクトの実例を3つ紹介します。

  • 芥川賞作家・柳美里とあなたがつくるブックカフェ ―福島県南相馬市 本屋「フルハウス」に、あなたの思いを染み込ませたい―

 芥川賞作家の柳美里さんが、福島県南相馬市にオープンした本屋にカフェスペースを増設し、地域の方々と来訪者の交流スペースを作るというコンセプトのプロジェクトで、目標金額は1,700万円と比較的高めでしたが、最終的には1,880万円もの資金を調達しました。

 リターンは12種類用意されており、3,000円の「お気持ちだけ支援コース(サンクスメール+Facebookグループ加入権)と5,000円の「オリジナル冊子コース(オリジナル冊子+サンクスメール+Facebookグループ加入権)」だけで1,000人以上の支援者から450万円近い支援を集めました。

 この着実な「面的」支援に加えてユニークだったのが、柳美里さんが「あなたのために」3冊の本を選書するという「柳美里による選書コース(3万円)」です。芥川賞作家ならではのこのリターンには196人の方が応募、このリターンだけで588万円ものお金が集まりました。

  • 16年間走り続けて来た侍JAZZバンド「PE’Z」、 一夜限りのラストライブの永久保存版映像を作り上げるプロジェクト!

 日本ジャズバンド界のレジェンド、PE’Z。ラストライブに際しての永久保存版映像を作り上げる本プロジェクトには、目標金額300万円を大きく上回る1,740万円が集まりました。

 12,000円のラストライブ映像で多くのファンからの支援を獲得(589人、約707万円)しつつ、コアファンに向けてはなんと「過去のライブ&ラストライブでメンバーが実際に着用した衣装をプレゼントする」というユニークなリターンを用意しました。20万円の衣装や30万円のラストライブ衣装リターンにも応募が集まりました。

 最終的には約20種類の衣装リターンに33人の方が応募、このコースだけで318万円の支援を集めました。

  • 「消費者」から「文化の創造者」になろう!「パーマカルチャーと平和道場」プロジェクト@千葉県いすみ市

 「パーマカルチャー」とは自然とつながり自給自足の生活を志す生き方のことです。耳慣れない言葉かと存じますが、起案者の独特なリターンアイデアにより660万円を集めました。

 3,000円の「サンクスメール&コレクター限定UPDATE」リターンに108人、「10,000円の道場オープニング記念大パーティ招待」リターンに161人が支援と、まずは「面的」な支持を得られるリターンで着実にお金を集めました。

 特筆すべきは、5万円のリターンに「二泊三日パーマカルチャー合宿」を用意し、30人の方からの応募を集めたことです。また20万円の「出張ワークショップコース」も3人の方から応募いただきました。

 ポートランドで生まれた新しい文化でありながら、ユニークなリターンが功を奏してプロジェクトの成功に至った好例と言えます。

まとめ

 このように、「3,000-5,000円で1つの山を、1万円でもう1つの山を作りつつ、さらに高い価格帯でユニークなリターンを用意」が黄金パターンであることがお分かりになったかと存じます。

オススメの戦略は、ライトファンに向けて3,000-5,000円のリターンを用意し「面」での支援獲得&SNSでのPRを期待、ミドルファンまで視野に入れられる1万円のリターンも用意しつつ、コアファンに向けて1万円以上のユニークなリターンを用意し「点」での多額支援を獲得、というターゲットのニーズに応じたリターンの割り振りを行うことです。

例えば映画のプロジェクトであれば、

 3,000円→サンクスメール+シナリオデータ(ライトファン向け)

 5,000円→サンクスメール+シナリオデータ+パンフレット(ライトファン向け)

 10,000円→サンクスメール+シナリオデータ+前売り券+パンフレット+DVD(ライト+ミドルファン向け) 

 30,000円→サンクスメール+シナリオデータ+前売り券+パンフレット+DVD+出演者or監督からの直筆メッセージ入りポスター(コアファン向け)

 100,000円→サンクスメール+シナリオデータ+前売り券+パンフレット+DVD+出演者or監督からの直筆メッセージ入りポスター+「アソシエイト・プロデューサー」としてクレジット(コアファン向け)

 これがオーソドックスなプランとなり、ここからどれだけ「ユニークさ」を出していけるかが勝負になります。

 これからプロジェクトの起案を考えていらっしゃる方は、この記事を参考にしてご自身なりのリターン設計をしてみてください。勿論、「どうすれば良いかわからない……」という際には、MOTIONGALLERYにご相談くださいませ!

※ラジオ番組を始めました!編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が、日本最大級のクラウドファンディングサイト「MOTION GALLERY」のプロジェクトを紹介しながら、アートやカルチャーにまつわる話題を、ゲストとともに掘り下げていく番組です。下記の画像をクリックいただき、是非お聴きくださいませ。


この記事を書いた人

MotionGallery編集部

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