「日本仕事百貨」を運営するシゴトヒトとNPO法人グリーンズがオフィスを構え、さまざまなイベントを行っている「リトルトーキョー」。
まもなく2年を迎えるこの場所は、「MotionGallery」で集めたクラウドファンディングの資金がいかされています。
プレオープンとしてお披露目となったのは、2013年7月28日。そこから10月のグランドオープンに向け、200万円を目標額にクラウドファンティングがはじまりました。最終日まで目標達成50%だったにも関わらず、一日で100万円以上が集まる奇跡的な展開。結果、231人から221万9000円を集めることに成功します。
資金の使い道は、もともとお寿司屋さんだった建物のリノベーション費用や什器などの備品代、空き地に新たにつくるショップ(現在の小屋ブックス)の制作費など。出資者へのリターンにはコレクター限定イベントへの招待、オリジナルカクテル命名権、スタッフによる出張人生相談などユニークなものもありました。
そもそも、どうしてクラウドファンディングでお金を集めたのでしょうか。また、そこから何が生まれ、何が育ってきているのでしょう。今回は日本仕事百貨のナカムラケンタさんとグリーンズの小野裕之に話を聞きました。
「自由なお金」としてのクラウドファンディング
石村 まず、リトルトーキョーをどうしてつくろうと思ったんですか?
ナカムラさん 都市って家賃も高いし、生活するコストのために働かなきゃいけない。いろいろな制約がある中で、あえて都市の中に「自由な空間」をつくって、「不自由」を感じている人たちに知ってもらうことで、一歩を踏み出すきっかけになればいいなと思いました。
そんな場所を、自由なお金を使ってつくりたいなと考えたんです。
石村 そのときに、クラウドファンディングという選択肢があったと。
ナカムラさん 単にお金を集めるだけではなく、そこから縁が生まれたいいなと思ったんです。コミュニティをつくるということですね。
リトルトーキョーってある意味、「人工的にコミュニティをつくってみたらどうなるんだろう」という実験なんですよね。新しい民主主義のあり方を考える “市民制度”など、いろんなことにトライするなかで、そのひとつがクラウドファンディングでした。