facebook hatenabookmark line motiongallerymagazine next prev top twitter

LIVE&EVENT - 2017.05.17

佐藤直樹個展「秘境の東京、そこで生えている」遂に会期がスタートしました!

MotionGalleryのクラウドファンディングで応援いただいた、佐藤直樹氏の個展「秘境の東京、そこで生えている」が、現在アーツ千代田3331で開催中です。 デザイナー・アートディレクターとして活躍してきた佐藤氏が2012年頃から描き始め、「描くのが止められない」という木炭画の植物たちは、「3331」の広々としたメインギャラリーを埋め尽くし、会期中にも幅100mから150mへと増殖を続けています。 熱気に包まれた公開直前の内覧会と、オープニングパーティの模様をレポートしました。

増殖をやめない植物パノラマに囲まれる

閉校後の中学を利用したアーツ千代田3331。昇降口の面影を残すエントランスを入り、応援してくださった方々の名前が記された白壁の通路を抜けると、その先には、くろぐろと茂る植物の世界が広がります。

クラウドファンディングにご参加頂いた、MotionGalleryのコレクターの方のお名前が展覧会場入り口に掲出されていました!

作品の手法は、「天地1.8メートル、左右0.9メートルの板を横へ横へと継ぎながら、構図も考えず下絵もなしに、日々目に飛び込んでくる植物などをひたすら描きつける」というもの。たしかに、道端や庭の片隅で見かける雑草や草木が描かれているのですが、見慣れたものとはどこか違う表情と異様な迫力をもって、四方の壁から迫ってきます。

佐藤氏はデザイナー・アートディレクターとしての長いキャリアをもち、アーツ千代田3331の立ち上げメンバーでもあります。デザインの仕事をする上で「自分から絵を描くことを避けてきた」という佐藤氏が、なぜこのような形で描き始め、かつ「描くことをやめられなくなってしまった」のでしょうか。その衝動について、佐藤氏は次のように語っています。

「『絵って何なのかなぁ』ということは子どもの頃からずっと考えてきて、50年くらい考えてもわからないままですが、最初に意識した時のことはよく憶えているのです。幼稚園の年少組か年中組の時でした。ひとりで鯉のぼりを描いていたのです。が、見られていると気づいた瞬間、人目を意識するようになり、それまで得ていたはずの、確かなものを手放してしまった感覚が残りました。意識すると見失ってしまう。『絵』にはそういうところがあるようなのです。

その時のことを思い出しながら、その前の状態に戻れないものかということをいつしか考えるようになりました。最初の最初にあったのは、目に見えない何かとやりとりをすることだったんじゃないか。人がそれなしには生きられなかった、目に見えない何か。今のように多層なシステムによって生かされていると、感じ取り難い何か。存在の気配としか言いようのないもの。

『それ』を私があらためて感知できたのは、思春期の一時期を過ごした荻窪を歩いていた2011年でした。『それ』はただそこに生えるように存在していたのです。そしてその直後に、大地は大きく揺れたのでした。」

(個展公式サイト「Artist Statement」から抜粋)

2013年に東京電機大跡地の壁に描いた「そこで生えている。」は、大きな反響を呼び起こしました。今回は、この2013年の復元壁画(約10メートル)、2014年から完成も予想せずひたすら描き継がれているパノラマ画に加え、天地2.4メートルの板に植物を一体ずつ描いた連作「植物立像」も展示されています。一体一体が強い存在感を放つ植物たちが見下ろす「植物立像」の展示室もまた、濃密な空気に包まれています。会場には、画面に顔を近づけて細部を眺めたり、展示室の中心から四方を見渡したりしながら、展示室を繰り返しめぐる人が多いのが印象的でした。

イベント多数。各階からの応援を取り込み、作品はさらに増殖中!

内覧会と並行し、エントランスで開かれたオープニング・パーティは大盛況で、まさに立錐の余地もないほど。「デザイナー・佐藤直樹」から「アーティスト・佐藤直樹」への転身を応援する人々の熱気を肌で感じることができました。パーティ席上で、本展のディレクターを務める金上みはる氏には、次のようなコメントを頂戴しました。

「植物は、人間とは比べ物にならないくらい、はるか昔から生えていて。佐藤さんはそのエネルギーをダイレクトに受け取って、描き始めたら止まらなくなってしまった、というのが今に続いています。自分の得た植物のエネルギーを絵に吐き出して、そのチカラがさらに増幅されて、こちらにもざわざわと伝わってくるんですね。もうこれからは絵を中心にしていくという佐藤さんの決心を聞いて、心底応援したいと思いました。今回、多くの方々の後押しを得て、これだけの規模の展覧会を開けたのはすごくラッキーなこと。多くの方にぜひ足を運んでいただいて、このエネルギーをじかに受け取る快感を味わっていただけたらと思います」

尚、会期中には、トークセッション、ライブ、パフォーマンスなど、全部で16ものイベントが予定されています。内容も出演者もとても豪華。その背景には、音楽や身体表現など、自分が感化されてきたアーティストの活動も、絵と切り離さずできるだけ盛り込みたい、という佐藤氏の思いがあるといいます。

あちこちで根を張り、繁茂する植物が発する「何か」。人の中に渦巻く、得体の知れない力。それらを取り込んで増殖する作品群に囲まれる本展は、さながら黒い森林浴のよう。見ているうちに、自分の内側でも目に見えない何かが動き出す――そんな体験ができるかもしれません。

展示会情報

<開催概要>

タイトル:佐藤直樹個展「秘境の東京、そこで生えている」

日程:2017年4月30日(日)~6月11日(日)
休場日:火曜日
時間:12:00-19:00

※5/4(木祝)5/12(金)5/13(土)5/19(金)5/27(土)6/3(土)はイベントのため18:00閉場

会場:アーツ千代田 3331 メインギャラリー
入場料:一般 800円/シニア・学生 700円/高校生以下・障害者無料

主催:そこで生えているプロジェクト実行委員会

<展覧会>

2014年より描き始められ今も制作が続く100〜120メートルに及ぶ「そこで生えている。」シリーズ、新作の植物立像図(2.4×1.2メートル)26枚、 2013年に東京電機大学跡の地下で「そこで生えている。」のタイトルで最初に描かれた3.6×9.5メートルの壁画からなる三部構成。(空間構成=生西康典)

<同時開催>

佐賀町アーカイブ
http://www.sagacho.jp/ja/exhibitions/

また、歌手や現代美術家、ダンスパフォーマーといったさまざまなアーティストとのコラボレーションイベントを開催します。

【コラボレーションイベント日程】

  • 5/18(木):ナイトツアー 山崎阿弥「声が灯す夜のとばり」
  • 5/19(金):山川冬樹「世界内部空間」
  • 5/23(火):ライブ テニスコーツ「無人島で聴きたい音楽」
  • 5/27(土):踊る人体ヌードデッサン会 川口隆夫「Slow Body―脳は感覚を持たない」
  • 5/28(日):トークセッション 水沢勉×中村政人×佐藤直樹
  • 5/30(火):ライブ 大友良英「2台のギターによるワンマン・アンサンブルズ」
  • 6/1(木):ナイトツアー 山崎阿弥「声が灯す夜のとばり」
  • 6/3(土):ライブ 今井和雄×越川T×多田正美(マージナル・コンソート)
  • 6/6(火):パフォーマンス 首くくり栲象×向島ゆり子「奇蹟の園」

各イベントの詳細は下記URLからご確認下さい。
http://ithasgrown.com/event

<主催者プロフィール>

佐藤直樹 NAOKI SATO

1961年東京都生まれ。北海道教育大学卒業後、信州大学で教育社会学・言語社会学を学ぶ。美学校菊畑茂久馬絵画教場修了。1994年、『WIRED』日本版創刊にあたりアートディレクターに就任。1998年、アジール・デザイン(現アジール)設立。2003~10年、アート・デザイン・建築の複合イベント「セントラルイースト東京(CET)」をプロデュース。2010年、アートセンター「アーツ千代田 3331」の立ち上げに参画。サンフランシスコ近代美術館パーマネントコレクションほか国内外で受賞多数。2012年からスタートしたアートプロジェクト「トランスアーツ東京(TAT)」を機に絵画制作へと重心を移し、「大館・北秋田芸術祭2014」などにも参加。札幌国際芸術祭2017バンドメンバー(デザインプロジェクト担当)。3331デザインディレクター。美学校「絵と美と画と術」講師。多摩美術大学教授。

http://ithasgrown.com/


Apple touch icon 152x152

この記事を書いた人

MotionGallery編集部

MotionGallery編集部です。

https://twitter.com/motiongallery/


この記事を
シェアする!

Twitter

Line

Follow Us
Motion Galleryをフォローする

各種ソーシャルメディアでも、MotionGalleryの情報を配信中。今すぐフォローして最新情報をチェックしよう!