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その他 - 2014.12.06

アートを介して新しい記憶を作る映画『ミタケオヤシン』トークイベントレポート

現在全国で公開中の『ミタケオヤシン』。2014年12月6日(金)、新宿バルト9にて、主演の加藤翼、監督の江藤孝治、そしてアーティスト集団のChim↑Pomのエリイ、卯城竜太を交えたトークイベントが開催されました。江藤監督、加藤翼、エリイは同じ大学で学んでいた友人ということで、ざっくばらんな雰囲気。

世界各地で参加型のアートプロジェクトを行っているアーティスト、加藤翼。彼が2008年からプロジェクトは「引き倒し」や「引き興し」と呼ばれているもの。その土地や人々の歴史に根ざした巨大な木製の構造体をまずつくり、その場にいる人々とともにロープで倒したり、興したりすることで、シンプルでありながらも多くの人々とのあいだのなかで達成感や物語を共有することを狙いとしています。2011年に福島県いわき市にて、震災瓦礫によってつくられた構築物を300名以上の人と共に引き興す「11.3 PROJECT」を行うなど、国内外で精力的に活動を行っています。

〜加藤翼 Tsubasa KATO プロフィール〜

1984年生まれ。現代アーティスト。無人島プロダクション所属。武蔵野美術大学を卒業、東京藝術大学大学院を修了(M.F.A.)後、森美術館の「六本木クロッシング2010」(同展にて隈研吾賞を受賞)でデビュー。主な展覧会に「Now Japan」(2013/Kunsthal KAdE美術館/オランダ)、「3・11とアーティスト:進行形の記録」(2012/水戸芸術館/茨城)、「Project Daejeon 2012:Energy」(2012/テジョン美術館/韓国)など。



■アートイベント「引き興し」が、連関を作り出す

江藤孝治監督による映画、『ミタケオヤシン』は、加藤翼が2013年にアメリカのネイティブ・アメリカンの居留地で行ったプロジェクトの過程を記録したドキュメンタリー作品。タイトルの『ミタケオヤシン』とは、ネイティブ・アメリカン、スー族の言葉で「すべてのものは連関している」という意味です。

アメリカで彼らと友人になり、かつてあった悲しく辛い歴史を知っていく加藤は、「引き興し」をこの地で行うことを思い立つことから物語はスタートします。加藤とパートナーの平野由香里のふたりは、彼らが受けていた迫害や差別の象徴となる建物「インディアン・ボーディングスクール」を模したオブジェの制作に入ります僅かな友人のみしかいない異国の環境で奮闘する加藤や平野のひたむきな姿によって、そしてプロジェクトに賛同した人々によって、連携の輪は少しずつ広がっていき、人々の心に強いさざ波が立っていくのです。

現在全国で公開中の『ミタケオヤシン』。2014年12月6日(金)、新宿バルト9にて、主演の加藤翼、監督の江藤孝治、そしてアーティスト集団のChim↑Pomのエリイ、卯城竜太を交えたトークイベントが開催されました。江藤監督、加藤翼、エリイは同じ大学で学んでいた友人ということで、ざっくばらんな雰囲気。江藤監督は、以前より加藤の活動を記録したいとつねづね考えており、この映画の制作がはじまったのだそう。

■過去の記憶と向きあわせ、新しい記憶が作りだすアートの作用

「アメリカでローカリズムをテーマにした写真を撮りたいと思って、いろいろな人を紹介してもらっていくうちにプロジェクトをやりたいと思うようになった」プロジェクトが誕生した過程を話す加藤は、これから2年間アメリカで活動を行うそう。そんな加藤を「彼のすごいところは、なにもないところから、『やろう』と思って本当ににやってしまうところ」とエリイや卯城は評していました。

一方、江藤監督は当初ネイティブ・アメリカンの悲惨な歴史、そして現在も残るつらい状況のなかに「アートの文脈」を持ち込んでいいものかどうか当初は逡巡していたそう。けれども「『引き興し』をはじめとした現在の出来事によって、過去の記憶は更新されていく。アートを介して彼らのなかに新しい記憶を作っていけるんですね」と、監督自身にも新しい感覚が芽生えたことを語っていました。

■次のプロジェクトは『ミタケオヤシン』のアメリカ上映

「現代アートであれプロジェクトであれ、なにかを行えば間接的であれ、確実に世界を変えていくと信じている」と語る加藤。トークショー終了間際には出演者でありパートナーでもある平野由香里さんとの入籍も電撃発表。大盛況のうちにトークイベントは終了しました。

加藤翼、そして江藤監督の次の目標は、『ミタケオヤシン』をお世話になった現地のネイティブ・アメリカンの方々に見ていただくこと。日本語を英語に翻訳する作業をはじめ、上映にかかる費用は膨大です。そのため、MotionGalleryで趣旨に賛同してくれる方を大々的に募集しています。

まずは、日本で一人でも多くこの映画を見てもらい、そしてこの映画に共感してくれる方が増えてくれるように願っています。

■映画『ミタケオヤシン』国内劇場上映情報

2014年
12月6日〜12月12日: 新宿バルト9
12月6日〜12月12日広島バルト11

2015年
1月3日〜1月9日梅田ブルク7
1月3日〜1月9日横浜ブルク13
1月10日〜1月16日T・ジョイ京都
1月10日〜1月16日T・ジョイ博多

■応援はこちらから!

現代アーティスト・加藤翼とネイティブアメリカンを描いた映画『ミタケオヤシン』を米・インディアン居留地で上映するためのクラウドファンディングは、目標金額は1,750,000円を目指して、2015年2月25日23:59まで実施しております。皆様、是非応援の程宜しくお願いいたします。


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この記事を書いた人

MotionGallery編集部

MotionGallery編集部です。

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