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INTERVIEW - 2021.07.20

BASICで作られる、これから「消費から生産へ」の潮流。: BASIC鼎談(後編)

映画ファンのためのオンラインラウンジ『SHAKE』×『ミニシアタークラブ』×アートの鑑賞体験とアクセシビリティデザインから考えるコミュニティ型研究所『THEATRE for ALL LAB』。BASICを代表する3コミュニティ対談を行いました!今回はその鼎談の後編です!

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前編では、BASICの成り立ちや設計思想についてお話しつつ、現場からの視点を踏まえてのベーシックインカム的な支援による文化活動の基盤造りの必要性について少しお話して来ました。

後編では、始まったばかりのBASICで何が生まれているか、どんな困難があるかというところを3コミュニティの皆様とお話しました!


トピック2. 実際にやってみてどうですか?よかったこと、むずかしいこと

筒井さん

ひと通り、3事業者それぞれの活動を知ることができたところで、ここからは「実際にやってみてどうか?」というところのお話に進められればと思います。

当然、思ったようにはいかなかったことがあったり、やってみて「会心の一撃」で嬉しかったこと、思わぬ知見だったりとか思わぬ示唆が得られた、というようなこともあると思います。

実際に立ち上げてみての感想をエピソードを交えてお伺いさせてください。

では、また朝山さんにファーストマイクお願いしてもいいですか?

・ミニシアタークラブ

朝山さん

ミニシアタークラブの場合、運営メンバー3人それぞれによって感想が異なるのではないか思います。

まず、ユーロスペースの北條支配人は、最近お話をしていて非常に生き生きとしているというか、色んな方とお話できることを楽しまれている感じがしますね。ミニシアターが斜陽産業化していると言われるなか、それでも色んな想いでミニシアター経営や映画制作、映画祭を頑張っている方々がいます。僕らがその方々を紹介して北條支配人とトークしていただくことで、色んな発見を得ているんじゃないかなと思います。そういった意味で、ミニシアターの視野を拡げるというところでのプラスはあったんじゃないかと思います。

例えば最近だと、東京の青梅にあるシネマネコさんが出演してくださってトークをさせていただいたり、鳥取の「ジグシアター」という、新しい映画館を作る活動をしている方々にインタビューを行うなかで、北條支配人がミニシアターの運営をどうしていったら良いか裏でアドバイスしたりと、様々なコミュニケーションが取れているので、面白いかなと思っています。

一方で、僕とか青木さんの方で思ったのは、単にミニシアターを応援しようと言っても、色々なミニシアターがあって応援しづらい環境もあるんだなと思いました。正直、問題のあるミニシアターがあったり、良いイメージ/悪いイメージをそれぞれ持たれているミニシアターが様々あるので、我々としても「どのようなミニシアターを応援しているのか」というポジション取りを慎重にしていかなければいけないと思っています。

あとは、Facebookで活動をしているなかで、ひとつひとつの活動に対してもう少しリアクションが欲しいな思っています。

筒井さん

朝山さん生々しいお話をありがとうございます。

言及されていたシネマネコさんの動画も拝見しましたが、面白かったですね。

(ミニシアタークラブ:https://basic.motion-gallery.net/community/minithe...

THEATRE for Allさんはどうですか?

THEATRE for All

山川さん

そうですね。2月から始めて今4ヶ月目なんですけど、最初の3ヶ月間立ち上げ期間で人数も少なかったので、十分なコンテンツ提供ができたとは思えないところもあります。

立ち上げ期間では会員になって頂いた方々がどんな方なのか把握できていなかったのですが、ようやく「なんで入ってくれたのか?」や「何をしている人なのか?」ということを個別にヒアリングできるようになってきました。参加人数のムラがあったり、そもそもオンタイムで集まれない人が多いから、双方向のコミュニケーションだけを求めるのは難しいと感じつつも、一方的なニュースだけを流してもしょうがない。正直言ってまだ苦戦しているところで、課題を感じています。

ちなみに雑談のトークルームを「給湯室」って名前でやってたんですけど…

筒井さん

秀逸なネーミングで、面白いな、と思っていました

山川さん

ありがとうございます(笑)最近は「この人とこの人が同じ回にいたら面白い」というのを仕込んでみたり、方法を模索中ですね。

やってみて良かったのは、オンラインなので、地方から参加してくれている人も何人かいて、地方の文化事業に関わっている人の参加があったことです。ラーニング・プログラムで今、障害のある人を含めさまざまな人との対話の場におけるファシリテーションを学ぶスクール(ファシリテーションスクール)をやっているんですが、BASICでTHEATRE for Allを知った会員の方がそのスクールに参加してくれました。地方で活動しているとなかなか同じことを考えている人がいないという理由でBASICに入ってきてくれて、その後BASICよりも更に踏み込んだプログラムを受講につながり、実践的に学ぶというかなり理想的なステップ。地方の現場で一人で横断的な部門を担当されていて、頑張っているんだけど仲間がいない、みたいに感じて共感できる仲間を求めている方がいるっていうのがよくわかりましたね。こうした横のつながりはオンライン事業じゃないとできないな、と思いました。

筒井さん

面白いですね。

僕らのSHAKEもDiscordの中で、映画のことを日夜「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しています。その中で僕らがやっていることというのは、「コミュニティとそこで取り交わされるコミュニケーションのありようを設計する・デザインする」ことなんだなとわかってきて、それは非常に興味深いですね。今の山川さんのお話でも文化芸術と福祉のアクセシビリティみたいなところの接点っていう、ものすごく具体的なテーマに集った人たちがコミュニティを成している。まさに「給湯室」を裏で仕込むようなことだなと思います。また、そういうテーマでもお話が伺いたいと思いました。

汐田さん、僕らも立ち上げて半年間やってみてのお話をお願いします。

SHAKE

汐田さん

僕たちの場合は、動画からテキストまで色々な性質のコンテンツがあったりするので、それぞれがどういうリアクションを生むのか、試行錯誤しながら分かってきました。

例えば、今ちょうど『街の上で』を公開してる今泉力哉監督と、『あのこは貴族』が公開中だった岨手由貴子監督との対談を、映画インフルエンサーのもっちゃんを司会に行ったんですが、これまでで一番大きいリアクションをもらいました。公開中の邦画作品の監督同士の対談というのは、お客さんが食い合うということもあり、宣伝側からは企画できないんですよね。なので、第三者だからこそ企画できるようなものを作って、実際に良いリアクションを頂けたことはとても大きい意味があると思います。

今は、試行錯誤をしながら、「こういうものはすごくリアクションがいいな」とか「これはイマイチだな」というのが蓄積されてきて、みんなに求められているものが見えてきた状況です。コンテンツの内容や形式というのは日々トライしながら改善しているところでもあるんですけど、少しずつ僕たちの理解が広がっているのは良いことだと思っています。

一方、課題として思っているところは、「コミュニティ設計」といった時にそれは「どういう」コミュニティを設計することなのか?という点です。「映画ファン」とだけいうとすごく広いので、「洋画好き」「邦画好き」に分けたとすると、両者は性質も動きもまったく違う。それと同様に、映画を観るきっかけや感想のアウトプット先の媒体も、それぞれのグループによって細分化されているということが分かってきたところです。ただ、その細分化されたグループに最適化したコミュニティを作っていくわけにはいかないので、広義の「映画ファン」という大きいコミュニティの中で多様な価値観や楽しみ方をどう生み出していくかというのが、今後の課題だと思ってます。

(SHAKE: https://basic.motion-gallery.net/community/shake-c...

筒井さん

ありがとうございます。

山川さん

我々始めた時SHAKEさんは先に始められていたので、BASICで見られる情報は見ていたんですけど、「これで550円なの!?」と思ってみんな頭を抱えていました。その上で「第三者として作った場でないとできないマッチングがある」ってすごくいいなと思いました。

トピック3. 月の価格設定はどう決めた?「価格」の考え方

山川さん

さっきお伺いしたくて聞きそびれてしまったのが、価格設定についてです。「月550円」がBASICの最低価格ですが、それより高い金額設定とかは検討されたんですか?それとも、立ち上げはとりあえずこの価格でやってみようという感じだったんですか?

価格設定と今やってる活動とのバランスは、参加してくださる人のタイプにも如実に影響すると思うんですが、ミニシアタークラブさんとSHAKEさんはどう考えられていますか?

SHAKE

汐田さん

コミュニティの目指す規模にもよると思うんですね。

月額のお金に対してどれくらいのコンテンツを提供するのかっていう視点ももちろん大事だと思うんですが、僕たちの場合は松竹さんが入っていたということもあるし、自分たちが映画を見せる側として必要な観客数を考えていくと、最終的にはそれなりのユーザー数が必要。もちろんコミュニティごとの考え方は色々あると思うんですけど、SHAKEの場合「狭く深く」というよりは、ユーザーの層を広くしていくような設計にしなければいけない。それが前提にあったので、なるべく値段は安くしてハードルを下げたい、というのがまずあった。なので、確かに値段設定は迷いましたが、ユーザーが多い方がコミュニケーションが生じるだろうし、それが今後より大切になってくると思っています。


八木健太郎さん(SHAKE)

八木さん

松竹の八木です。価格設定に加えて提供価値とのバランスという観点から僕からもひとついいですか?

最近色々整理をしている中ですごく感じるのは「参加者」と「賛同者」の違いです。設計の初めの頃は、「参加者」よりコミットメントの高い「賛同者」を集めることで素早くシームレスに事業化していくというモデルを考えていたのですが、この半年で「参加者が多い取り組み」と「賛同者を集める取り組み」というのは質的に異なると気づきました。

なので、賛同者を集めるのは僕らが想定していたより時間がかかるかもしれないと思いつつも、逆に今は「映画」という業界全体で勝負できるのが僕らの強みだと思っています。BASICで賛同者を集めていくモデルを進めつつ、参加者が多い単発イベントなどで応用や検証をしていくことによって、全体の影響度や提供価値を上げていき、それが賛同者と参加者両方の伸長に還ってくればいいなと思っています。

筒井さん

SHAKEのお二人ともありがとうございます。

朝山さんは価格設定などについていかがですか?

・ミニシアタークラブ

朝山さん

価格設定についてはですね、正直他のオンラインサロンの価格をベースにしました。

結局「オンラインコミュニティ」といっても、ユーザーからは「オンラインサロン」というような見え方になってしまうので、どれくらいの金額だったら払ってもらえるのか、色んなオンラインサロンの価格帯を参考にして考えていきました。

色んなオンラインサロンに実際に入って調べてみたりして、提供するコンテンツに対して価格設定の金額感を確認したうえで、例えば、毎週一本動画を出して月4本の場合、月1,000円くらいの会費だったら妥当性があるのではないかということで、それくらいの価格にしています。なので、収益性というよりは、他のもの比較して適切な価格として設定したと言う感じです。

THEATRE for All

小林さん

ちょっとTHEATRE for All LABについて追加をさせていただきます。

1,000円頂いてLABとしてやっていることって一体なんなのか?とここ1ヶ月くらい考えていました。そのなかで、頂いている料金は究極的には「部費」かなと思い、むしろ「あなたも発言できます。そして話し合いましょう」みたいなコミュニティにしていくのが理想だと思い至りました。

なので、「サービス料金」というより「部費」的なシステムで、参加度がかなり高いコミュニティとして位置付けているという感じ。何かを提供するというよりは、「参加して一緒に作りましょう」みたいな…。それを思い出すと、街中でやっているようなアートプロジェクトに、ライフワークとしてコミットしてるボランティアさんとか、そういう人たちに体質が似ている。もうちょっとプロフェッショナルな、もう少し細分化されたモチベーションでいらっしゃる方が多いんですけど、仕事や趣味の場以外にも自分の声を発信して議論を深めたり、情報収集をしたいという意識がある方が多いのかな?という感じですね。

(シアターフォーオール:https://basic.motion-gallery.net/community/theatre...

筒井さん

あぁ、部費っていうのはすごくいい概念ですね。

単純に何かを消費するためのお金の払い方ではなくて、「自分がその活動にコミットするぞ!」っていう意思表示としてお金を払ってもらうっていう…。そういう意味で、お金の使い方が「サステナブルである」っていうことの一つのあり方なんだなと思いました。

価格設定についても三者三様、異なる考え方をされていて大変面白かったです。

参加ハードルとしての価格設定、「相場」を踏まえた価格設定、「部費」の徴収...と同一プラットフォーム上のコミュニティながら、それぞれに異なった視点から「価格」について考えられていましたね。

(閑話休題)3事業者の活動を見てBASIC側の手応え

筒井さん

それでは大高さん、ここまでのBASIC立ち上げられて半年経て、まずはこの3事業者がヨチヨチ歩きは否めないながらも走り出しました。ここまでの半年間を振り返ってどうですか、手応えの程は?

大高さん

プロジェクト型クラウドファンディングであるMotion Gallery本体とのつなぎ合わせもまずは置いておいて、急ぎスタートしたので「これからが本番かな」と思っています。

現状、みなさん初速で一気に人が集まるようなコミュニティになっていないというのが、オンラインサロンっぽさがなくて、本質的な取り組みをやっているなと思います。社交性を煽り立てるようなやり方をすれば人をもっと集められるけど、コロナ禍を経て「一極集中でピークを作る」ことに疑問が持たれるパラダイムにもなってきているので、ゆっくりアジャストしつつ、ストック型で足腰の強いものを作っていくという意味では良い出だしなのかと思っている。

これからはプロジェクト型クラウドファンディングで得ている知見も含めて、いい形でコミュニティを回していければいいなと思うし、そこの土台を作っていくべく、みなさんと一緒に頑張っていきたいと思っています。

トピック4.「サステナビリティ」それぞれのこれからに向けて

筒井さん

「スケーラビリティ」に対置される概念として「サステナビリティ」と「継続性」が、BASICのそもそもの思想としてあると思います。同様に3事業者のみなさんも、あまり儲からなくても手の届く範囲のことをやりながら続いていくという意味で、二つのキーワードがテーマの一端にそれぞれの形であります。

演劇の世界にしても、映画の世界にしても、ミニシアターを取り巻く作家性の高い作品の流通の仕組みにしても、現状がサステナブルじゃないからこそ、サステナブルな構造へ転換することの価値が高まってきている。例えばSHAKEであれば、サステナブルじゃない映画を取り巻く産業構造のどこを問題として認識していて、どのようにサステナブルにすべきだと考えて活動に取り組んでいるんですかね?

大高さん

僕が最初に聞いた時に、その点SHAKEは明確だと思っていました。

例えばミニシアタークラブは、北條さんとかミニシアター関係者からの恩返しも含めて、ミニシアターをつなげて保っていく、楽しみつつ広げていくってことだと思うんですね。それに対して、SHAKEがやろうとしていることは「最早NETFLIX でよくね?」と思いがちなZ世代を中心とした若年層に向けて、映画館に限らない「映画的なものを映画的に鑑賞する体験」を増やしていくことで、「我々の世代で映画人口を絶やさない」ということだと思ってます。次の世代に繋げていくという意味で、サステナブルな取り組みだと感じています。

筒井さん

凄い綺麗にまとめて頂いてありがとうございます。

大高さん

僕は聞いたことを言っただけです(笑)

山川さん

THEATRE for Allに関しては、芸術も福祉も、関わる以上は根本的に時間がかかるという前提があり、少なくとも今のフェーズでは拡大路線を取る段階ではないので、まずはサステナビリティの優先度が高いですね。

とりわけLABに関しては、もちろん会員が増えるに越したことはないと思いつつ、極論すると会員数は横ばいでもいいくらいには思っていて…、むしろその人たちとより濃い議論をすることで新たな知見を引っ張り出したり、その知見をTHEATRE for Allの他の部署や関わってる団体・施設、BASICで参加している人たちに還元していくような循環構造を作っていくことが今は大事だと思います。

八木さん

コンテンツの提供というよりかは、コミュニティから意見を吸い上げるっていうところが重要ですね。

クロージングトピック. 3つのコミュニティのこれから

筒井さん

それでは最後に、みなさんが今後どういう活動をしていこうと考えているか、抱負をお伺いできればと思います。番宣的にアピールしたいことなどもあればどうぞ!

我々からいきましょうか。

汐田さん

松竹さんって世界で初めて映画ができたのと同じ年にできた会社なんですけど、それこそ100年前のコンテンツなんかもあるんです。それを今改めて楽しむ方法を作り出して「アーカイブを生かす」みたいな考え方も、サステナブルだと思う。

僕たちが松竹さんと一緒にコミュニティをやっている強みもそこだろうし、差別化できるポイントもそこだと思うので、既にあるコンテンツ、具体的にいうと「小津安二郎」みたいなレジェンダリーなものを使いつつ、新しいお客さんとどうコミュニケーションを取っていくか考えていきたいです。

今はオンラインが基本的な活動のベースになりますけど、今後はオフラインでの展開も含めて、映画を楽しむ「切り口」「出会いの場」を増やしていく活動を、より加速してやっていけたらなとSHAKEとしては思っています。

筒井さん

ありがとうございます。それでは、朝山さんお願いします。

朝山さん

僕の個人的な野望としては「もう少しアニメにも切り込みたい」と思ってます。

ミニシアターというと、どうしてもみんな実写のミニシアターを想像すると思うんですけど、近年、NETFLIXが色んなアニメ制作プロダクションと契約していく中で、独立したアニメクリエーターが色んな作品を発信しているんだけれども、なかなか発信する場が多くないので、「映画やコンテンツを楽しむ場」としては、もう少しジャンルレスでやっていきたいという心持ちがあります。

ただ、現状まずはミニシアター文化を深く根付かせていくということを大事にしながら、今後はクリエイター支援の活動というか、クリエイターが発表する場づくりの応援をしていきたいと思っています。

筒井さん

乞うご期待ですねそれは!ありがとうございます。

それでは、THEATRE for All LABさんからもお願いします。

小林さん

今後のTHEATRE for All LAB としては、舞台芸術の作品に対して字幕や音声ガイドなどのバリアフリー表現がどうあるべきか?という議論を中心にさまざまな当事者性のある人たちが意見を言い合えるような状態を目指そう、というのが一つの大きな目標になっています。

音声ガイドやバリアフリー字幕は、作品に対しての理解やそれを言語化する能力、また障害についての理解もないと改善していけないものです。

THEATRE for All自体のコンテンツもこれから増えていくので、ワークショップと連動したりとか、プリコグ制作の舞台公演とも連動したりとか…様々なところに対して、自分たちの言語を持って、自分たちの言語を磨いていくような、コツコツとした活動がTHEATRE for ALL LABで出来たらと思います。

筒井さん

ありがとうございます。コツコツだけど盛り沢山ですね。

小林さん

やることはいっぱいあるんです。やりたいこともたくさんある(笑)

締めに…BASICで作られるこれから「消費から生産へ」

筒井さん

それでは最後の最後、大高さんにお願いしたいと思います。

今後のBASICについて、そしてもし我々3事業者に対するエールというか応援のお言葉も頂けると幸いです。

大高さん

BASIC全般については、これからセキュリティ付き動画のオンライン上映との自動連携も始まりますし、さまざまなメディアのコミュニティもスタートするので、これからのパラダイムに合わせた新しいクリエイティブの基盤として、BASIC自体をソーシャルインパクトある形にしていけたらと思っています。単に人数というよりは、深いコミュニティだったり、それぞれの文化表現活動に対して、楽しみつつコミットしていけるような人を増やしていけたらと思っていて…

超個人的に、パッと今思いついたんですけど『花束みたいな恋をした』という映画がありましたね。あれを端的に見ると、社会で働く必要がない学生の時って、多くの人がやっぱりクリエイティブなものとか、コンテンツ・エンタメが好きなんだけど、働き始めるとそこから離れちゃうよねっていう批評に見える一方で、(友人の批評で首肯したのですが)もうちょっとクリティカルな批評としては、「消費し続けるだけでは飽きる」っていうことかと思っています。 主人公のふたりは表現活動に対して常に消費者でしかなかった。消費者でしかないからこそ、『ショーシャンクの空に』を好きなサラリーマンを馬鹿にしていながら、まさにその消費の輪廻の中に回収されていく話かと思っています。

ヨーゼフ・ボイスが言っていた「社会彫刻」の概念に近いと思うんですけど、単に消費する側になってしまうと、結局ある種の市場経済に収斂させられてしまうんだけれども、消費の選択においても表現をしていくっていうか、創作側に回ることで、文化とか表現というものが単なるオプションとしての「趣味」ではなく、「必要不可欠なものである」という認識が広まっていくはずだと思います。多分BASICって、より長期的にそういう創作活動に、消費者でありつつ創作活動にも関わるきっかけになれる仕組みかと思っていて、今日お集まり頂いた御三方、三者三様にまさにそういった活動をされていると思っています。

僕も学生時代に、映画やアニメ、演劇などさまざまな創作活動をやれたらいいなと思っていたけど、いざやったかっていうとやってない。始めるに際してのハードルがあまりに高いし、それ以前に「どうしたらいいかわからない」というところがあった。だから、このオンラインコミュニティに参加することで、そういう情報だったり、仲間だったり、知識だったり、きっかけだったりを、かなりハードル低く提供できるようになってくるはずです。例えば、THEATRE for All LABでも演劇だけじゃなくて、ソーシャルインクルージョンというか、ユニバーサルな鑑賞方法を通した社会づくりに関わるということがかなりクリエイティブな活動であり、ある意味創作者として関わるわけであって、そういう活動を支える社会のインフラになっていけたらと、改めて今日お話伺っていて思いました。

筒井さん

いやぁ、ありがとうございます。綺麗にまとめていただきました。

とても面白かったです。言い出しっぺながらも、貴重なお時間割いていただいた甲斐があったなと勝手に思ってます。

八木さん

こういうトークに会員さんも巻き込んでいけたらいいですよね。

筒井さん

そうですよ!そういうことですよね!

大高さん

そうですね!定期的にこういうのやりたいですね。

会員も巻き込んで相互に関わるっていうのも面白そうですね…。

筒井さん

良かったです!

皆さんのお力添えで、形にありました。ありがとうございます。

またやりましょう!またやらせてください!


この記事を書いた人

MotionGallery編集部

MotionGallery編集部です。

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