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TIPS - 2019.12.09

クラウドファンディングで集めたお金の税金はどう支払う?課税ルールや会計処理を徹底解説!

クラウドファンディングで集めたお金にかかる税金の支払い方、会計処理はどうなっているのか?寄付型でも支払う必要があるか?この記事では、意外と複雑なクラウドファンディングの課税の仕組みや、所得税について解説します。

     「クラウドファンディング」と一口に言っても、様々な種類があり、それによって資金提供者・資金調達者の税金の支払いが変わってきます。クラウドファンディングの種類によっては、控除の対象になったり、逆に「加算税」「延滞税」などの税金がかかってしまうこともあるので注意が必要です。

     本項では、クラウドファンディング種別の税金の支払いと、確定申告の有無についてまとめました。 

    クラウドファンディングの種類について

     クラウドファンディングは、プロジェクトを起案し資金調達する「プレゼンター」、プロジェクトに資金提供する「コレクター」、弊社のような「プラットフォーム」の三者が関わる事業です。

     「クラウドファンディング」と一口に言っても、その種類は多岐に分かれます。大きくは「投資型」「非投資型」に分かれ、更にそこからまた細かく種別が分かれます。それぞれの種別で、「プレゼンター」と「コレクター」が負担する税金は異なるので、あなたが携わろうとしているクラウドファンディングがどの種別なのかを今一度ご確認下さい。

    1. 投資型

     投資型には大きく「融資型・ファンド型・株式型」があり、それぞれの概要は以下の通りです。

    ①融資型 : 希望融資先が同じ他の資産家と資金を出し合い、大口化してコレクターに融資する仕組み。いわゆる「ソーシャルレンディング」としても知られている。

    代表的なプラットフォーム:オーナーズブック様、SBIソーシャルレンディング様など。

    ②株式型 :主に非上場企業株の株式に投資することが可能な種別。上限は50万円。

    代表的なプラットフォーム:FUNDINNO様、GoAngel様など。

    ③ファンド型 :プラットフォームが、特定の事業に対して個人投資家から出資者を募る仕組み。出資者は、売上等の成果や、出資額に応じた金銭的なリターンを受け取る事ができる。

    代表的なプラットフォーム:セキュリテ様など。


    ①の融資型(貸付型)、③の事業投資型(ファンド型)は「匿名組合方式」で組成されることが多く、この場合分配金は雑所得として総合課税の対象となります。

    プレゼンター:個人所得税・法人税

     個人なら個人所得税、法人ならば法人税が課税されます。ただし、出資者に配分する利益については「必要経費」として計上できます。(形状科目は、融資型の場合は「貸付金」、株式型とファンド型では「投資科目」)

    コレクター:なし(ただし分配金発行の際に納税義務が生じる)

     出資の時点ではコレクターに課税義務はありません。投資したプロジェクトのプレゼンターが分配金の発行を行った際に初めて、出資者に納税義務が生じます。

     分配金の合計は、源泉徴収税(20.42%)を控除した金額となり、給与所得と退職所得以外の所得が20万円以上ある場合は確定申告を行わなければなりません。

    ※源泉徴収税は本人の給与所得額などによって変化し、税率が確定するのは確定申告の時です。

    ※所得が20万円以下の場合は原則として確定申告を行わなくても良いですが、確定申告を行う事で還付を受けられる場合があります。

     ②の株式型の税金については法整備中ですが、現在のところは有価証券の取得と同様の扱いとなります。詳細は以下をご参照ください。https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/19/01.htm


    2.非投資型

     「非投資型」には大きく「購入型・寄附型」の2種類があります。

    ①購入型

     購入型クラウドファンディングは、コレクターが商品の開発などに必要な資金を提供する代わりに、出来上がった商品等をリターンとして受け取れるという仕組みです。一般的に「クラウドファンディング」と言ったらこちらの種別を想像される方が多いかと存じます。

    代表的なプラットフォーム:MOTION GALLERYの他、CAMPFIRE様・Makuake様など。

      • プレゼンター:個人所得税・法人税
        •  個人の場合:資金を事業に使うのであれば「事業所得」、そうでない場合は「雑所得」として所得税がかかります。
      • コレクター:なし
        •  製品の購入と同様ですので、個人が支援を行う場合は税の支払いも確定申告の必要もありません。また、個人事業主や法人がファンディングを行う場合、その製品が事業に必要なものであれば経費(損金)として費用の計上を行うことが可能です。

     ②寄附型

     クラウドファンディングの仕組みを利用した寄附です。認定NPO法人や自治体など、公益的な活動を行う団体に対する出資となります。

    代表的なプラットフォーム:Ready for Charity様など。

     寄附はリターンがない場合が殆どなので、募金などと同じ税法が適用されます。「税金逃れとして寄附を使う」ことを防ぐために細かい設定があるため、寄附型クラウドファンディングの税法はコレクター・プレゼンターが個人か法人かで細かく分けられています。

    パターン1:個人から個人の場合

      • プレゼンター:贈与税
        •  寄附は贈与とみなされるため、プレゼンターに贈与税が発生します。贈与税は、基礎控除の110万円を超えて寄附を受けたときに発生します。
      • コレクター:なし(※ただし控除の対象にならない)
        •  コレクターは、「寄附」と言って確定申告や年末調整を送ってもふるさと納税のような控除の対象にはならないということになります。

    パターン2:法人から個人の場合

      • プレゼンター:贈与税
        •  法人から調達した資金は一時所得とされるためプレゼンターには所得税が課せられます。この場合必要経費が認められるので、クラウドファンディング運営業者に支払う手数料や一時所得の特別控除(50万円)を差し引いたものに税率を掛けたものが税額です。
      • コレクター:なし
        •  この場合、寄附額は「寄附金」として費用(損金)に算入することができます。

    パターン3:個人から法人の場合

      • プレゼンター:法人税(寄附金が受贈益になる)
        •  受贈益はプロジェクト費用として諸経費を差し引くことができるので法人税額を減らす事が可能です。
      • コレクター:なし
        •  プレゼンターが法人であるため、所得税法上の特定寄附金に該当するものであれば確定申告をすることで税金が安くなる場合があります。 (いわゆる寄附金控除)

    パターン4:法人から法人の場合

      • プレゼンター:法人税(寄附金が受贈益になる)
        •  寄附金が受贈益となり益金の額に算入されます。
      • コレクター:なし
        •  一般の寄附金扱いとなり、損金限度額を限度として損金算入が可能です。

      まとめると下の図のようになります。

    Tips: インボイス制度について

     2019年10月より、インボイス制度が導入されます。インボイス制度は、消費税の適用税率と税額の詳細を記した請求書の発行を、「課税事業者に限定する」制度です。支払い側は、このインボイスに記載されてある額しか「仕入税額控除」(支払済の消費税として、確定申告の際に控除できる額)に算入できなくなってしまいます。フリーランスを始めとする免税事業者は死活問題になりうる制度です。

     購入型クラウドファンディングは、リターンの設定は基本的に「消費税込み」で行われます。ただし、ここでプレゼンターが徴収した消費税は、最終的に課税事業者であるプラットフォーム側が徴収し、両者間には請求書でのやり取りが発生しないため、インボイス制度の影響を受けにくい資金調達スキームと言えます。

     ※寄附型の場合は、非課税取引となります。

    参考:

    https://www.zeiri4.com/c_1032/c_1033/h_474/

    https://cf-hikaku.net/beginner_step4/

    https://oiio.jp/entries/282

    ※ラジオ番組を始めました!編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が、日本最大級のクラウドファンディングサイト「MOTION GALLERY」のプロジェクトを紹介しながら、アートやカルチャーにまつわる話題を、ゲストとともに掘り下げていく番組です。下記の画像をクリックいただき、是非お聴きくださいませ。


この記事を書いた人

MotionGallery編集部

MotionGallery編集部です。

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